日本を感じる週末(1):ラーメンレストラン編


土曜日の朝。嫁が言うのだ。「ハノーファーに行きたい」

へいへい。行きましょ。ハノーファー。

うちからほんの60キロほどの距離にあるニーダーザクセン州の州都ハノーファーは、私がヒコーキに乗るといえばここからになるし、なにかとよく行く街。特に予定もないんだから、まあ、いいでしょ。

アウトバーンをトコトコ走ること40分ほどでハノーファーの中心部の旧市街地に到着。ここの駐車場に車を停め、まず向かったのはデパート。

信号待ちの間に一枚。

このデパート、ハノーファー市内に駅前店とこの店と2店舗を構えている。ダイエーがイオンに買収されたせいでイオンが至近距離に2店舗ある…とかそんな感じで2店舗あるのではないかと睨んでいるが確証はない。とりあえず、こちら側の店舗にはデパートのくせして駐車場がないという致命的な問題を抱えている。駅前の方に駐車場がないという方がまだわかるのだが…。

中は…といえば、まさに百貨店。日本の百貨店が衰退しているとかいう話をよく聞くけど、まさに「なんでもあるが何もない」という状態。いや、もしかすると、お金持ちの皆様は別のご意見をお持ちかもですけどね。

じゃあなんでデパートに寄ったのはなんのことはない、嫁がトイレに行きたいといい出したから。トイレだけ使うとは図々しい…とはごもっともながら、トイレも有料で50セント払ったんだからまあ許してほしい。

嫁を待っている間にトイレの付近を散歩していると、夏物の処分を行っている。ふんふんと見ていると…

そもそもドイツのLは私には大きすぎます…。

…これいくらよ。

見方によっては€12.99にも見えるし€13.99にも見える。気になる。

数分後、トイレから戻ってきた嫁に聞いてみた。

「€13.99じゃない?」

ええ?これ3なの?2じゃなくて?

「なに、この服欲しいの?」

いや、全然ほしくない。これが2か3か気になって。

「いらないならなんで聞くのっ」

…なんでって、2か3か気になったからで…。細かいことが気になるのがボクの悪い癖。

怒られついでに今頃家で着るのに丁度いいような薄手のパーカーを買い、そのまま外に出ようとしたら…

…嫁が靴コーナーに吸い込まれていった。

あー、俺のバカバガバカー。一瞬でも目を離した私がアホタレだった。

男がー女がーというのが今どきの世の中にふさわしくないというご意見はわかるけど、それでもあえて言わせてほしい。なんでこんなに女は靴が好きなのかと。

「この靴履きやすい」

 

…ってほぼ同じ靴持ってませんでしたっけ。

 

「あれは足首の部分の高さがぜんぜん違うじゃないのよ」

 

…さいですか。

というかさあ、なんでセールでもないのに靴をそんなに一生懸命見ているの?

以下省略ながらなだめすかしてようやく店の外に出ると

「そろそろお昼食べたい」

…そっちの欲望できますか。

なんとなく歩いていて見つけたのがここ。

Kenibo Ramen Barなるラーメンレストラン。

ラーメン屋じゃないの…というお方はよく聞いてほしい。この店の一番安いラーメンでも€7.9。つまり、日本で言うラーメンの1000円の壁をほぼ超えるような価格設定なのだ。1000円を超えるようなラーメンを出すところはラーメンレストランということにする。私が今決めた。

まあ、正直言ってヨーロッパでラーメン一杯€7.9は破格の域で安い。例えばダブリンのその名もずばりThe Ramen Barなるラーメンレストランは(今実は「ラーメン屋」と打ちかけたことはここだけの秘密)なんとラーメン一杯が€16(リンク先pdf)もする。もはやラーメンレストランどころかラーメンブティックとでもいいたくなりますが(意味不明)。とりあえず、ダブリンの半額のラーメンは安い。これは間違いない。

刮目せよ。これがほぼ2000円のラーメンだっ。

翻ってこちらハノーファーの店の名前Kenibo…ケニボ?けんいぼう?なんじゃそりゃ。ちょっと調べるとNoosouというチェーン店だということが判明。ああ、いかにも中国の名前だな。なるほど、中国資本がなんとなく日本食レストランを始めたのかと思いきや、なんとNoodle+Soupを短くしただけということが判明。もしかすると中国資本なのかもしれないけど真相は名前からは判断できず。

中に入る。

おそらくベトナム人じゃないかなと思われる小柄の女の子がメニューを持ってきてくれる。

メニュー。

…ある意味すごいね。Chashu ShoyuにYasai Miso…仮にドイツ語が一切わからなくても日本語を解す人なら理解できる。注文できる。

すでに書いたとおり、この値段は間違いなく良心的。というか怖いくらいに安い。うーん、どれにしようかと思って見ていると、あるじゃないか、私の大好物が。担々麺。たんたんめーん。あのピリ辛スープがたまらないっ。偶然見つけたこの店、すでに気に入ったぞ。はい担々麺くださーい。

参考画像。私の思う担々麺。紅虎餃子房 鳥栖プレミアムアウトレット店にて撮影。これですよ。これ。あれ、そういえばこの黒胡麻担々麺も確か1000円の壁を超える高級品だった気がしてきた。いや、セットじゃなければ1000円切ったっけな…。

待つこと確か10分くらいだったか、担々麺はやってきた。

…ぉ、ぉぅっ。

うん、ドイツだもんね。日本じゃないもんね。自分が想像していた担々麺と違っていたからってうろたえてはいけない。こう見えてもピリ辛スープなんだよね。いただきます。

この箸がいかにも中国とか言っちゃいけない。Product of Chinaは見て見ぬ振りをするっ。

味噌の味はする。味噌に辛さを微妙に感じるけど、担々麺とは似ても似つかぬものだな。そういえば、肉も鶏肉だな…。やっぱり海外で食べるなんちゃってラーメンなんかに期待した私がアホだったな。

 

この店の名誉のために申し添えますが、けっして不味くはなかったですよ。むしろ1000円程度の価格帯で、ヨーロッパでこれだけのものを出すことは素晴らしいと思います。だけど、これが担々麺というのは納得いかないっ。

ちなみに嫁が頼んだのは照焼チキン焼きそばなるちょい謎物体。一口頂戴をしなかったので知らないが、嫁いわく美味しかったとのこと。

ちなみに嫁はラーメンがあんまりお好きではない。これは私のせい。嫁に限らずおそらくヨーロッパ人は…と一般化してもさほど問題はないと思うことは、皆様脂ギトギトがお好きでない。例えば、トンカツをすすめるなら脂の少ないヒレカツのほうが喜ばれる(ような気がする)。

同様に、ラーメンも脂ギトギト系は喜ばれないのだ。例えばこれ。

尾道で食べたラーメン。このコクのあるスープが美味しかった…というのは私の弁で、嫁に言わせりゃ「ギトギトしすぎ」ということになる。ラーメンを食べさせるなら中華そば的な控えめなやつを食べさせるべきだった…というのはまさに後の祭り。

話を戻してこちらのレストランのもう一つ良かったことは、量。ドイツで下手に注文すると日本で言うところのメガ盛りサイズになるのだが、このラーメンは日本のそれと同量と言っていいと思う。半チャーハンくらいついてたって食べられましたよー…くらいの量。

というわけでお会計。飲み物は別なので700mlの炭酸水を二人で1本別に注文したので二人で€25。お一人様1500円はしつこいけど安い(ダブリンではラーメンだけで2000円ですからね)。

…って、あれ?

Tokusei Torimisoってなんぞ?

はい。私は明確に「45番、Tantan」って言いました。なのに注文が間違っていたと。嫁に「え?ホントに45番って言った?なんかぼそぼそ注文するから悪いんだよ」と言われ自信がくなる。こうして、勝手に宿題を増やしてしまった。担々麺のリベンジをいつかせねば。

そののち

…まだ靴見ますかね?いいか、買わんぞ。

見るだけー。

履くだけー。

買うだけー。

…というわけで案の定といえば案の定また靴お買い上げっ。

この他いくつかのお店に寄ったのだがもう書くのが面倒なので省略。ちょっとだけ書くと…

嫁いわく、ドイツの本屋のほうがにほんのそれより雰囲気が良いと。口惜しいけど同意せざるを得ない。

さらには、とある友人宅で水道管から水漏れしたとかで一部の部屋が水浸しになったとかフェイスブックでやっていた時に「救援物資にアヒルのおもちゃ送るね」と約束したので購入。日本へのイヤゲモノですね。

…などとやって、最後は本家のホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ でお茶。ええ?どうよインスタ女子ども。伊勢丹がどうした、こちとら本家本元のホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ でココアだぞっ。まあ、こんな自慢をするからには…

ココアのパウダーだ溶け残っていたこととかは書いちゃいけなよな。うん。それにしてもすごい砂糖の量にクリームでダメ押ししてるすごい飲み物だなぁ。

失礼しました。こちらが正しい写真でございました…。

表題の通り、日本を感じる週末は次回に続く。