お茶とお酒と靴と私

もうすでに死語なのか、マイブームという言葉がちょっと前にはやりましたよね。英語にしようとすると、結局keen onとかいう感じの無難な言葉に落ち着くような気がしますが。
 


この言葉が死語であってもなくても、マイブームなるものは確実に自分の中で存在します。
 


このマイブームという言葉がフツーに巷で使われていたころ、私の中で、Tetleyというイギリスの紅茶の会社の「バニラアールグレイティー」なるもんにハマったんですよ。まあ、その名の通り、アールグレイにバニラ風味を乗っけたお茶でして、これをね、アイルランドの北部のほうの友人宅に遊びに行ったときにいただいて「ほしい!」ということになったわけ。
 


こーゆーときにさ、その「ほしい」という気持ちに火をつけられる最大の理由は手に入らないという事実。そう、今は知らんけど、このTetleyのフレーバーのついたお茶、当時のアイルランド共和国では売ってなかったのよ。欲しければ北アイルランドのNewryに行かないとダメ。かくして、Newryに行くたびにこのティーバックを買い込んで毎日のように飲んでました。
 


ところが、熱しやすく醒めやすいという日本人のDNAが見事に組み込まれた私、マイブームとやらが去るのも早いんですよ。ある朝、突然このお茶があまりおいしくないと感じて(つまり飽きたのねん)以来1回も飲まず。家に溜め込んであったティーバッグは結局数年後に引っ越したときにまとめてゴミ箱行きになりましたとさ。
 


続いてやってきたのはイェーガーマイスター(Jägermeister) ブーム。
 


このドイツのやたらと濃い酒。冷凍庫に入れてきりきりに冷やして(凍らない)重い食事の後にくいっと飲むと消化にいい…とされるのよ。このきりりと冷えた感が良くて一気にマイブームに。どうもこいつはイェーガーマイスターが好きらしい…という話になり、私へのクリスマスプレゼントや誕生日プレゼントの定番商品の座を得た。
 


がーしかし、ブームは突然去った。Tetleyのティーバックと違ってもう二度と見たくないとまでは思わなかったけど、冷凍庫に入ったイェーガーマイスターの瓶はその存在すら忘れ去られているような状態で、未だに好きだと思われてるからプレゼントにどんどんいただくので今では家に数本のボトルが溜まっている。なんか薬っぽい気がする。飲んだことはないけど養命酒ってきっとこんな味じゃないだろうか。
 


お次のマイブームは靴。アイルランドで仕事を始めた当初は今以上にビンボーでして、それでもそこそこの靴を履きたい…と思った私が行き着いたブランドはHash Pappies。いい靴ですよ。軽くて履きやすい。
 


でも数年で浮気をした。街中でも良く見かけるClarksの靴。ここ、セールになると半額セールを良く仕掛けるのだ。この割引の大きさ、そして、町中どこにでも店があるという利便さ、さらには日本で「ああ、Clarksの靴だ。これ、日本で買うと2万円とかするんだよね。いい靴だよね」などといわれたことにすっかり気をよくして(ちなみにその靴は確か日本円で5000円くらいで手に入れたと記憶している)、すっかりClarksのファンに。
 


ところが数年経つとClarksの靴も極めちゃうんですよ。だっていつもオフィスで履けるようなビジネスシューズ、形なんて定番のものに決まってるじゃないですか。自分の彼女にも「前に同じ靴買ってこなかったっけ」と言われる始末。こりゃいかんと次にブームになったのはEccoの靴。これがまたClarksの靴以上に履きやすい。足にすっぽり入る感じがする。こりゃいいやとすっかりハマってしまった。
 


で、いよいよ本題…ってか、この日記を書いた理由。ただいまダブリンはセールの真っ最中。なので、Eccoの店に突撃して、セール品を手に入れようとしたのだが、なんか知らんけど25%引きくらいのしけたセールしかしてないのよ。しかもその値引き幅の少ないセール品もなんかデザイン的にもいまいちというかよーするにとても触手が伸びるようなものじゃなく。その愚痴を書きたいがためだけにマイブームの話などを持ち出した次第。
 


おそらくこの辺はご在住の読者様のほうが詳しいと思われますが、今年のクリスマスセール、例年とちょっと違ったと思いませんか?というのも、例年と違ってクリスマス前から割引が始まった…つまり、セールが前倒しで始まったはいいが、そのせいで売り上げを確保するためか、本来のセールのときの割引率が低かったというか、とどのつまり、本来のセールがなんかぱっとしなかったような気がします。
 


皆様、私に新たなマイブームを仕掛けることができる何かを教えてください。