【日本帰省記(1)】Snigel、涙目の理由

上司の脱力ノートパソコン交換事件の後、翌朝私はバスで空港へ。…と書くと簡単なんだけど、


大荷物。


とはいえ、嵩は張っているけれども、所詮はぬいぐるみ三体、スーツケースも入れた全体の重さは30キロちょい。ぜんぜん余裕といっていいだろう。


空港内で仲間を発見。


バナナの巨大ぬいぐるみを持つ少年。キミハボクノトモダチダ(迷惑がられそうですが)。


長い旅に出る茂吉の様子(ビニール袋が投げ込まれたとこ)。


このあとのヒコーキのぐだくだはいつものことだから、ネタにはしない。次の瞬間は…


長い旅を終えて、成田空港に到着した茂吉の様子。


どーでもいいことだけど、写真に写りこんでいる、ベルトコンベアの脇に立っている係の人って何してるんだろう。


で、通関。


税関職員:「その袋の中身は何ですか」
私:「ぬいぐるみです。ご覧になりますか?」
税関職員:「ひとつ出していただけますかね」


ばう


やはりといえばやはり、麻薬などが入っていることを疑ったのか、税関職員氏、おなかの辺りを押していた。大丈夫です。んなもんを入れてかわいい茂吉を痛めつけるような真似を私がするはずがありません。


それにしてもヒコーキを一歩降りた瞬間、搭乗橋に足を踏み入れた瞬間、予想はしていたけれども、


もわー


っとした熱気に襲われてイヤになった。高温多湿。ちなみにダブリンを出た瞬間の気温は10度。この日の東京は34度。こんなことを言ったらお叱りを受けるかもしれないけど、夏の日本、こと東京なんて住むとこじゃあありません。


翌日は去年鬼籍に入ったじーちゃんの墓参り。なぜかお墓は茨城(遠いよ)。車を出してもらったので、さほど大変ではありませんでしたが。ただし、木陰のないお墓周辺の気温は40度近くになっていたんじゃないだろうか。


その翌日は、買い物。


今回、間抜けな私はいろーんな忘れ物をしてきた。まず家の鍵。さらにコンタクトレンズ。ん?コンタクトレンズ。そういえば、電車の広告で、コンタクトレンズを安売りしているな。ちょうどいいや、買っちゃえ。


というわけで、割引クーポンをしっかりネット上から印刷して某ターミナル駅の駅ビルにある大手コンタクトレンズ店へ。


初めての利用だと申し出ると、申込書に記載するように言われる。それに記入すると


店員:「お客様、お名前と生年月日でお調べしたところ、すでにご登録がございますね。八王子のご住所で…」


驚いた。それってもう10年以上前の話だよ。よく記録が残ってるもんだ(しかもそれがすぐに出てくる)。


それで記憶が戻ってきた。そうだそうだ、大学生だったころ、初めてコンタクトレンズを買ったんだ。ハードレンズ。それは八王子のお店でつけて、そのまま京王線に乗ったんだ。


そしたら、調布駅を過ぎたあたりで(土地勘のない方、よーするに40分の道のりの半ばを過ぎたころ)コンタクトレンズがずれた。それで、新宿駅に到着後に、そのころ出来立てだった新宿駅の南口の高島屋のトイレに駆け込んだ。で、トイレで一生懸命行方不明になったレンズを目の中で探したけど見つからない。それで涙目で、「もうコンタクトレンズなんてしない」と心に決めたのだった。


それから10年以上経って今日もコンタクトレンズをつけているところからして、結局なんとかなったんだろうと思うが、それ以上の記憶がない。


閑話休題。某ターミナル駅の某大手コンタクトレンズ店。当然処方箋がないので(アイルランドのそれを見せてもどうもならんだろうと判断)眼科の検診を受けることに。


階下の眼科へ。受付にて。


受付:「当院、初めてのご利用でしょうか」
私:「はい。そして、最後だよ
受付:「それでは保険証のご提示をお願いします」
私:「いえ、自費でお願いします」


この瞬間、受付の女性が凍ってしまった。…オレ、そんなにヘンなこと言ったか?(言ったんだろうなあ)。そう、日本人としての三大義務のひとつ(おさらい、憲法で定められた日本人の三大義務:勤労、納税、教育を受けさせる)のうちの納税の義務を果たしていない私、当然社会保障のサービスを享受できるわけはありません。まあ、裏技として、帰国するなりに住民登録をすればいいとは聞いたことはあるのですが、そーゆー行為ってどうよ…って思うわけです。こと、ほんの数千円の話で。


受付:「本日、月末の〆日になっておりますので、本日中に保険証を当院までご持参いただかないと、当院でのご返金が不可能になりますが」
私:「…自費で、お願いします」


いちいち「私は海外に住んでいて…」などと説明をするつもりのない私、受付の人の「この人大丈夫?」的な目線に耐えつつ、30分以上の待ち時間の後、目の検査を受ける。


ほとんどの検査は助手さんにより行われて、先生は最後にほんの数秒おざなりに診てもらっただけ。目が痛くもかゆくもないんだからそれでいいんだけど。


会計では、係の人が申し訳なさそうに


係:「本日中に保険証をお持ちいただければ、ご返金できますので」


といいつつ渡された領収証は3500円なり。…アイルランドの町医者(GP)にかかると50ユーロ(6000円)に比べると十分安いぞ。ちなみに保険証持参の人たちは500円くらいだったような気がする。


かくして、ようやくゲットした処方箋を持ってコンタクトレンズ店に戻る。店頭の係氏:


係:「処方箋は6ヶ月間有効で、本日6か月分までお買い求めになれます」


ちなみにアイルランドではいちど処方箋をもらえば、その有効期限は2年間。この6ヶ月という期限、法律が決めているのか、店独自の規則なのかは知らんが、いかにも短い気がしてならない。


単純に考えて、6ヶ月の有効期限の処方箋の有効期限を2年に延ばすだけで、使い捨てコンタクトレンズを使っている人の医療費、大雑把に2500円かける3回で7,500円が抑制される計算になるんですけどねえ。


お店で勧められた、一箱(1か月分)3000円くらいの「化粧品と同じなんとかかんとかとかいう保湿成分が入って目に優しい」(係氏談)使い捨てレンズを購入。アイルランドでは1か月分が30ユーロ(3600円)だから、それでもお買い得。この値段なら、ちょっと多めに4か月分くらい買ってもいいかも。


係:「4か月分のご購入ですね、ありがとうございます。それではお会計のほう失礼します。4か月分、クーポンご利用で24000円でーす」


ん?


私の低性能の脳みそがフル回転。なんで24000円?12000円じゃなくて。


もしかして、一箱って、両目だから二箱いるってオチですか?


高っ!


これは本気で騙されました。いや、私が莫迦なだけなのだろうけど、でももともとコンタクトレンズの原価って数十円とか聞いたことがある。もう日本でコンタクトレンズなんて買いません。コンタクトレンズをつけて目が乾くどころか、完全に涙で潤ってます。