ノイシュヴァンシュタイン城より優雅に(優雅だったんだってばっ)馬車で「村」まで降りてきた私たち。このノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城に囲まれた谷間に一見村があるように見えるのですが…ここにあるのはビジターセンターと博物館と数軒のホテル・レストラン・お土産屋そして駐車場だけです。観光客向け以外の施設は多分ない。下手したら、ここに住んでいる人すらいないんじゃないだろうか。
正午のノイシュヴァンシュタイン城の見学ツアーを申し込み、30分でそれが終わり、のんびり坂を降りてきて現在時刻は午後1時半。午後4時のホーエンシュヴァンガウ城の見学まで2時間半もあるよ。さてどうすべえ。これ、どう考えてもノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城ふたつの見学時間は4時間もいらなかった。2時間あればいけたなぁ。安全策を取りすぎた。
とりあえず休憩場所を求めてさまようが、あるのは
Hotel Müllerに併設されたレストラン
Schloss Bräustüberl Hohenschwangauなるパブ
だけ。
道の果てにはアルプ湖(Alpsee)があり、その湖畔にAlpenrose am Seeとういうレストランがあるがこちらは訪問当時は秋季休暇(そして、2021年10月現在はすでに冬季休暇)。湖畔近くまで行ってみたもののほとんど何もない。何も開いていないという事実を確認しただけ。結局馬車から降ろされた場所にほど近いHotel Müllerのテラスに向かう私たち。
思えば、フュッセン (Füssen)からやってきた時に最初に降り立った観光案内所(Infostelle Hohenschwangau)前のバス停方面に向かえばもう少し選択肢が増えたはずなのだが、なぜか現地ではそこに考えが及ばなかった。さほど急ではないとはいえ坂道だから再び登るのが面倒くさいと思ったのもあるかもしれない。あとはアルプ湖(Alpsee)が気になっていたというのもあるかも。
Hotel Müllerのテラスは半分しか座席が開放されておらず、その使われている半分は満席。偶然待ち時間なく最後の1席に座れた私たち。私はと言えば、ホテルの朝食バイキングでもとを取ろうと本気を出したので(本気を出す場所が根本的に間違っている)お腹が全く空いていない。ビール飲み注文。考えてみたら、バイエルン地方の名産、ビールをきちんと押さえた。嫁はもっと偉いぞ、ちゃんとこの地方の食べ物を注文。
ホワイトソーセージとプレッツェル
一口もらったけど…うん。普通。ってか家でたまに食べるやつと変わらないじゃん…と言ったら
「違うわよっ。このハーブが独特で」
とソーセージ談義を始めてくださった。なお、聞いていなかったのでよくは知らん。
このHotel Müllerに併設されたレストランは、お客さんを回すという観点では完全に落第。注文したものはいつまで経っても出てこない、支払いをしたくともウェイターさんは捕まらない等々。2時間半という長い時間を持て余していた私たちにはむしろちょうどよかったが、急いでいたらイライラしただろうなぁ。
そんなのんびりしたレストランでも1時間近くを潰すのがせいぜいで、まだ1.5時間も残っている。もうちょっと時間に余裕があれば、バイエルン王の博物館(Museum der Bayerischen Könige)なるところを訪問しても良かったんだけどそれにはちょっと時間不足な感じがして却下。もっと正直に言っていいなら、ひとり€16.5を払う価値があるとは感じられなかった(中を見ていない人の勝手な印象です)。
ヒマジンガーZと化した私はこの博物館の入り口を数分眺めていたのだが、出入りする人は絶無。そのかわり、親子連れがひっきりなしにやってきて、子供が嬉しそうに入り口の両側にあるライオンにまたがり、それを親が写真に収めていくという光景が繰り返される。私もライオンの背にまたがりたかったが、ダメだよねぇ、第二次性徴期を迎えて以来そういうことが恥ずかしく感じてしまうようになった(ツッコミどころ満載)。
こうして、博物館の中に入ることも、銀の龍の背…じゃなかったライオンの背に乗ることも叶わず、湖畔のテラスは秋季休暇となれば、もうアルプ湖(Alpsee)以外に行くところは残されていない。
ホントに時間が中途半端だった。このアルプ湖(Alpsee)の湖畔を一周すると5.5キロ…つまり1時間半もあれば行けるはずなのだが、その時間が残っていない。途中まで行き戻ってくる。きれいな水の湖でした。なお、もっときれいな湖がこの先のお話で出てきます。
ようやく3時間半の時間をつぶすことに成功した私たちは、先ほど休憩したHotel Müllerの脇にある階段のある小道を登り、ホーエンシュヴァンガウ城へ。
さて、ここで散々お世話になった公式サイトにあるこちらの地図をご覧ください。
この地図、情報として何一つ間違っていない。強いて言えば南が上という罠が仕掛けられているのが意味不明なのだがまあそこは目をつぶろう。
ところが、この地図には欠けているものが1つ。高低差。この地図だといったいノイシュヴァンシュタイン城とチケットセンターがある辺りの高度差があるのかさっぱりわからない。答えを書くとHotel Müllerからノイシュヴァンシュタイン城までは徒歩1.5キロで高度さは130メートル。この高度差を厭うならBerg- und Talfahrtのバス停までバスを使うのが正解。
他方Hotel Müllerからホーエンシュヴァンガウ城までは若干の階段があるので上の地図でオレンジ色で描かれている短絡路はベビーカーや車椅子ではアスセス不能ながら、地図上では20分と書かれたこの道も徒歩ならばものの10分もあれば着いちゃうし、若干階段はあるものの高低差もほとんど気にならないと思う。この地図にある所要時間、全部半分でいい!とまで言い切っちゃうとちょっと言いすぎかもしれないけど、7がけなら間違いないかと。
ホーエンシュヴァンガウ城は短絡路を登ってくると、裏から入るような感じになります。人生裏街道の私にはぴったりです。なので、入った瞬間にはこんなお庭に到着します。
庭より村を望む。この高低差です。大したことないでしょ。
ノイシュヴァンシュタイン城と同じ方式で時間になったら入場できます。これまたノイシュヴァンシュタイン城と同じ方式で場内は撮影禁止。ちなみにホーエンシュヴァンガウ城のガイドツアー料金は€21と予約手数料€2.5が別途で合わせて€23.5。なぜノイシュヴァンシュタイン城よりはるかに高いのか、城の持ち主が違うこと以外で解説できる人がいれば説明シルブプレ。
ホーエンシュヴァンガウ城もやはり件の引きこもり王ルートヴィヒII世が登場します。「ルートヴィヒII世が幼少期を過ごした城」として。で、ホーエンシュヴァンガウ城から見えるより高い場所にあった古城をぶっ潰してノイシュヴァンシュタイン城を建てたと。
ホーエンシュヴァンガウ城の見学ツアーはコロナ対策としては残念以下。というのも、私たちのグループは20人。つまりノイシュヴァンシュタイン城の倍で、各部屋の見学ポイントは某都知事の言葉を借りれば完全に「密です」。ソーシャルディスタンスの概念は完全に忘れ去られていた。料金も密度も高いのがホーエンシュヴァンガウ城のガイドツアーです。
そんな中、最初の部屋で見せられるのはルイトポルト・フォン・バイエルンの車椅子。誰って、このお城の最後の城主。このおっちゃんというかじいちゃんが91歳で亡くなるまで、このお城の3階に住んでいたそうな。そこにアクセスするためになんとエレベーターまで設置されていたそうな。大きな螺旋状になった階段の中心にそのエレベーターを見ることができて、100年以上前に設置されたエレベーターということで私の興味関心はそっちに行ってた(もうカエレという感じですが)。
というわけで、この城には実際に生活をした人が何人もいたのでいかにもな生活感がある。かつ、広さも私ら平民が住むにはもちろん広すぎるけどノイシュヴァンシュタイン城のような不必要なほどの大広間などもなく、ノイシュヴァンシュタイン城を先に見てきたものとしては慎ましさすら感じてしまう。内部としては「嘘くさい」ノイシュヴァンシュタイン城よりも正直ホーエンシュヴァンガウ城のほうが興味深かった。
お城の見学の所要時間はやはり30分ほど。こののち上の地図で30分かかるとされるピンク色の道(許可された車も通行できるアスファルト道)を15分ほどでHotel Müller前まで戻ってくる。ここからさらに5分ほど歩いてフュッセン (Füssen)まで行くバス停へ。1820発のバスでフュッセン (Füssen)へ戻る。
この日の夕飯はハンバーガー。Pulled Porkのバーガー。めったに食べないけど、たまに食べたくなるのよ。こういうジャンクフード。
見かけが悪く見えるのはこの店のコンセプトだと思う。というのも、米軍の隊食をイメージしているみたいなのね。なので、こんな無骨な金属の食器を使っているというわけ。昭和枯れすすきどもなら給食を思い出すはずだっ(←なぜわかる)。味は良かったです。あと、ハンバーガーはハンブルク発とも言えるから地のものです(注:ハンブルグはドイツ北部でここから軽く800キロは離れてます)。
…って1日の説明をするのに4回分に分割したとは言えワード12枚分使ったぞ。1万字を超えてるから…原稿用紙換算で25枚超えか(しかもそれからかなり加筆した)。そりゃ書いてて疲れるわ。お付き合いくださった皆様に感謝すると同時に、今後訪問する方が少しでも役に立ったと感じてくだされば幸いです。ただ、この旅行記はまだ始まったばかりなんですよねぇ。翌日に続く。
あ、そうそう、この日、新しいお友達が増えたの。
プイプイ子(なんのこっちゃとおっしゃる方はこちらの過去記事をご参考くだされ)。ちなみに日本同様レジ袋は有料だから、こうやって人通りの多い道でプイプイ子を小脇に抱えてホテルまで戻りました。
プイプイ子は帰宅後7歳児の姪っ子に強奪されました。すごく喜んでたからまあいいか。
ホーエンシュヴァンガウ城で見学予約時間?? 入場料?? 私が行った時には、そんなものは無かったぞ。持ち主が変わったのですかね。ホーエンシュヴァンガウ城は見学者も少なく其のほとんどは谷間の村の一泊組で翌朝まで散歩以外することも無く時間を持て余てしました。ただ夜のライトアップされたノイシュヴァンシュタイン城がホテルの窓から綺麗に見えました。最も其れがポイントのホテルでしょうね。
いつからそうなったのかは定かじゃないですが、コロナ前から予約制だったことは間違いないです。
確かに、この2つのお城を見学するだけなら日帰りでも十分ですが、夜のライトアップが見たいなら一泊せざるを得ませんね。…って、見てない!ライトアップ!!正直脳みその片隅にもなかったです。しまったあぁぁぁぁぁ。
プレッツェルといえば、カバヤのプレッツェルしか見たことがなかったわたくしが、最初にドイツ風プレッツェルを見た時(ドイツには行ったことがないので多分日本のどこかのビアホールだったはず)に思ったのは「でかっ!」、初めて食べて「固っ!」でした。
確かに、あの外側にかかっているというか張り付いている岩塩のおかげで、ビールのアテに少しずつ齧るのには向いていると思います。食事用のパンと思って食べると後悔します。
公式ホームページの案内図、地形図に慣れた人がよくよく見れば、城への道のりがかなり迂回していることもあり、ノイシュバンシュタイン城の方が高いところにあることが判読できるかもしれませんが、「影の薄い」GoogleEarthと見比べてみると、そもそも縮尺がデタラメですよね。両方のお城を一枚の画に収めようとして、かなり無理をしていますし、ホーエンシュヴァンガウ城の方がかなり大きく描かれている気がします。
超有名の見た目キレイで「映える」けどちょっと山の上にあって行きにくいノイシュバンシュタイン城を比較的安い入場料で餌にして客を釣り、あまり「映えない」ホーエンシュヴァンガウ城を抱き合わせにして、こちらは高い入場料をとって総合で収益を確保するという策だとにらんだのですが。
知らんけど。
カバヤのプレッツェルって一粒で300メートルの会社のポッキーみたいなやつでしたっけ。なんかもう記憶が曖昧です。
あの岩塩ですが、嫁も含めてけっこう多くの人がこそぎ落として食べてますね。確かにあれ全部素直に食べると塩分摂り過ぎな気がします。ちなみにできたてのはけっこうやわらかです。
件の地図、兎にも角にも南が上になっているというはじめの一歩から間違っている気がしてならない地図なんですよ。もうちょっと立体的に描いたりとか改善の余地がいくらでもありそうです。やらんけど。