世界遺産都市ゴスラーのクリスマスマーケットのB級グルメ報告


私の住んでいるドイツの某田舎。割と近所(注:イナカ感覚の近所です)にGoslar(ゴスラー)というちょっとした街があります。ここの鉱山は世界遺産登録。町並みもなかなかの趣があります。

 

ドイツの他の都市でも開催されているのですが、この時期にはクリスマスマーケットが開催されます。これもまた多くの観光客が訪れます。というわけで行ってみました。あの、まともなレポートを期待してはいけません。なぜならば…

 

 

中の混雑はすごかった…。

 

…人多すぎ問題。

 

なんだよこれ。いや、結構な頻度でこのゴスラーのクリスマスマーケットに来てるよ。だけど、ここまで人が多かったことは今までない。

 

もうここにたどり着く前に嫌な予感はしていた。まず、駐車場が見つからない。いつもなら難なく駐車できるカイザー広場の駐車場は完全に満車で場所を探してさまよう車多数。駄目だこりゃと、早々と街の反対側の立体駐車場へ。

 

ケチ…もとい質実剛健なドイツ人の皆様は1時間あたり€1.4とかの駐車料金の支払いを厭うらしく、この立体駐車場はいつもすかすか…なのだが、今日に限っては満車に近い状態。

 

車を停めるなりトイレに行きたいという嫁と、通り道にあるデパート(と言ってもホントに小規模のもの)に寄りトイレに行こうとしたのだが、そこも女性は大行列。いつもは客よりも店員の方が多いんじゃないかという感じのデパートも今日は客でわさわさしてる。もうこの時点で私のテンションは下がり始める。蛇足ながらドイツのたいがいのトイレは有料。ここも50セントの利用料が(お掃除の方へのチップという形で)請求されます。

 

で、そこからクリスマスマーケットが開催されている広場までの道も人で溢れかえっており、ようやく最初の写真、広場の入口までたどり着いた。この時点で私のHPは軽く2割くらいは削られていた。

 

 

こちら、広場の中心部あたりで撮影したもの。…いやだから、人多すぎだってば。これ、年末のアメ横と比してもいいくらいだぞ。真っすぐ歩けないのはもちろんのこと、ベビーカーなどで入ってきている猛者もいるし、人波はほとんど流れていない。さらには一人や二人ではなく、かなりの人数のアホタレがこんなに混んでいるのにタバコを手に歩いているのだ。もうこの時点で私は「帰りたい」モード発動。

 

クリスマスマーケットでのお楽しみは、B級グルメの食べ歩き…なのだが、まあ、どこもかしこも大したものを買うわけでもないのに行列ができている。

 

この時点で午後4時とかだったのだが、私たちには大問題があった。実はクリスマスマーケットでB級グルメを堪能しようと、朝ごはんしか食べないでやってきていたのだ。つまり、超絶に腹減った状態。

 

 

嫁が誰も並んでいない店をロックオン。すばやく注文しやがった。

 

 

なにやら、巨大なフライパンで炒めたマッシュルームにクリームソースぶっかけて、そこに半分に切られたパンが乗っかってますな。マッシュルームは正確に数えたわけじゃないけどせいぜい10個くらいか。

 

店員さん:「5ユーロです」

 

はぁ?

 

嫁もあとになって、あれで5ユーロはないとおかんむり。…いや、買う前に値段を確かめないあんたが全面的に悪い。それにしても、マッシュルームの原価はせいぜい数十円の世界。場所代にいくらかかってるかは定かではないが、高笑いが止まらない商売であることは疑う余地が無い。

 

 

嫁はそして今度は数分並んでブレッゼルを買おうとしてる。…のはいいんだけど、選んだのは

 

 

…チーズたっぷりもっともこってり系。ちなみに€3.5

 

こんなもん選ぶから(自重)とは思うが、観察していると確かにこれが一番売れている印象。

 

まあ、私も人のことは言えない。実は去年もここに来たのだが、その時はお腹いっぱいで食べられなかったものがある。それはダック。どうもほとんどの店は既得権益と言っていいのか、毎年同じ場所に同じ店が出店しているので、なんとなくどこで何を売っているかは把握している。そんな中で、去年あったダックの店に行こうとすると

 

 

…その区画が教会の改修工事か何かで使用不能になっていた。

 

いや、ならばどこか別の場所に出店しているに違いないと、人波になるべく逆らわずに僅かな距離を這うような速度で進む私たち。見つからない。

 

 

ここで、HPがすでに半分以下になっていた私、急遽教会に避難。教会の中は暖房がきいているし、静かに座れるし、HPの回復にはもってこいの場所。ところが、係の人がすすすっとやってきて…

 

「これからミサを行います。もし、参加されないのであればご退出願えますか」

 

…教会にすら拒否される私たち。HPは回復しないまま外へ。

 

 

ここの名物に「森」があるのだ。別の広場に樅の木を持ってきて、森のようにして、そこを電飾で飾るという…確かに、趣はあるの。中は。だけどさ、もう1回言わせて。

 

人多すぎ。

 

中に立ち止まれるような場所すらなく、入ってはみたがそのままトコロテンのように別の出口に押し流される。さらにHPが削られる。ますます帰りたくなる。

 

 

森の入り口で嫁はグリューワインを買っている。€3。マグの預り金別途€2。ちなみに運転手は私。なので私は飲めません。ゆえにHPは回復せず。

 

 

空腹と人混みでいよいよ力尽きそうになっている私を横目に嫁は今度はワッフルの行列に並んでるし。ワッフルの中にはディックマンというチョコレートコーティングされたクリーム系の駄菓子を挟み込んだというこれまたカロリーの塊。確か€3.5。

 

結局苦労して1周しての結論はダックの店は今年は出店していない。諦めてソーセージで手を打つかと並ぶが…この行列が全く動かない。30分は大げさだろうけど、どんなに少なく見ても20分は並んだ。これだけのために。

 

 

 

0.5メートルソーセージバゲットと、Kartoffelpuffer(揚げたマッシュドポテト)のアップルソース添え。€5.5と€5。調べたら、「ポテトパンケーキ」と訳されるのね。なるほど。

 

もうこれ以上並ぶ気力がなかったので、食べ合わせも何も無視して、これを注文。ようやく見つけたわずかなスペースで水もなしにかきこむことに。

 

食べている途中で気持ち悪くなった。ソーセージは塩分多すぎ、揚げたマッシュドポテトはひたすらに油の塊。ちなみに家に帰ってから数リットルの水を飲むことに。

 

このマッシュドポテトをフォークだけで食べるのは至難の業でして。無理やりフォークで切り分けようとしていたときにプラスチック製の使い捨てフォークは見事に折れる。この時点で私の心も折れた。ただひたすらに、帰りたくなった。

 

それにしてもこの使い捨ての紙容器にプラスチックのフォークにすべてがゴミ箱に分別もされずに捨てられる。おいおい、誰だ、ドイツが環境先進国だとか言ったやつ。

 

このあと、クラフト系のマーケットを見て回ろうという思いはあったのだが、上記のような次第でHPの尽きた私はそのまま敗退。とっても楽しいゴスラーでのクリスマスマーケット体験となりました。

 

正直なところ、ここまでの混雑は見たことがなかった。土曜日の夕方といういかにも混みそうな時間帯に突撃したのが敗因なのは疑う余地が無いが、それ以上に明らかに外国人観光客が増えていた印象を受けた。特に私と見てくれが似ているので中国人らしきグループがやたらと目についた。

 

…と、まあ、今回に限って言えば正直なところいいところなしのゴスラーのクリスマスマーケット訪問でしたが、約一名…いや、約一匹の勝者がいた。

 

 

実はクリスマスマーケットに行く前にペットショップに寄り、キャットフードと猫の爪とぎ用のダンボールを購入したのだ。キキ様はこれがいたく気に入ったらしく、ひとしきり爪とぎをしたあと、あまりの気持ちよさに爪とぎの上に寝転がってしまった。…悪かったよ。そんなに喜んでくれるならもっと早く交換してあげればよかったよ。