Network Direct

君はNetwork Directを知っているか?


なんかアニメ番組のナレーションみたいな始まりですけど、そうなんですよ。ご存知ですか?Network Direct。


2009年にThe Deloitte Reportなる報告書がダブリンバスに提出されまして、それを基にダブリンバスが運行の大規模な見直しを始めたのです。この変更は現在も進行中。それがNetwork Direct。


これがホントに大規模な変更でして、なまじ今までの運行系統なんかを知っているとかえって迷うという状態になってます。いちいち確認してませんけど、例えば、最新版の地球の歩き方だって信用できるか大いに謎です。


ひとつ例を挙げると、ダブリンバスの中でも高頻度でPhoenix ParkからUCDを結んでいた10番のバス、これがなんと廃止になり、市南東部のDun LaoghaireからCity Centreをかなり高頻度に結んでいる46Aが終点を延伸する形になり二つの系統が統合され、新46Aになりました。こんなのは一例で、現在、運行系統が抜本的に見直されています。


この変更で、市の中心部を乗り換えなしで縦断できる路線も増えました。例えば、市北部のcoolock(正確には大昔28のターミナルだったEdenmore) から市中心までの運行していた27番とダブリン西部の凶悪エリアTallaghtから市中心部を結んでいた77番を統合して27番になったとか。これはほんの一例です。確かに、例えばTallaghtに住む人がConnolly Stationに行こうと思ったらちょっと町から歩かなければいけなったりしたのが直接行けるようになり便利になったと思う(そこっ、LUAS使えばいいじゃんとか言わないように)。


これ、運転手さんにとってはかなりご受難だと推測される。そもそも休憩時間とかがどーなってるか私にはわからないし、運行経路がわからないという事態も発生していると思う。ええっとね、これはちょっと解説がいるなあ。たとえば、Clontarf Roadの営業所に所属している運転手さんは、市の北部の経路のみを知っていれば事足りたのね。だけど、所管の27番と別の営業所所管の77番が統合されたことで、一気に南西部の道も覚えなくてはいけなくなったと。そんなわけで、現在のダブリンでは


こんな看板をいたるところで見つけることができます。この看板、上下を逆にすることで右折用にも左折用にもできるというけっこう賢い作りになっていると思います。ただ、この看板を見て運転手さんが、「やべえ、次、右折だ」なんてあわてている姿、あまり考えたくないような気もしますけど。


何を血迷ったか凶悪ルートに凶悪ルートを組み合わせる例が多い気がする。上の27番と77番の統合もしかり、今度の日曜日に統合されるのはFinglasへ行く40番とBallyfermot行きの78Aを統合した新40番とか。きっとFinglasの犯罪を犯したやつらをそのままバスに乗せてBallyfermot近所のClover Hills刑務所に送り込もうという魂胆に違いありません(ないない)。


ダイヤがわかりやすくなりました。かなりの路線でパターンダイヤ、例えば日中は毎時00,15,30,45分に出発するとかでわかりやすいです。が、実はそうすることで、運行本数そのものは減らしてます。そう、便利になったと見せかけて、実は運行本数減らしているのよねん。例えば、空港からの急行バスの747と748(トボけた路線番号ですよね)。747は空港発市内行き、748は市内経由Heuston駅行きだったのですが、この二つの路線が統合されました。


ほんで、今までは日中747は10分おき、748は30分おきの運行だったのですが、この二つの路線が統合されて15分おきの運行になりました。つまり毎時7本の運行が4本にまで絞られてしまったわけね。統合されたおかげで運行時間が延びることを計算に入れても、ざっとバスが1/3不要になる計算になります。そう、不景気の影はこんなところにまでしっかり来ているのね。さっきの10番のバスだってあれが廃止になったことで、相当の数のバスが不要になったものと考えられます。


ただ、悪いことばかりじゃなくて、GPSを使ったバスの接近表示がバス停に設置され始めています。さらに、バス停番号をSMSで送信したら次のバスの到着予定時刻が送られてくるサービスなども始まっているので、今までのように通過予定時刻表すらないバス停で無駄に長時間待つということがなくなったようです。これに関しては大いなる進化と素直に誉めていいのではないかと思います。


はい、土地勘のない人には面白くもなんともない日記でしたが、観光でこれからダブリンに来ようという方、ことバスの運行系列に関してはガイドブック等はまったく信用できません。気になる方は事前にダブリンバスのホームページにてご確認されることをお勧めする…ってところだけ覚えておいてくださいませ(かしこ)。