【日本に帰省】(3)〇分(と熊本)観光(その2)

そして翌日…って何気なく書きはじめてますが、実は私、現在ダブリン空港内のパブにおります。実はたまにコドモのようなお金の使い方をする私、日本で最近話題のミニノートパソコンを買ってしまったのです。ASUSのEEE1000Hという売れているノート。この話はこの旅行記が東京まで進んだらね(っていつの話になるのやら)。



翌日ひでかすのたっての希望で阿蘇山へ。



…って何年ぶりだろう。阿蘇山なんて。



私の記憶が正しければいつぞやに来ようとしたのだが有毒ガスのレベルが高いとかそんな理由で火口まで行けなかった記憶がある…がそれがいつだったのかついと思い出せない。それくらい昔。



誰もがそうであるように私にもコドモのときの記憶がある。その記憶によると自分の実家から阿蘇山、熊本までは本当に月ほども遠かったと記憶している。が、今回実家から阿蘇山を目指してみるとほんの2時間ほどであっけなく到着してしまった。



確かに高速道路が整備されたというのも事実。が、それ以上に、自分の中での体内時計が変わったと思うのだ。それはもしかすると年齢を重ねたからかもしれない。あるいはヨーロッパに10年だかの期間住んで、いわばヨーロッパ大陸的な時間の流れが身についたのかもしれない(とか書けばえらくキザだけど要するに1分1秒に対する執着がなくなったというだけの話)。



ともあれ、話は阿蘇山へ。



私は地学についてはまったく浅学の徒ですので話半分以下で聞いてほしいのですが、阿蘇山の周りは噴火によってできたカルデラ大地らしい。詳しいことはWikiなりなんなりで調べてもらうとして、要するにね、阿蘇山っていう活火山があってその周りにくぼんだ平地があるのよ。つまりね、阿蘇山に登ろうとすると、熊本市内(=くぼんだ平地からでる川の出口)から近づいた場合を除いて一度外側の山(外輪山)から駆け下りる必要があるわけ。別に言い方をするとね、山が何個もあるところにドーナツの型を入れてくぼみを作ってその中央に出来たのが阿蘇の連山。型の外側にあるのが外輪山。



よくわからんって?そりゃ純文系、しかも三流私大を末席で卒業した私にこんな説明をさせようというのが間違ってます…と開き直ってしまう。



ともあれ、外輪山から阿蘇山を望むとこうなる。





私のへっぽこな写真の腕をしてもいい感じでしょ?





そこを九十九折の道で降りていくと件のくぼんだ平地へ。そこにあるのは阿蘇駅と道の駅阿蘇。…あっそうとお約束のオヤジギャグを飛ばしつつ、阿蘇山(正確には中岳)に登り始めますか。





道半ばにある草千里という場所よりの風景。くぼんだ平地があることに注目。



そしてそこからしばらく登るとほんの数百メートルの距離の有料道路を経由してやってきました。中岳の火口…いや、火口に降り立ったら多分死んじゃうから火口近く。




このように有毒ガスが観測されており、状況によっては立ち入りが制限される。この日は有毒ガスのレベルは一番低い青が点灯していた。




火口付近はこんな感じ。




そして火口から少し離れるとこちらは砂千里。誰がどう考えても千里どころか一里もないのだが自然の雄大さを感じさせるには十分だと思う。



そして、火口から反対側に駆け下りてやってきました、とある日本一。





南阿蘇水の生まれる里白水高原駅。



そう、日本一長い駅名。



感想は一言で片付く。



だからどうした!



日本一長い駅名にしたいならまさにこの駅がそうしたようになんかテキトーな枕詞をつければいいだけの話。たとえば新宿駅を日本一長い駅名にしたければ



JRと京王線と小田急線と東京メトロと都営線とついでに西武線まで接続する新宿駅



…と改名すればその場で日本一長い駅名が出来上がり。そしたら今度はこの南阿蘇水の生まれる里白水高原駅が



熊本県の第三セクター南阿蘇鉄道がんばってます!自然豊かな南阿蘇水の生まれる里白水高原はこちらでござい駅



…に改名して日本一奪還を狙うに違いない。しかも「!」まで一文字として数えるように主張して。…ってどう見ても、客観的に意味のない不毛な争いだな。ご賢察のとおり、日本一長い駅名という以外には本当に何にもない、集落のはずれにある駅でした。こんな場所に行くのは一部の鉄ヲタくらいです…とおおよそ1万キロ離れたアイルランドからこの駅を訪れた私Snigelがお伝えしました。



そして当てもないままに向かった先にあったものは…





高森湧水トンネル公園



なんでもこの南阿蘇鉄道から数年前に台風で破壊されて廃線となった高千穂鉄道までつなぐ無駄で無謀な計画があったんだそうな。ところがトンネルを2キロほどまで掘ったところで「南阿蘇水の生まれる里」の地下水の大動脈に大当たりして工事は中断。結局工事は中止され、トンネルだけ寂しく残ってしまったそうな。



これじゃあいかん!と高森町の人たちが立ち上がりまして、このトンネルの再利用方法を考えます。皆様ならどうされます?2キロほどの貫通していない鉄道用のトンネル。なんと高森町の人たちはこれをアートギャラリーにしてしまった。




…これのどこがアートギャラリーなんだとお怒りの向きがあるかもしれませんが、私たちが訪れたときには町内の各組織が作った七夕の飾りつけの展示をしておりました。そんな高森町のすばらしい町おこしの発想にすっかり感銘を受けた私たちはひとり300円という大金を払って中を拝見させていただきましたよ。11月に見る七夕の飾り付けは実にすばらしいものでございました。


…って私が見たかったものはアートギャラリーのはずはなく。言うまでもなく廃線トンネルってのを見てみたかったのです。しかもお手軽に。





2キロほどの未成トンネルのうち一般に公開されているのはわずか600メートル。突如このような壁があらわれて終了。うん、確かにアートギャラリーが片道2キロ(往復4キロ)もあったら大変だから600メートルというのは妥当な判断かもしれない。が、私はいったい何を見たくてこのトンネルに300円払ったのかわからずじまい。




一般公開されている果てにある「いかにも」なドア。この向こうに行ってみたい気もするが、きちんと鍵がかかっていた(確かめたんかい)。





そしてお次に向かったのは「ひなびた温泉」シリーズその2。今回は長湯温泉に。…と言っても何の予備知識もなく突然行ったんですけどね。長湯温泉の案内図によると、数か所の公衆温泉があるらしい。「ガニ湯温泉」というのがあるらしく、そこに向かおうとするがそんなもんはどこにもない。本当に小さな温泉街なので見落とすということは考えづらいのだが。




川べりの道からようやくみつけたガニ湯。なんと川原にあった。



…あら、いい感じじゃん、と思った人、ちょっと引いて撮った次の写真を見てから言ってほしい。





対岸から丸見え。



ここに温泉がなくて裸になっていたら間違いなく通報されて○分県警よりお縄を頂戴します。そんな場所なのに堂々と温泉として存在しているようで。



こりゃ無理だよ。無理っ。



そりゃ私の裸体を見たいなんて人はいないってのはわかる。だけどさ、こりゃ無理。理屈じゃない。無理っ。





ちなみに、この温泉に入ろうという勇気(蛮勇か?)のある方、川原の道の橋の下にこのような簡易な脱衣場が設けられております。



仕方ないから、とんでもない炭酸泉らしい、その名も「ラムネ温泉」へ。が、しかし、



本日休館日。



しょぼーんとするひでかすと私の元に救いの手は現れた。ちょっと長湯温泉の中心から離れたところにあったのは



万象の湯。



ここの受付にいた館長さん、おしゃべり好きで親切なお方でして、



館長:「お帰りの際間違っても県道30号線には行ってはいけません。大変な難路です。0.5斜線幅です。この道を通ったばかりに○分まで2時間かかったというお客様もいらっしゃいます」
私:「大丈夫ですよ。ナビがついてますから」
館長:「そのナビが危ないのです。ナビ道理の指示で行くとこの県道30号線に誘導されることが多いようです」
私:「わかりました。その県道30号線には近寄らないようにします」



車に乗るなり私はひでかすに



私:「よし、その県道30号線経由で帰ろう」



私、狭い道とか旧道が好きという人には理解していただけないミョーな趣味がありまして人が広くて快適な道を使おうとするのに私は狭くて難儀な道を使おうとします。人は私を変人と呼びます。



最初は快適な道でしたが…




幅員狭小表示キター!



…と、ちょっと期待してしまったのですが、実は途中に1キロ近いトンネルを含むバイパス整備が進んでおり、館長さんから脅されたほどの狭隘路ではありませんでした。が、しかし、闇夜に突如現れた





このお地蔵さんはかなり失礼ながら不気味でございました。



翌日に続く。