日本の人民服を買う


毎年この時期は恒例の日本帰省の季節ですが、このようなご時世ですからとても帰省などできませんでした。ひとりで地団駄を踏んでます。

当然の帰結としまして年休があり余っています。5月に無意味に1週間ほど強制取得させられたのですが、それでもまだ25日とか残っていて、総務より年内に最低でも15日は消化するようにという厳命が下りました。いや、その命令を額面通りに受け取ったら12月はほとんど仕事しないってことになるんですがね。

そもそも休んだところでやることがない。器用な人間なら家のリフォームとかも一考でしょうが、不器用が服を着て歩いているような私にはどだい無理な相談。お出かけしようにもレストランやカフェは閉まっているし、美術館だとかの類もロックダウンで閉鎖中。

結局できることは家の近所の散歩くらい…という悲しい現実。ただし、イナカのことですので、近所の散歩などにはマスクは不要。ほとんど誰とも出会いませんから。ちなみに都市部ではマスクは義務のようです。

幸いにして、ロックダウン中とはいえドイツでは半径5キロ圏外への外出禁止!のような厳しいお達しは下っていない模様。いちおうお店は開いてるんですが、こんなイナカに住んでいると、わざわざ人が集まるお店に出向いて感染リスクを高める必要はないなという結論に至ってしまう。そういえばVWのお膝元Wolfsburgにあるアウトレットにも久しく行ってないな。

そんな中、寒くなってきたのでなにか家の中で着るような服がほしい。そうだよなあ。例年なら日本に帰省してユニクロあたりでフリースなんかを手に入れて…

ん?ユニクロ?

そうだ。お店に出かけないならネットで買えばいいじゃない。

というわけでドイツのユニクロのサイトへ。

本日確認したら日本で話題になっている+Jとやら、しれーっとこちらでも売ってますね。日本と価格の比較をしてないのでよくわかりませんが、私に言わせれば実にいいお値段です。

私が欲しいものはもちろんこんなおしゃれアイテムじゃありません。ロックダウンがあろうとなかろうと在宅勤務の私。家の中であったかく過ごせるものが欲しいんだいっ。

もう明らかに見慣れたやつ。これがセールで€19.9になってました。この色も買いました。家人から「ぬいぐるみ」呼ばわりされました。

というわけで、去年日本のユニクロで確か土日特価1490円で買ったフリースの色違いがセール特価€19.9で売っていたのでこれを書い、さらにはパジャマも買い…とやっていたら嫁がやってきて色違いのフリースを所望。なんだかんだであっという間に€100ほどの買い物に。

パジャマ。生地が薄いかと思いきや、着てみると温かいし着心地もいい。

ドイツの付加価値税は現在減税中とはいえ16%なので日本よりも高くなる。そして日本でおなじみの土日特価がないからちょっと高く感じるけど、それでも他のお店に比べたら破格の安さ。

もしかしたら日本みたくドラえもんの箱で届くかと思いきや、会社のロゴすら入っていない無地のダンボールで届きました。

3日後には商品は届きまして、定番のフリース他をゲット。翌日には夫婦で色違いのフリースを着て「あーあったかーい」とやっているという良く言えば仲良しな、悪く言えばこだわりを感じない状況が発生してました。

折も折、珍しく私の母親が父親の写真をラインで送ってきまして、それを見た私は思わず吹いた。なぜなら、父親もやはり色違いの同じフリースを着ていたから。1万キロ離れた親子(とその嫁)のペアルック。もうこれ、日本の人民服とか言ってしまってもいいんじゃないかな。

幸いといえば幸い、ドイツでのユニクロの知名度は高くないです。そもそも実店舗はベルリンにしかないですから。なので、一部の人が感じるかもしれない「ユニクロのフリースを着て外に出るのはちょっと」という変な自意識過剰は感じる必要がない。さすがにジャージ姿は嫁に怒られるのでジーンズに履き替えますが、上はフリースのままでスーパーなどにでかけてます。