尾籠な尾籠なご不浄のお話


尾籠な話で恐縮です。

 

…という書き出しから始まる本日のお話、徹頭徹尾本当に品のない話です。英語で言うところのBelowな話です(言うまでもなく間違ってます)。そんな話は読みたくない!という高尚なお方はこの先には進まれないようお願いします。警告したけんねっ。

 

というわけで、再び別の書き出しからスタート。

 

君はニーハオトイレを知っているか。

 

私は人生で数度だけ中国で見たことがありますが、ニーハオトイレよろしく最近トイレの中で鉢合わせしたんですよ。

 

参考映像。(ミント♂1歳)「撮ってんじゃねえよ」(ゴミ箱がだらしないことになっていたので一部画像処理しております)

 

ミントと。

 

もう相当昔の話ですが、嫁の発案でリビング(猫部屋)からバスルームに猫トイレを移設したのです。正しいと思う。ご不浄は一箇所にまとまっていたほうがいいに決まっている。ある日、私がトイレに入り、「ふぅ」となすべきことをしていると目があったんです。猫トイレから顔を出してこちらもなすべきことをしているミントと。

 

数秒お互いに見つめ合ったあとミントは砂を足で蹴ることもほとんどせずに出ていってしまいました。なんだか猫相手だったのに気まずかったわ。

 

上の写真をアップロードして思い出したんだけど、うちの猫が子猫だった頃、もしかすると猫用トイレへの段差が子猫には大変なのでは…と変な過保護精神を発揮させた保護者二人(嫁と私)は一計を案じまして、一段「ステップ」を置きました。成猫になってもご利用いただいているようなのでトイレ移設後もステップは存続しました。その正体は中に石が入ったとらやの羊羹の化粧箱だったりします。丈夫な箱は猫が一年踏んでも壊れません。

 

そもそも嫁と私(と猫二匹)の住む我が家に、トイレが1か所しかないというのは不安です。幸いにしてそのようなことは未だに起こっていないのですが、例えば嫁と一緒に変なものを食べてぐるぐるきゅるゅきゅるな状態になった…なんて非常事態に対応できないじゃないですか。せめて、日本で言うところの「バストイレ別」ならまだいいのですが、一緒。つまり、例えば嫁がシャワーを浴びていたら私はトイレを使えません。

 

いや…ね…夫婦なんだから互いを気にせずトイレを使えばいいじゃん…って話になりそうな気もしますが、百歩譲って夫婦でどっかの温泉の家族風呂に入るとかならまだいいとして、シャワーを浴びている横で用をたすのはちょっと…いや、大いに気がひけるわ。大いにっていや、大きい方だけじゃなく…。

 

あー、だんだん思い出してきた。私がおつきあいをしたことのある数少ない女性の中で(日本人女性は中学のフォークダンス以外で手を握ったことすらありませんので日本人女性ではありません)変なのがいたわ。まだつきあい始めて間もない頃に、私がバスルームに行ったらすでに件の彼女がいたんです。当然私は出ていこうとした。ところが彼女は言いました。

 

「私たち、つきあってるんだから、そこにいて」

 

…と彼女が大いなる方じゃない用をたすところを見せられました。幸い私はそれを機に「そっち方向」へのおかしな趣味に目覚めることはなく、ただひたすらに「なんじゃこいつは」と引いてました。なお、「そっち方向」がどっち方向かわからない健全なお方は、深く追求されないほうが身のためであると念の為申し添えます。

 

あえていい方に強引に解釈をすれば「何も隠さない関係になろうね」という意味だったのかもしれませんが…嫌です。実際結婚して3年近く経つ嫁ともそんな関係じゃないです。僥倖にも嫁は私の感覚を共有してくれているので、トイレを使うときはちゃんとバスルームの鍵を閉めてくれます。

 

ところが…なんですが、バス・トイレが別ではないバスルームで誰かがシャワーを使っていると、他の人が使えない…というのはけっこう不便だったりするわけです。そんなわけなのか、家庭内ではバスルームの鍵を閉めない…という人もけっこういるようです。あ、さっきの彼女が卑近な例だわ。

 

さて、ある日のこと。私にとっての非常事態が起きました。ほーらさらに尾籠な話方向に暴走してますよ。私がとっても強くトイレを正当な理由で使用したいという欲望が高まってきたにもかかわらず、嫁はいつまでもシャワーを浴びている。あるいはシャワーを浴び終わったあとでも、なぜか一般に女性はいつまで経ってもバスルームから出てこない。

 

かなり私は耐えました。耐え難きを耐え、忍び難きを忍びました。ここで嫁に頼んでバスルームに入れてもらえば問題は解決なのですが、私の羞恥心がそれを是としなかった。

 

しかし、もうこれ以上は!という切羽詰まった状態に追い込まれた私は嫁にドアを開けてもらう…という羞恥心を忘れるようなことはできなかった。そのかわりに嫁の両親の住む階下に突撃。基本的に同じ作りの家なので階下の同じ位置にやはりバストイレ別ではないバスルームがあるのね。しかも、玄関は共用で、世帯を分ける扉には通常鍵はかかっていないので突撃できる。

 

バスルームの鍵はかかっていない!天国のドアは開いた!「ノックしたいの天国のドア…何度も急降下する…」とバブルの頃の歌が頭に浮かびつつ開いた扉の向こうには…便座に座る嫁の父がいた…。

 

ドアそっ閉じ。

 

このあと、私が階下に降りた足音に気がついた嫁がバスルームから出てきたので、そのまま嫁を押しのけ二階のバスルームに直行。瀬戸際ながら事なきを得ました。

 

で、話は最初に戻るんです(…ってまだ続くんかい)。猫用トイレはバスルーム内にあります。で、例えば換気をするために窓を大きく開けるだとか、部屋の掃除をするだとかで猫をリビングなどに短時間閉じ込める…ということがたまにあるのです。

 

「くだらない話をしやがって」と下僕2号(私)を見下すキキ♀1歳

 

もう話の展開が読めた…という方もいらっしゃると思いますが、尾籠な話はさらに飽くなき暴走を続けます。とある土曜日の朝、嫁が他の部屋を掃除するという理由で猫二匹がリビング(というより猫様部屋)に、ほんの15-20分だと思われるのですが軟禁されておりました。

 

嫁がまだ掃除が終わらないうちに、何らかの理由でリビングに行く必要が出てきて、猫が出てこないように気をつけながらそっとリビングの扉を開いたのです。すると、猫のくせに脱兎の如くキキがドアから飛び出してきました。そして、廊下の片隅へ。

 

ここで嫁が私に対して変な対抗心を出してきたんです。未だにうちの猫様、抱っこを喜んでさせてくれないのです。が、この前日に私が機嫌の良かったキキを捕まえてちょっとだけ抱っこしているところを嫁に見せた。それで「私もできる」ということを見せたかったのだろう。嫁は廊下の突き当りに佇むキキを抱き上げまして、リビングまでお連れしました。私にドヤ顔をしながら。キキはおとなしくしていたのだが…その瞬間にも悲劇は起き続けていた。ありえないことがか神様の意地悪のように重なって起こる航空機事故のように、規模は小さいながらもこのお話もめったにない不運が連鎖して悲劇になりました。

 

ちょっと時間を戻してキキ視点で話をすると、推定こんな感じです。

 

下僕1号(嫁)がなんか知らんけどリビングのドアを閉めた(一日のうち数度もないこと)。ところが、しばらくして私(キキ)はトイレに行きたくなった。しかも、お腹の調子が悪い(めったにないこと…というか後にも先にもこの時だけじゃないかな)。なのにドアは閉まったまま。困った。ドアの前で待機だ。

 

…なのに、待てど暮らせどドアは開かない。もうダメだー。…と言うときにドアが開いた。反射的にドアから飛び出したものの、ああ…もう無理、トイレにまではたどり着けない。とっさの判断で思いついた。廊下の先ならまだ間に合うかも。

 

そして、廊下の片隅で恥辱の粗相を始めてしまった…(と猫が思ったかは知らんが、自分の部屋でやるよりはいいと思ったんじゃないかと邪推)。

 

…という正に非常時なのに、下僕1号は何を血迷ったか日ごろそんなことをしたことないくせに私を抱き上げる。でももうどうにもとまらない~ノンストップ。キキ視点での話終わり。

 

嫁がその「非常事態」に気がついたのは、こともあろうにリビングの反対側の片隅にキキを降ろしてからでして…すでに時すでに遅し。嫁のスウェット上下はもちろん、リビングルームには褐色の点と線のミステリーが延々続き、さらに、点はキキが逃げた先に「足跡」として残り…リビングが広範囲に阿鼻叫喚のなんとやらに。こうして、私はリビングで掃除を、嫁は緊急で洗濯をしましたとさ。おしまい。いや、リビングがカーペットじゃなくてほんっっっっっっっっっっっとに良かったわ。

 

キキの名誉のために申し添えますが、キキが粗相をしたのはうちに来てから子猫の頃を含め、これが最初で最後です。ミントは無事故です。