Einbeckの自動車博物館PS.SPEICHERへ


あぢい。気温が30度を超えやがった…という6月のとある週末。うちには…というかドイツのほとんどの一般家庭にはエアコンなんていう文明の利器はありませんのでどこかに涼みに行こうと考えた私たち。白羽の矢が立ったのはEinbeckにあるPS.SPEICHER Einbeckという乗りものの博物館。2015年に開館したことは聞いていたがなんとなく行く機会を逃していた。

Einbeckerというビールがわりに有名でニーダーザクセン州に来られたことのある方ならご存知かもしれないけど、町そのものは全く無名と言ってもいいと思う。よし、今日こそ行こう…と思ってでかけました。

小一時間かけてEinbeckに到着。駐車場から見た建物の外観。明らかに工場か何かの建物を転用した感じ。

正面に回り込むときれいに増改築されているのがわかります。

入館料は通常展示のみで14ユーロ。ドイツの片田舎にしてはけっこう強気な価格設定です。

この入口脇で迎えてくれるのが…

お出迎えしてくれるのはこちらのベンツとアウディ。第二次大戦前の車らしいです。こんな車とアウトバーンが第二次大戦前に存在したってんだからすごいですよねぇ。

先ほどの入口脇の車も載せられる巨大なエレベーターに乗り6階に移動。展示は6階から始まります。

ここからだんだん階下に降りて地上階に到達する頃には未来の乗り物の展示を見ているという寸法。

いちいち各階の展示を案内してもつまらないと思うので写真のみで省略しますが、まあ、展示方法が凝ってるのだ。なのでこちらも興味を失わずに済む。

実はこれらの車、Einbeckから40キロほど離れた名もない村にあった博物館が閉館されたのを受け、そこにあった乗り物を譲渡されて移設、開館に至ったという経緯があるらしい。件の閉鎖された博物館に実は私も行ったことがあるのですが、こちらはあまり印象に残っていない。いや、悪い意味で印象に残っているかも。

というのも、この閉館された博物館、まずはドイツ人でも誰も聞いたことがないような無名の村にあり、そこにたどり着いたとしても建物は農家の納屋と建て増しされた倉庫のような場所で、中は薄暗くなんとなーく乗り物が集まったのでなんとなーく並べてみました。あ、特に説明はないですよー…という感じで、誰か例えばその道のプロの解説などとともに訪問すれば興味深かったのだろうけど、このドイツの二輪などまったくわからないので私としては「ふーん」で終わってしまった次第。というわけで、写真も残っていない。

翻ってこちら。Hanomagの車を運転シュミレーター。1925年に作られた…つまりほぼ100年前に作られた車なんだけど、見て気がつくことがないですか?そう、運転席が右側にあるの。

それだけならまだしも、なんとブレーキが右、アクセルが中央という現在の車と逆。アクセルブレーキ踏み違え必至です。なぜアクセルや運転席の位置が変わったのか、調べるとかなり興味深い結果になると思います。

Horch type 350
Hoffmann Vespa

説明がなければただの2台の赤い車…で終わってしまうのですが、ここも素晴らしい展示方法のおかげで興味が尽きない。

DKW 3

こちら、1950年代に作られたDKW 3という旧西ドイツで作られた車。翻って…

IFA F9

…こちらは同時期に旧東ドイツで作られたIFA F9。この時点で、そしてこの2台を見比べる限りでは東西の格差は感じない。同じように…

Lloyd Alexander(旧西ドイツ)とTrabant P 50(旧東ドイツ)の比較。トラバントくらいなら私も知っている。旧東ドイツが崩壊するまでなんかの一つ覚えで…とか書くと失礼か…で作り続けた車。

こちらはおなじみVWのバス。未だに実車が走っているのを見かけます。なんとなくLove and Peaceのイメージですが。

Honda XL 250とYamaha DS7

19世紀の半ばの自転車誕生の展示から1970年代まで時代が進み、ついに日本のバイクが登場。

「東部トレンド」ってなあに?と聞いたら負けです。

日本っぽい展示をする努力をされたことに敬意を評したい…けど…後ろの写真、ドンキホーテが都心に出店しているところから見てもおそらく2000年代以降の写真…とかそんな細かいことは言わない約束なんですね。はい。すいません。

この展示も興味深かった。展示方法を考えた方には敬意を表したいです。上のバイクと…

…この車、なんと同じエンジンなんだそうな。

うちの嫁が写り込んでますが見なかったことにしてください(言うまでもなくウソ)。

近未来の乗り物の展示で見学終了。見応えありました。