SASがっすのスカンジナビア航空2016年3月搭乗記

行きはライアン帰りは…というと、もうタイトルでお分かりの通りスカンジナビア航空だったんですね。…というか、今、ヒコーキの中でこれを書いてるわけですが。


正直なところ、「いつものフライト」なので特に書くことはない…と思っていた。まあ、強いて違いを上げれば、いつもは朝の10時頃ダブリン出発で夕方の7時頃にはドイツのうちに帰り着いているのに対し、今日は午後4時過ぎダブリン発で家に帰り着くのは日付が変わったあと…という違いは確かにあるけどね。


それなのに日記のネタにする気になったのは、決してネタに枯渇したからではない。搭乗口で久しぶりにエラーメッセージを頂きまして…。それは案の定といえば案の定、インボラアップグレードのお知らせでして。


普段なら、まあ、たとえヨーロッパ線でも少しは嬉しいこと…のような気がする。…なんだけどさ、A320でこれが起こったら皆様ならどう思われますか。

 
予約していた非常口座席(通路側)から、エコノミープラス席(上級座席)の中央席へ「アップグレード」


別にこれはスカンジナビア航空に限った話じゃないんだけど、ヨーロッパ線のビジネスクラスって「なんちゃって」のところが多いのね。座席はエコノミーと同じなんだけど、3-3の中央席を空席とすることでちょっと「マシ」な感を演出する(まあ、実際隣の席がいないと快適度は確実に増すよね)。そして、ちょっとした食事を出すことで違いを演出すると。まあ、正直に言えば、それ「だけ」のことで倍以上の運賃を払う価値があるとはとても思えないのだが。シートピッチはエコノミー席ともちろん同じだし…ね。


さーて、ここで読者の皆様の注意力テストです。上に書いたこと、すごく矛盾してるんですよ。


そうビジネスクラスの演出に中央席は空席とする…はずなのに、私にあてがわれたのは中央席。そう、SASがっすのスカンジナビア航空、中央席を空席とはしないらしい。


…ってさあ、足元の広い非常口座席(通路席)から、バルクヘッド(最前列)の中央席って、これ、客観的に見てダウングレードじゃないですかね…。


しかも…搭乗口の職員さん(ハンドリングエージェント)が、涼しい顔をして言うのだ。


職員:「座席は1Eですからねー。いってらっしゃーい」
私:「いやいやいやいやいや、待ってよ。新しい搭乗券は?」
職員:「プリンターが壊れていて印刷できませーん。いってらっしゃーい」


…ナメてるんですか。


SASがっすのスカンジナビア航空、なぜかダブリン空港ではライアンエアーと同じターミナルを使っている。すなわち、搭乗橋もない、一番遠く不便な搭乗口。そういえばほんの1週間前に同じ場所でライアンエアーのヒコーキからダブリンに降り立ったなあ。


搭乗。気になるから客室乗務員さんに私の座席はどこか聞いてみたら1Eでいいらしい。最前列の席、搭乗してみると、推定0.1トンほどあるアイルランド人の女性が私の席に自分のパスポートと文庫本を置いている(人の容姿をどうこう…というご批判は当然ですが、中央席がいかに快適ではなかったかをお伝えするためにあえて書きました)。


うん、わかる、わかるよ。ビジネスクラス席だったら隣は空席のはずだよね。…だけどごめんね、その法則はSASがっすのスカンジナビア航空には適用されないらしい。なので、私の席に置かれたパスポートと文庫本、どけてください。


この女性にちょっと嫌な顔をされた。気持ちはわかる。もしこの女性が正規のエコノミープラス運賃を払って隣に人が来てエコノミークラスと変わらない状況になったらそりゃ腹も立つわな。…なんだけどさ、ことこの件に関しては私も立派に被害者ですぜ。なんちゃってビジネスクラスにアップグレードされることで、快適ではない中央席をあてがわれた私は。

(なーんか先週もRyanairの機内で同じような席に座って同じような写真を撮ったなあ。A320とB738という違いはあるのだが…)


ちなみに座席は見た限りでは完全に満席だった。…だったら一回り大きいA321に機材変更しろよ…というツッコミはきっとしてはいけないのだろう。


というわけで、離陸。その後、機内サービスとなる。


SASがっすのスカンジナビア航空、一時の経営危機のため、各種サービスをあらゆる角度から見なおして、いやいや、それはもうLCCの領域でしょ…っていうところまで各種サービスを見なおしてくださった。具体的にはエコノミークラス、細かくは省くが、ヨーロッパ内では基本コーヒー・紅茶以外は全部有料化。

(食事の前にこの「チリ紙」のような紙をテーブルに敷いてくれた。まさかこれで高級感を演出できると本気で思っているのなら、スカンジナビア航空はもっと真剣に市場調査を行うべきだと思う)


そもそも食べ物にはありつけないと思っていたので、空港のラウンジで軽くスープを飲んできたのだが…食事が…出た。


ラムかターキーかと聞かれ、お隣さんがラムを選択。大したもんじゃなさそうだったのでターキーにしたが


…さらに大したもんじゃなかった。


ターキー、うん、Lidlあたりでパックで売ってるやつとレベルは変わらん。クスクスは無味。胡椒をかけてごまかそうとしたがまずいものはまずい。ターキーの右下にある物体については(ソースだったの?)私の知識の範囲内にあるものではなかった。無償で「アップグレード」されといてこんだけ文句を書ける私も大したもんだと自分で思うが。


飲み物は、白ワインと炭酸水。こちらはまあ、普通においしくいただきました。


ちなみにラムの方にはチョコレートとデザートがついていたのにこっちにはついていなかった。理由は全く不明。ちなみにデザートはムースのような何かだったが「食べたい」と思わせるようなシロモノではなかった。


んでね、コペンハーゲンには定時着。ここで話は終わるはずだったの。ところが…。


まさかのコペンハーゲン→ハノーファーまでこちらも満席でプラス(ビジネスクラス)インボラアップグレード。また非常口席を剥奪される。


(別の日に撮影したこの日乗ったのと同型のATR72。この日の機材はSASの塗色だったが中身はJettimeという会社により運行されてた)


ぶっちゃけさあ、もうなにもいらんのよ。食べ物も飲み物も。そう思ってたら、短距離線(と言ってもプロペラ機だからジェット機の1.5倍近い時間がかかる)、しかもコミューター機のこのコペンハーゲンからハノーファーの区間、エコノミープラス席にも食事のサービスはなかった。飲み物のみ。


また飽きもせずに白ワインとスパークリングウォーターを頼むとフライトアテンダントさんは「ご一緒にスナックはいかがですか」と聞いてくる。なので、ついでに食べたくもないポテトチップスを頼んでしまう。この何となく頼まなければ損と思う骨身に沁みた貧乏性は多分死ぬまで直らない。


このテーブルが…クセモノだった。平らじゃない。微妙に手前方向に傾いていた。結果、ワイングラスを滑り落としてしまった。…もう自分で何やってんだかと呆れ果てた。


なんだかんだでハノーファー空港に着いたのはほぼ定刻の午後10時過ぎ。ここからさらに1時間ほどの列車の旅が私を待っていたのでした。