人間の基本的権利から金を取ろうとするあの会社

【作者謹告】今回の日記、リンク先を読んでいただかないと意味不明になってます。こと「英語」と書かれていない日本語のリンク先はぜひお読みください。


引っ越すときに今のアパートに決めた理由のひとつに「トイレ」があります。このアパート、二つのベッドルームに対して二つのバスルームがあります。主寝室にはEn Suiteと言って、ベッドルームの中にバスルームがあるのです。これってね、私にとってホントにありがたいと言うか安心できることというかなんですよ。


今まで住んできた家、特に二つ前の家がひどかった。バス・トイレが4つのベッドルームに対してひとつしかなかった。つまりね、誰かがシャワーを浴びてたりした日にゃ私がトイレに行きたくても待つしかなかった。鼻歌を歌いながらシャワーを浴びる同居人とトイレの扉一枚隔てて真っ青になったこともある。これがホントの不便と言うやつです。ひでかすは共用部分の使い方とかそーゆーことで大人数の人間と家をシェアすることがいやになったみたいだけど、私の場合はひたすらにトイレ問題がすべてだったりするわけです。品のない話で恐縮ですが、いつでもそこにトイレがあってそれを使えるという安心感って大事なことだと思います。


かくいう前提の上で読んでほしい記事(本日より実験的にウェブ魚拓を使います)。


いや、私、冗談でこのくされライアンエア(Ryanair)がトイレを有料化するかもしれないとは言ってきた。だけど、こうしてホントに「有料化検討中」ってニュースになると、改めて口をあんぐりとあけざるを得ないわけです。


ちょっと考えてみてくださいよ。日本から観光でヨーロッパにやってきて、Ryanairのトイレが有料なんて知らずにヒコーキに乗って、離陸前にトイレに行きたくなって離陸後ベルト着用サインが消えて急いでトイレに行ってみたら、ユーロのコインなしじゃトイレのドアは開かなかった。しかもまだヨーロッパに着いたばかりで到着地の空港で両替するつもりだったのでユーロのお札はあってもコインなど一枚も持ってなかった…ありえない話じゃないですよ。しかも英語に自信がないから状況の説明もできずついに…なんてね。


そもそもね、格安航空会社が水を有料にしたところから私は間違っていると思います。人間が生きていくうえでの最低限の権利として、水を飲む権利と、トイレに行く権利って保障されててしかるべきだと思うんですよね。こと、水分を取らずに長時間の移動で起こるとされるエコノミー症候群が数年前に問題になったあとではね。


ヒコーキの機内というほかに逃げようのない空間の中でトイレを有料にするってのはこれ、大げさじゃなく人間の基本的人権の侵害だと思いますよ。実際さ、駅のトイレは有料でも列車の中のトイレが有料ってのは私の知る限りでそんなところはない(あるかもしれんけど少なくとも私は知らん)。


で、ひでかすが面白いことを言いました。


「もしかしたら、トイレが有料であるために機内での飲み物の売れ行きが減るんじゃないだろうか」


なるほどなあと思いました。確かに機内のトイレが有料だと知ってたらビールを買うことを避ける気がする。飲み物を買うのは、意識してるかどうかはわからないけどそこにトイレがあるからという安心感とある意味で表裏一体なのかもしれないなあと感じました。トイレを1回1ユーロで使わせるのと、とんでもないぼったくり価格でビールを売るのはたぶん後者のほうが儲かると思うんですがねえ。


この会社、これだけじゃ飽き足らずにほかのことも検討中(英語)の模様。


口あんぐり。


英語など読む気がせんという方のためにいい加減に要約すると、空港の搭乗手続きカウンターを廃止して、強制的にインターネット上で搭乗手続きをさせるようにしたいらしい。で、預け入れの荷物がある人は専用の窓口にて片道30ポンドの手数料で荷物を預かろうということを計画しているらしい。確かに前衛的ですばらしいと考える人もいるかもしれませんが、私の濁った目には乗客の利便とか、航空会社の社会的役割とか、あるいはモラルとかそういう考えが欠如した営利のみを考えるような腐った企業にしか映りません。


今年の新年の目標、くされRyanairには乗らない…ってのは意地でも守ろうと思います。…ってさ、こんな悪口を書いてたらこんなことになるんですよ。


もはやコメント不能です。


ちなみにもともとのブログはこちら(見つけたんかい…もちろん英語です)。コメントの10番が問題のコメント。堂々と「社員」として「おまえはバカなうそつきだ。頭が悪すぎて自分がやったことさえわからない」 と書くあたりがすごいですし、それに対する上層部の「当社のスタッフがブログのディスカッションに従事したことは認める。バカなブロガーたちとのやり取りで時間とエネルギーを浪費しないというのがライアン エアーのポリシーであり、このようなことは二度と起きない。頭のおかしいブロガーたちは自分たちだけで勝手にやればいい。当社の社員は航空料金を引き下げ ることで頭がいっぱいだ」と コメントするあたりがもう…。


バカで頭の悪い一ブロガーとして言わせてくれ。


地球から消えてなくなれ。


ま、ウォッチ先としては申し分ないんだけどね。