一汁三菜

トマト、好きなんですよ。いや、別に大好物というわけじゃないです。でも、野菜の中ではかなり好きなものの上位に入るものだと思います。ちなみに子供の頃は嫌いでした。あの中の液体部分だけ避けて食べてたり。


まあ、年中食べられるものになってしまってはいるのですが、夏の今頃、一番いいのはきりりと冷えた井戸水で冷やされた完熟トマト。これなら塩さえあればいくらでもいけます。まあ、井戸水は現実的ではないので冷蔵庫できりりと冷えたトマトで妥協せざるをえないのですが。これ「私はトマトは嫌い」という人はともかく、多くの人が同意してくださるのではないかと。


ところが、世の中にはトマトが好きなくせに上に同意してくれない人がいるんです。しかもすごく身近に。…嫁…っていう範疇の人なんですけどね。ある日のこと…


嫁:「トマト食べる?」
私:「おう。冷たかったら食べる」
嫁:「え?冷たいわよ」


かくして出てきたトマトは…冷たくない。全然冷えてない。完全に室温。どうも、嫁の理解では、火を通してないトマトは冷たいトマト…らしいのだ。なので、私の言ったことが理解できなかったらしいのだ。私は、冷たいトマトの美味しさをこんこんと説いたのだが…


嫁:「(室温の)これだって十分美味しいじゃない」


…わかっていただけないのですね。


まあ、これは瑣末な一例で、毎日こんなです。


もうひとつ食べ物から例を挙げると、昨日のお昼ごはん。珍しくご飯を炊いてくれ…というので私が炊きました。あ、これも別の例になる。嫁、「お米を研ぐ」という行為に理解を示してくれない。やり方を教えたのだが、いまいち自信がないとかで、ごくまれに白米が出てくるときは私が炊くハメになる。


何お前は女が料理をするのが当たり前という顔をしてるんだ!とお怒りの向きの方、私も家事はやりますよ…少しは。ただ、言い訳として、嫁より私のほうが勤務時間が倍近くあるのです。なので、平日の食事当番は嫁に丸投げしてます。そうでもなければ、料理くらい自分でやります。ちなみに洗濯は…この話は長くなるからまた気が向いたら。


完全に蛇足ですが、うちの白米は日本からスーツケースに入れて持ってきたものです。確かに、日本で無洗米を買ってくれば問題は解決するのですが、無洗米って、私が日本に住んでいた頃(90年代)にはほとんど見かけなかったものなんですよね。なので、何かしら私にとって得体の知れないものでして、しかも、無洗米のほうが高いとなるとわざわざ選ぶことを躊躇してしまうのです。


まあ、それはいいや。で、庭でとれたというズッキーニを料理してくれまして、結果がこれ。


何か感じることはありませんか。うん。ご飯が焦げてる。これはテキトーな私が水加減を間違えた(計量カップ?そんな高級はモノはないです)のと、私の嫁への火加減指導が間違っていたことが原因。ちなみに炊飯器なんていうブルジョワジーの持ち物はありませんので、圧力鍋で炊いてます。


いやいやいやいや、ご飯の焦げを語りたいんじゃなくて、これが日本で出てきたらどう感じられますか?


ここで登場するのは一汁三菜という便利なお言葉。そう、ご飯とおかず一品だけってどーなのよ?と思うわけです。個人的には汁には大した執着はない。というか、こっちで「汁」つまりスープが出てくるときはコース料理の前菜の前と相場が決まっている。日本の状況とちょっと違うような。


ワンプレートには文句はないのだが、なんかもう二品は望み過ぎとしてもあと一品ほしくないですか?これ?


…その翌日(つまり今日なんだけどさ)のお昼ごはん。


…なるほど、一品増えた。なんだけどさ…


昨日の残りをチンしただけじゃねえか。2日連続で同じもんを出すなっ。