【13歳のダブリン留学】(1)大人に見えても大人じゃない

前回の日記の続きです。呆れるほど軽いノリで引き受けた13歳の少年のアイルランド留学。夏休みのはずが実は来月だったというところで話が終わりましたが、その続きです。


友人いわく、春休みと学校をちょっと休ませて3週間の留学を計画しているそうな。それはいいけど、3月って来月だよ。もう1ヶ月切ってるよ(この時点では2月の中旬)。もうこうなると仕事どころの騒ぎじゃない。あたふたと準備開始(ちなみに2週間ほど更新がなかったのはすべてこのせいです。文句があるなら私の友人を責めてください…とお得意の人のせい)。


まずは、ホストファミリーに連絡。問題なし。部屋も空いているらしい。まず問題のひとつは即解決。


ここで、語学留学をするに当たっての問題点を整理しておきます。語学留学をするにあたって解決しなければいけない問題は大きく分けて3つです。


(1)航空券の確保
(2)語学学校の確保
(3)ホストファミリーの確保


ぶっちゃけこの3つの問題が自力で解決さえできれば留学業者の斡旋なんて受ける必要はないんですよね。だけど、語学留学をするという人がこれらを自力でやるのはおそらくなかなか難しいだろう。


この友人のコドモの場合、アイルランドにいつの間にやら10年住んでいる友人(私のことねん)がいるので、業者を通じてことを進める必要はないだろう。すでに問題点(3)のホストファミリーの確保は済んでるしね。ま、(1)航空券の確保と(2)語学学校の確保はさほど難しくないに違いない。


…と思った私は世の中を甘く見すぎてました。実はこれ、とんでもない無理難題だったのです。その問題点はたった一言に集約することができます。


13歳。


日本語には…ってか少なくともどっかの入場券とかの世界には大人でも子供(小人)でもない中人というカテゴリーが存在する。大人に見えても大人じゃない、子供に見えても子供じゃない、あなただけがそれに気づいてくれない…というなんかの歌じゃないけど(古すぎるこの歌に反応した人は下のコメント欄に報告のこと)、13歳ってホントにビミョーな年齢らしい。私は明らかに認識が甘かったのだが、私は13歳を大人扱いしすぎていた。こと航空券に関しては。


おそらくこの日記のネタにはしてないと思うのだけど、数年前に私は無料でドイツまでAer Lingusでハンブルグまで飛んだことがある。無料といってもAer Lingusが私を招待してくれたはずはなく、友人から12歳の娘をハンブルグまで送り届けるように頼まれたのだ。


Aer Lingusは16歳以下の中人(便利な言葉だな)の一人旅を認めていない。16歳以下のコドモがヒコーキに乗りたければ、誰か保護者が必要というわけ。で、友人は私に白羽の矢を立てて、二人でハンブルグまで飛んだ。友人はコドモが飛べたので文句はなく、私は私で無料でドイツまで飛べたので文句があろうはずもなく。なんか最近日本でよく使う人がいる、Win-Winの状況になったわけ。


実際ハンブルグの空港にはそのコドモの親類が迎えにきてくれていたから、私の仕事は1時間ちょっとのフライトでコドモの隣に座っていただけ。すごく手のかからないいい子だったので割りのいいバイトだったといっていいだろう。


ともあれ、どうもこの大人でも子供でもないという人たちは文字通りビミョーな人たちらしい。私の友人の予約しようとしていたアムステルダム経由のKLMは、往復で15000円程度の追加料金を払えば、14歳以下の一人旅を認めるらしい。言い方を変えると、5歳から14歳の一人旅はこの追加料金を払わないとダメらしい。しかも、出発空港と到着空港で保護者が書類にサインをしなければならない。つまり、友人は労をいとわず大阪か東京までコドモと一緒に飛んで、空港で書類にサインをしなければいけない。ご苦労なこっちゃ。


なーんか気になることがありませんか。KLMでアムステルダム経由でダブリンって。気がついた人は、よっぽどヒコーキが好きな人か、この経路で日本に飛んだことがある人に違いない。すごく気になることがあったので、いつもお世話になっているダブリンの日系航空会社、AWLさんにメールで問い合わせをしてみた。


AWL:「アムステルダム、ダブリン間はエアリンガスによる運行になります。KLMに問い合わせたところ、エアリンガスによる運行にての16歳以下の一人旅は認めていないとのことです。申し訳ありませんが、お客様が16歳以下である限り弊社ではこの航空券を取り扱うことができません。」


ビンゴー♪ やっぱ思ったとおりだ。…ってか、AWLさんはこんな問い合わせにも嫌な顔ひとつせずやってくれる非常にありがたい旅行会社です。この場を借りて(読んでくれちゃいないだろうけど)お礼申し上げます。


それにしても、万が一にも友人が気がつかずに航空券を買っちゃってたらどーなったんだろう。まさかアムステルダムで放り出されるような事態にはならなかっただろうけど、最悪わざわざ関空か成田まで子供と一緒に行ってその便には乗れないとかいう事態になったかも。だとすると大クレームもんだぞ。


ともあれ、この子供でも大人でもない人の航空券を買うことは実は大変な騒動であることに気がつき始める。


今、何かと話題の日本航空に電話してみた。日本でフリーダイアルの番号を廃止したくせに、なんとアイルランドにはダブリンのローカルの番号がある。もちろんロンドンかどこかのサポセンにつながったわけだが。


聞けば、日本航空は12歳以上の一人旅を認めているらしい。平たく言えば大人運賃を払っているから大人扱い…という印象を受けた。ということは、乗り換えも一人で行わなくてはならない。


ロンドンのヒースロー空港はとかく評判が悪い。わかりづらい、移動距離が長い、入国審査が意地悪、保安検査も厳しい…ともうさすが世界中から愛されている大英帝国と皮肉のひとつも言いたくなる。なので、この空港で13歳の少年を一人で放り出して乗換えをしろというのはあまりに酷な気がする。ヒースローで案内をお願いできないかと聞けば、


日本航空:「(割引運賃ではない)普通運賃でならお受けできます。往復おおよそ40万円です」


問題外でございます。もし、空港職員の手が当日空いていれば、案内できるかもしれないが、保証はできないとのこと。うーん、13歳の少年を預けるにはあまりに不確実だわ。しかも、エアリンガスとの乗換えでのエスコートサービスは、「情報がシステム上に出てこないので即答しかねる」とのこと(おそらくダメなんだろう…ってか、エアリンガスが未だにワンワールドのメンバーならこんなあいまいな回答は返ってこなかったと思う)。


ちなみに、パリ経由とかならどうよ。


日本航空:「フランスの法律により、付き添いのない16歳以下のお客様の一人旅は認められていないとのことです」


…。各航空会社で規則が違ってめんどくさいところに輪をかけて今度は各国の法律が出てくるのかよ。


電話の向こうの日本航空のオペレーターさん、親身になって相談に乗ってくれた。だけど条件がどう考えても折り合わない。


以下、ルフトハンザにスカンジナビア航空、オーストリアンにANA、果てはアシアナ航空まで片っ端から調べてみるが、何せ春休みで卒業旅行に駐在員さんの帰国の時期だかなんだか知らんが、子供の一人旅がどーこー言う前に割安感のある航空券がどこにもない。


こりゃダメかなと思い、半ばあきらめて戻ってきたのはANAのサイト。ここはいの一番に調べたのだがそもそも席が空いてない。で、ぼーっとウェブを眺めていたら、どーやってたどり着いたやら、25歳以下の方限定の割引運賃なるページ(注:リンク先ページはおそらく数日で消えると思われます)にたどり着いた。ここに専用の検索ページがあってそこから調べると…あるじゃない。格安の航空券が。福岡発でダブリンまで16万円。


予約ボタンをぽちっとな♪


友人の意向なんて聞いてたら席がなくなります。しかも、日系の航空会社はウェブ上で航空券のホールドをしてくれます。へ?何のことという方。JALでもANAでも航空券を予約してみるとわかるのですが、航空券を予約したその瞬間にクレジットカードでの支払いをしなくてもいいでしょ。とりあえず予約番号を取って、それをコンビニで払ってもいいし、あとでサイトに戻ってきてクレジットカードで決済してもいい。逆に期限内に支払いをしないと航空券は自動的に取り消される。


私が知る限りこんなことしてるの日本だけですよ。クレジットカードがあまり普及していないとか、オンライン上で使うのに抵抗感を覚える人が多いとか、コンビニ決済が普及してるとかいろんな特殊要素があると思うのですが、日本の航空券が高いのは人件費とかの問題も確かにあるのでしょうが、この辺にもあると思います。


こんなことを書くと航空会社の方から石を投げられそうなのですが、ここに思いっきり裏技を暴露しちゃいます。日系以外の航空会社、つまり、予約と同時にクレジットカードでの決済が求められる会社でとんでもない安い航空券が見つかった場合の対処方法。つまり、今回の私のように、安い航空券が見つかったけど、相手の都合がわからないとかで航空券を買えない。でも、今買わないと安い席がなくなりそうだ…という場合。


迷わずクレジットカードで買っちゃいましょう。


もし都合が悪くなったらキャンセルしちゃえばいいんです。実はかなりの数の航空会社では、24時間以内であれば航空券の無条件の取り消し、および全額返金を認めてます。私、たまにやるんですよ。間違った日に予約を。正直に言うと先週もやりました。よく確認して買えばいいのにそうしないで、予約確認のメールが来て初めて間違いに気がつくと。


そうなった場合、その場でコールセンターに電話すればすぐに予約を取り消してくれます。しかもたいがいの場合、クレジットカードに引き落としがかかる前に取り消してくれるので、返金まだ長い期間待たされるということもあまりありません(ということはたまにあるということでもある)。


念のために申し添えますが、くされRyanairなどはこんなやさしいことはしてくれませんよ。できる会社、できない会社がありますので、やるときは注意してやってくださいね。どーなっても私は責任を取れません。


ご存知の通り日系の会社って明らかに相手を意識して横並びのサービスを提供してます。あっちが新聞の提供をやめたらこっちもやめる。こっちがフリーダイヤル番号を廃止したらあっちも。あなたがトイレに行けば、私もトイレ(意味不明)。なので、JALが12歳以上を大人として一人での搭乗を認めていれば、当然ANAも一人での搭乗を認めているわけです。


今回予約した航空券は行きはロンドン経由。ロンドンからはbmiにてダブリン。問題はロンドンでの乗り換えであることも前回お話しました。私としては実に単純な、かつ、確実な解決方法を思いついたのです。


私がロンドンまで迎えに行っちゃえばいい。


ロンドンでどうやって落ち合うかという問題は残りますが、ケータイを持たせてそれで逐一連絡を取りながら空港で会うことは可能です。ところが、翌日、友人からメールがきて、私の口はあんぐり。


友人:「航空券をクレジットカードで買った。そして、全日空に問い合わせたら、ロンドンで無料で乗り換えの手伝いをしてくれるって」


前回のばーさんとO分に飛んだときも驚いたけど、ANAはすげーぞ。ほかの会社と横並びとか書いて悪かった。頭一つ出てるよ。おみそれしました。


ちなみに帰りはルフトハンザでフランクフルト経由になったのだが、ここは100ユーロでエスコートサービスをしてくれるとのこと。個人的にはフランフルトはわかりやすい空港なのでその必要はないと思ったが、友人がもう予約してしまったとのこと。とにもかくにもこうして航空券問題も解決。あとは、語学学校の申し込みをするだけ。ところが、この語学学校が実はとんでもない難問であることに、このときの私はまだ気がついていない。


まだ続く。