【日本に帰省】(2)〇分観光(その1)

そして翌日(日本滞在二日目)。


買い物に出る。実は今回の帰省の目的は沖縄での弟の結婚式。礼服までとは言わないものの、スーツを買わなければいけない。日本に帰省するたびに会社用のスーツを買う。かくして、別府へ。別府のコスモピア(失礼ながらどう見ても赤字にしか見えないショッピングセンター)のコムサでスーツを物色しているしているときに事件発生。電話が鳴る。


おとん:「同僚のPさんって人から連絡があったよ。○分に来てるって」


はい?


実はドイツ人の同僚P(女性)が3週間ひとりでジャパンレールパスを使い日本を旅行している。気の置けない同僚なので「いつでもおいで」と言っていたのだがホントに来やがった。しかも人の日本滞在二日目に。


教訓:ドイツ人におためごかしは通用しない。


いや、彼女の名誉のために書いておくと、もしかしたら彼女は来るかと思っていた。とはいえ驚いたことは事実。彼女は公衆電話からケータイに電話をかけてきた。


同僚P:「今○分駅にいるんだけど」


はいはいはい。すぐにお迎えにあがります。


話は前後しますがただいまロシア上空を飛行中。ちょうど道半ばくらい。窓際の人が日よけを閉め忘れたので外が見える。さっきから数時間ずーっと夕暮れ。不思議です。そしてトイレに行くために靴を履いたときに気がつくんだけど足がまったくむくんでいない。やはりエコノミーエクストラはその価値があると思う。ただし、足が思い切り伸ばせる最前列を選ばない限りあまり意味がないと思われますが。


それにしてもノイズキャンセリングヘッドフォン(雑音を軽減してくれるヘッドフォンの効果はてきめん。快適。一万円程度で買えるのでオススメ。


で、急に真顔になるのですが、やはり日本に帰省した後の帰りのフライトは切ないものがあります。だれがなんと言おうと日本は私の祖国なのです。何があっても日本人としての誇りは忘れたくないし、日本が世界で誇れる国であり続けることを心から願うのです。


話は戻って○分。彼女を探す必要はまったくなかった。金髪の彼女は完全に浮いており、即発見。彼女を拾ってパークプレイス(ジャスコを核としたショッピングセンター)を経由して彼女を連れて自宅へ。なんだか忙しくなりそうな予感。そしてその予感見事に的中したりするのですが。


翌日。まずは高知から八幡浜からの深夜フェリー経由で別府国際観光港に到着したひでかすを拾い上げて九重町にある「夢大吊橋」へ。この人を莫迦にした(と少なくとも私はそう思う)名前のこの橋、九重町が町の浮沈をかけて建設した吊橋。これが見事に功を奏して観光バスが大挙して押しかけ、休日には大渋滞が起こるほどの人気観光地に。このおかげもあって九重町は平成の大合併をせずに済んだという。



じゃじゃーん。


長さ390メートル。高さ173メートル。それはいいんだけどさ、



…○分県のどこよりも人口密度が高くないですか?ちなみにこの日は平日です。



左側通行って地下鉄の駅じゃないんだから。


この橋、吊橋だから当たり前なんだけど揺れる揺れる。挙句の果てには




中央が金属板で下が見えるようになっていると来たもんだ。これ、高所恐怖症の人にはたまらないのでは。ちなみに私も高所恐怖症の人です。ただし条件があって「自身の安全が保証されていない時」。つまりね、たとえば世界一高いビルの最上階の展望室にいたとしても恐怖は感じません。なぜなら自身の安全が保証されているから。あの厚いガラスを突き破って下に落っこちることは不可能です。しかし、柵がない場所などでは落ちたら死ぬという高度の場合、得も言われぬ恐怖を味わうわけです。この吊橋の場合、落ちるわけがないという安心感から恐怖はまったく感じないわけ。たとえ足元が下まで丸見えになっていたとしても。


とはいえね、やっぱりダメな人はいるようで。



片道はなんとかなったとしても帰りはダメという人のためにシャトルバスが用意されています。


対岸に到着。



マムシに注意。


…いるんかい。


ちょうどお昼時になったので対岸にあるいかにも一見観光客相手のうどん屋へ。味は可もなく不可もなくというか、決してまずくはないものの、進んで食べようとは思わない感じ(ひでかすはもっと辛辣なことを言っていたが)。気になったことはこのくされスピーカー。



小鳥のさえずりを大音量で流している。


もうアホかと思いましたよ。ホンモノの今そこで鳴いている小鳥のさえずりをかき消すスピーカーから流れるニセモノの小鳥のさえずり。


考えてみれば、この「夢大吊橋」とやらも自然破壊の元で作られた産物でして。休日にもなると周辺道路は排気ガスをまき散らす車で大渋滞になるそうな。自然を愛でるために自然を破壊する皮肉。…ってかくいう私も車で行ったんだから何の説得力もないわけですが。


実は昔にこの吊橋が作られる前にここを訪れたことがありまして、当時は普通の靴ではちょっと険しい荒れるに任せた遊歩道がありましてそこをたどって滝を見に行ったものです。今では何の苦労もなく吊橋から眺めることができるようになった振動の滝。何の苦労もなく眺められるようになった分感動も少なくなったような気がする。


ところでね、こんな吊橋だからことによっては自殺の名所になりそうな気もする。ものすごい皮肉な事実ですがこの橋の記念すべき(?)最初の自殺者はこともあろうに県職員(だったらしい)。まさか市町村合併に反旗を翻した九重町への非難をこめた自殺とは思えませんが、皮肉な事実であることは否定できないかと。ともあれ、この橋からの風景は確かに雄大ですので、お手軽に雄大な自然を眺めてみたいという方はぜひどうぞ。



そんなこんなで次に向かったはひなびた温泉。私、ひなびた温泉が大好きです。ちょっと見てくださいよ。このひなびた温泉。その名は筋湯温泉







こちらは共同温泉。混浴。入る勇気はヘタレな私にはありませんでしたが。ちなみにこれくらいの混浴でビビっていた私に翌日温泉王国○分県はとんでもない強烈な温泉をぶつけてきたのですがこれは次回のお話。






最近流行の足湯。この手軽さは確かにいいかも。


そして私とひでかすが入ったのは薬師温泉。実は、筋湯温泉は「日本一」を自称する打たせ湯があるらしい。が、その打たせ湯はよりによってメンテナンス中によりお休み。やむなくこちらの薬師温泉へ。


うっかりしていたことにこの温泉の写真を取り損ねた。と思っていたら私のページの読者さんが詳しくレポされていることに気がついた。よろしければそちらをどうぞ。


薬師温泉は300円をお賽銭箱に入れてはいる方式。お湯はフツーの人にはぬるいだろうという温度ながら、アイルランドに住んでいて風呂につかり慣れていない私にはちょうどよかった。ちなみに、ここの共同温泉は薬師湯と岩ん湯が日替わりで男女入れ替わりになるらしい。かくして、同僚Pは岩ん湯の打たせ湯を堪能したらしい。世の中不平等だな。まったく。


そして、3週間で日本一周を目指す同僚Pはこの日のうちに長崎に行きたいらしい。というわけで日田駅から列車に乗せることにする。列車の時間まで若干の時間があったので豆田町へ。ちなみにここは前回の帰省のレポートで既出



ここにね、「濡れせんべい」を売っているお店がある。これがいいにおいを通りに振りまいており、素通りをすることはなかなか難しい。で、店先で買うと店員さんが「中のいすが空いてますのでどうぞ」と中に入るように勧めてくれる。すると、中にはお茶まで用意されておりおせんべいをおいしくいただくことが出来る。で、おせんべいをいただいていると当然目はヒマだから店内を見回すわけ。するとおいしそうなおせんべいが並んでいるわけよ。かくして、ついといらないおせんべいまで買って帰ってしまった。実にうまい商売と言える。おいしいから文句はないんだけどね。



そして、日田駅へ。やってきたのはゆふいんの森号。この列車、私が高校生くらいのときくらいからずっと運行していて一度乗ってみたいと思わせる、いまどき大変に珍しいビュッフェやさらにはアートギャラリーつきの列車なのだが、未だにその機会に恵まれない。


同僚Pを送って帰宅。翌日に続く。