【怪しい中華スマホ】総括。Ulefone Armor 7


今から3年前の1月。つまりはコロナ禍がまさにヨーロッパを襲おうという頃、私はスマホを買い替えました。

とりあえず読んできて…というか自分で読んできました。そうだったそうだった。怪しい中華スマホをいとあやしな中国のECサイトで買ったんだった。これ、どういうインチキだったのかはよくわからないものの、中華系サイトで注文するとそこから発送するのではなく、まとまった量の注文をまとめてEU域内にある倉庫だか中継地だかに移動。こうすることで関税その他の支払いを免れていたのね。

メーカーサイトより拝借。最後の写真を除き以下同じ。

結果として利用者側はこちらで買うより2-3割安い値段で商品を買えていたんだけど、さすがにドイツの、ひいてはEUの税関の皆様はアホではなかったようでこの穴は塞がれた模様。価格に優位性がないならわざわざリスクと時間を負ってまで中華サイトで買う必要などないわな。

こうして購入した怪しい中華スマホ。3年使った感想を申し上げます。私の「丈夫で壊れないもの」という第一希望は確実に達成されました。

丈夫でした。壊れませんでした。全く自慢にならないのですが、私は度し難いレベルでの粗忽ものです。このスマホ、家の中で硬いバスルームのタイルはおろか、外でコンクリートの地面に落としたことも何度もあるものの、保護フィルムのおかげもあり画面も割れず、本体も傷だらけになりつつも壊れず、この点においてはArmor 7は確実に私の期待を裏切らないものでした。

でも買い替えることになったの。

最終更新日2020年3月27日。以来3年以上私は更新を待っている。

Armor 7は物理的には丈夫でした。物理的には。何が言いたいかって、にわかには信じがたいのですが、2020年の3月を最後にメーカーによるセキュリティアップデートは配布されていない。つまり、発売後数ヶ月ではやばやとセキュリティアップデートをやめてしまったのね。

Armor 7、物理的には強かったが、セキュリティでは三流品だった。

幸いにしてクレカの番号流出とかそういう事件は起こらなかった…少なくとも私の知る範囲では。なんだけど、セキュリティアップデートが3年もないというのは…ないだろ。ありていに言って。Ulefoneのアフターサービスにかける情熱の具合がわかろうというもの。ここ、大事なので赤文字にしましたよ。

さておき、最初から調子がおかしかったのは指紋認証。0.1秒で認識すると高らかに謳っているけど何度やっても私の指紋を認識してくれない。指紋を登録し直しても別の指でもだめ。結局この機能は諦めることに。幸い顔認証があるから大丈夫…と言いたかったけどこの顔認証も気まぐれで私を認識してくれないことも結構あったり。さらには銀行系のとかの一部アプリでは顔認証を使わせてくれないのもあるので、いつもスーパーの会計で長いPINコード(4桁とか6桁ではない)を順番を待っている人たちからのプレッシャーを感じながら延々入れる羽目に。地味に不便だった。

カメラ。センサーだかカメラそのものは韓国の某S社製で、48MPという十分すぎる画素もあり…という売り込みだったが、まあ撮る人のセンスがなさすぎたんだろう、いわゆるピンボケ写真とか手ブレ写真が死屍累々。

これだけならだましだましこのArmor 7を使い続ける選択肢もあった。なんだけどさぁ、あまりによくある話ですよ。そう、バッテリーがもう駄目っぽいのよ。

Armor 7の売りの一つはその重さとトレードオフにしたバッテリー容量。300グラムという私の業務用に使っているiPhoneのちょうど倍という恐ろしい重さと引き換えに、当時としてはすごかった5500mAhの大容量バッテリーを搭載。よっしゃ、これなら一日充電しなくて持つ…と思っていた。というか最初の頃はそこそこ使えていた気がする。なんだけど、もう最近は特に何もしていなくても電池は目に見えて減っていき、出かけていたりしたら特にアプリなどを使っていなくても途中で残量はなくなる。Google Mapなんて使おうものならもう大変なことになる。バックグラウンドで走っているアプリを止めてもだめ。

さらに悪いことには、ワイヤレス充電の挙動が怪しくなってきた。一晩充電器の上においておいても20%くらいしか残量が増えてなかったのはまだいい方で、全く充電されないこともたびたび。出かける予定の週末の朝にスマホが充電されていないときの絶望感といったらない。充電器の不良も当然疑ったが、他の充電器でも結果は同じ。

じゃあUSB-Cポートから充電すればいいじゃんということになるけど、この差込口が完全にゆるゆるになっていて、たいがいのケーブルは外れ落ちるか認識してくれないかのどちらか。うちにあるうちのたった1本がなぜかかろうじて認識してくれるので、これを注意深く差し込んで、スマホを絶対に動かさなければ充電される。

対策として、こんな差込口がマグネットになってるやつを買ったけど無意味でした。そりゃそうだ。問題は差し込みがゆるくなってるんだからこんなもんを買っても何の対策にもならない。ゆるいのは私の頭も同様らしい。

以上つらつら書いてきましたが、3年前のメーカーの自画自賛を見ながら答え合わせをするというのは、昨日の星占いから答え合わせをするようないやらしさがありますがこんな感じでした。Ulefoneはまだメーカーとして進化の途中なのかもですね。あれから3年も経っているのであるいはいろいろ良くなっている可能性もありますね。

結局さあ、今まで4台(と代打の1台)の台湾・中華スマホを使い続けてきたのですが、見事に3年サイクルでの買い替えになってるのね。というわけで、また中華スマホに乗り換えです。