バッグを求めて三千里(その3=終)

木曜日の夕方。木曜日は夜9時まで店が開いているのを利用して買い物に出ることに。まず向かったはDundrum Town Centre。ここ、その名の通り市の南にあるつい数年前にオープンしたショッピングセンターで、あまりに庶民的な店Penniesから比較的高級デパートHouse of Fraserまでいろいろある。私の好きなEspritもあるし、H&Mも比較的売り場面積の広い店を出している。


話はそれるけど、銀座にもH&Mがオープンして、行列ができるほどの大人気だそうで。確かに安いものが手に入るけど、私に言わせると品質は中の下くらいじゃないかと思っている。たとえばこの前買ったばかりのシャツのボタンはすでに取れてなくなったし、生地がくたびれるのも早いような気がする。それでも比較的安くてデザインがいい感じの商品が手に入るので嫌いじゃないんだけど、天下の銀座で行列してまで訪れる価値のある店かどうかは大いに疑問。まあ、一時的な話だと思いますが。

話をDundrum Town Centreに戻して、ここを訪れる何よりの目的は、Furlaの直営店がここにあるのだ。ここを見てから町に移動してBrown Thomasなどを気が進まないながらも見に行こうというのが大体の予定。


久しぶりにやってきましたDundrum Town Centre。平日ということもあってかあまり混んでいない。いいことだ。むろんH&Mの前に行列などない。




まず向かったは未だにお金を使ったことのないHouse of Fraser。イギリス国内に多くの支店を持つデパート。同じくイギリス国内に多数の支店を持つDebenhamsよりちょっと高級かなあ…いや、同レベルか…という感じ。つまり、ビンボー人の私にはセールの時期以外用はないということ。




地上階は化粧品にバッグの類で埋められておりまして、いろんなブランドもんのバッグが並んでおります。ドイツ・スペインをはじめ日本にまでお供した愛用のリュックサック25ユーロ(半額処分品)という私には、桁が一つずれた値札の張られたバッグの数々にくらくらしてきます。と同時に、バッグ一つ800ポンドという超越価格のおかげである程度の耐性がついていた自分がいたのには笑えましたが。


ともあれ、ビンボー人オーラ放出中のそんな私を店員は完全無視。ま、これはアイルランドではいつものこと(店員に全くやる気がない)なのでこっちも気が楽でいいんだけど。


そして、お隣はFurlaへ。




ここもまた、普段なら完全スルー…ってか何度もこの店の前を通っているのにその存在すら気がついていなかった。中には客がおらずここもまた近寄りがたいオーラが出ております。あ、これは私の感覚であってバッグに磁石のように引き寄せられる女性には全くそんなことはないのかもしれません。






それにしてもこの店、値段が書いてありません。いや、書いてあるのよ。A4の紙にClaraはいくらでCarmenはいくらって感じのリストで。だけど、どの商品がClaraなのか私にはさっぱりわからない。車のショールームで同じことされたら少なくとも、車にはカローラだのステップワゴンだの書いてあるからわかるだろうけどバッグには書いてないぞ。ちなみに後で知ったのですが、価格のタグはバッグの中のちっちゃいポケットの中に置いてありました。




意を決して(決しないといかんのかい)バッグを一つ一つ眺めていると、ビンボー人を追い出そうとしたのか(それは被害妄想)一人の店員が近寄ってきた。私は店で店員に話しかけられるのが大の苦手。説明された以上は何か買わないといけないような気がして(日本人だねえといわれればその通り)。つい最近になって、ようやくスーパーの試食品コーナーで試食して買わないという芸当ができるようになりました。そんな私が某家電量販店で過去に商品をばんばん売っていたというんだからお笑いですが。




ともあれ、もう私は正直に話しましたよ。彼女にすら買ったことのないバッグを日本へのお土産におかんに買っていくということを。話していて私はとんでもない一計を案じました。日本では絶対にあり得ないお願いをしました。




私:「…というわけで、おかんにメールするから店の写真を撮っていい?」
店員:「いいよー」


快諾。




日本にお住まいの方、デパートや大規模小売店の入口にある注意書きを今度気をつけてみてみてください。おそらく「店内撮影禁止」という旨のことを書いてあると思います。なのに、こんなアイルランドのいい加減な点は大好きです。というわけで、先ほどから挟み込まれている写真たちは、店員さんの許可を得て堂々と撮ったものです。ゆえに、手ブレしてません。




これをメールでおかんに送る。「どれか一つ選んでくれ」って(丸投げ)。もういい、気乗りしないBrown Thomasなんぞに行く必要はない。うちにかーえろっ。


翌日返事がきた。


おかん:「あれもいいし、それもいいし、これもいい。そっちで選んで」


…自分の丸投げする性格がどっから来たのかこの時初めて気がついた。おかんだ。




そして土曜日。再びDundrum Town CentreのFurlaへ。この日はお土産を買いたいというので別の店にも行ったひでかすがついてきた。それにしても、なぜかエルビスプレスリーがエスカレーターに乗って歌っていたのは???だったが。言うまでもなくそっくりさん(自称)ですが。


ひでかすと怪しいオッサン二人がFurlaに入る。実は店を出た後でひでかすが言うのだ。


ひでかす:「あの店員、俺が店に入った瞬間足元を見た」


私、そーゆーことに鈍いので全く気がつかないのだが、どうもそうだったらしいのだ。ひでかすの安い靴を見て「こいつは買わない」と思ったらしい。ま、あくまで推定なのですが。


そこに入って私が別の店員と親しげに話したのを見て、その店員は「あれっ」という顔をしたらしい。人を見かけで判断してはいけません。


で、店員さんに読者さんから習った必殺の言葉を使ってみました。


私:「私は、これとこれとこれがいいと思うんだけど(とおかんが言った)、これらの中でヨーロッパ限定商品、日本で扱いのない商品ってどれかわかる?」
店員:「知らない(にこっ)」


即答。聞いた私がチンパンジーでした。


かくして、私の一存で決めましたよ。そして買ってきました。




どれにしたかはヒミツです。なぜなら、「それなら楽天で安く買えた」とか言われるとかなり凹むのが目に見えてますので。上の写真の中に紛れ込んでます。


で、このFurlaの紙袋を持ってちょっとした実験を敢行。


Furlaの紙袋を持ってHouse of Fraserのバッグコーナーをうろついていたら店員は話しかけてくるだろうか。


いかにもビンボー人風情のひでかすと私は数分間House of FraserのバッグコーナーをFurlaの紙袋を下げて徘徊しました。その結果、店員は話しかけてきたのか。皆様の予想をコメント欄にて募集します。結果もコメント欄(またはこの下への追記)にて。