解決、我が家の水問題


水が切実なる問題です。

…なんて書くとなんだこいつは世界の水問題で高説をタレるのか…などと誤解されるかもですが、もちろんそんな話が私にできるはずもなく、我が家の水問題です。

だんだん年齢を重ねてきて、年相応にだったりとか、あるいは住んでいる郷に従いだとかいろいろな理由があるのですが、私の中でいろんなことが変わりました。

変わったことの一つは「水」。ヨーロッパに来た当初はあの炭酸水なるシロモノが大嫌いでした。水ならそのままでいいし、炭酸ぶっこむならコーラにでもすればいいだろ!という言い分。なのに、いつ宗旨替えをしたのやら、少なくともここ10年以上は飲み水は炭酸水ばかりです。

近所のお店にて。手前の列に並んでいるのはすべて瓶入りの水です。なかなか壮観。

ここで「意識の高い」ドイツ人の皆様、未だに家庭用の水はペットボトルではなくガラス瓶…という人が多いようです。もちろんペットボトルの水も売ってますが、特にダース単位で買うような水は未だにガラス瓶も見かけます。

うちの一角にある水コーナーと水守。これだけの水を持って上がるだけで大変。

かくいう私も実はガラス瓶派なんです。理由は環境問題などを真剣に考えているからではなく、コーラなど味のついたものではまず気がつかないのですが、純粋な炭酸水だとどことなくペットボトル臭さを感じるんですよね。そんなわけなのか、レストランなどで水を頼むと、よほどの店でない限りガラス瓶の水が出てきます。

話がグダクダしてきましたが(ある意味平常運転)、私は水をよく飲むのです。少なくとも一日に2リットルは飲む。で、ガラス瓶の水は700ml入。つまり、一日3本。嫁もそれに近いものがある。つまり一日6本、2日で1ダース(ひとケース)の水が消費され…となると、かなりの頻度で水を買いに行かねばならないということになる。

この瓶入りの水というのが重いのだ。実に実に重い。ひとケース10キロじゃきかない。これを2階まで持って上がるのも一苦労だし、ひとケースが400円くらいするから金銭的にもばかにならない。

これはどげんかせんとかん

長くなりましたがこれが我が家の水問題です。

ある日、チラシを眺めていたら

これだっ。

Sodastream…要するに水に炭酸を加えて炭酸水にしちゃおうという機械。早速買ってしまう。

ちなみにこのSodastreamって日本でも売ってるみたいですね。上のドイツの広告と比べていただくと舶来品(死語)扱いなのか相当「いいお値段」になっているのがおわかりいただけると思いますが。

ただ、日本だと水道水の質の問題が出てくるかも。最近は東京の水道水は高度浄水処理をしているとかでおいしいらしいですが、驚くことに大分の片田舎の実家の水はかなりまずい。浄水器などを挟めばいいのでしょうが、もともとの水がおいしくないと、こんなものを買っても意味がない気がします。

翻ってドイツの片田舎の我が家。蛇口から出てくる水がまた驚くほどおいしい。なんでもおらが村の水道水は近所の泉の水を塩素などを加えない非処理の状態で蛇口までやってくるらしい。しかも、近所の町はヤカンが真っ白になるくらいの硬水なのに、おらが村の水は軟水で電気ケトルを何年も使っても全く白くなりません。

ネットで注文して1週間以上かかって家に届いたSodastreamを使ってみました。使い方はいたって簡単で、上についているボタンを押せば炭酸ガスがぶしゅぶしゅ出てくる。何度か押すと「ぶぶぶ」「もう炭酸は入りません」という感じの音がするのでそれで完了。電源コードも必要ない。

普通においしい炭酸水だし。

かくして我が家の水問題、あっさり解決。

60リットルまで炭酸水にできるという触れ込みのボトルは2週間ちょい持ちまして、どこで替えのボトルを買えるのかと思って調べたら、なんのことはない、家の最寄りのスーパーに普通に売ってました。かなり奥まった場所の棚の一番下の段にあったせいか、今までこの存在に気がついてませんでした。€7。今まで瓶入りの水を週に€10とかかけて買っていたのでお財布にも優しいし。

ふと気がついたんですが、私が今まで住んできた国、つまりは日本、アイルランド、ドイツは水道水が飲める国。世界規模で見るとこんな恵まれた国は少数派らしいです。あまり意識したことはありませんでしたが、私は水に関してはいつも恵まれた状況にいるらしいです。