結婚記念日は近場でお茶を濁す。Goslarへ


8月14日は私たちの結婚記念日でした。6年だそうです。私の言いたいことはたった一つ。

嫁様。私のような変人に本日まで愛想を尽かさずにいてくださってありがとうございます。

と言うだけではお茶を濁せないので花を買ってきましてご機嫌取りを狙う。私のことを誰も相手にしてくれなかった日本の女性のことはわかりませんが、私の知る限り、ヨーロッパ方面の女性はこれだけでは満足してくれません。なので、うちから小一時間ほどかかる場所にある世界遺産の街ゴスラーにランチにお連れ申し上げる。

さすがドイツと言うべきなのか単に初期の世界遺産選定が偏っているだけなのかは定かではないですが、家の周り、車で1時間で行ける範囲に「世界遺産」がごろごろしているんですよ。ついこの間紹介したヒルデスハイムもそうだし、このゴスラーコロナワクチンの大規模接種会場のあったアルフェルドにある靴工場(実は行ったことはない)などなど。

なんてったって結婚記念日です。ゴスラーの中でも特に高級そうなレストランを選択。とある人情報によると、以前には地元出身の元外務大臣がトルコの外務大臣と食事をここでしたとか。

などと書くととんでもない贅沢に聞こえますが、気になるお方はメニューでも見てきてください。ドイツのイナカがいかにお財布に優しいかおわかりいただけると思います。

手前のベジタリアンレストランともども満席。

きちんと予約をしていったのは正解でした。たかがランチタイムなのにテラス席は満席。テラス席はテーブルクロスがなかったりとか高級感を感じないのだが、未だにコロナは解決していないのでテラスのほうが安心できるというのも事実。

頂いたのはペンネアラビアータになぜかステーキが乗ったもの。

そののちぶらぶらお散歩となりまして、Marktkircheという街の中心の広場のすぐ脇にある教会に行ってきました。いや別に私は信心深い人じゃないし、しかもキリスト教徒じゃないし。ここに高さ50メートルの尖塔があるの。ずーっとここに登ることが宿題になっていたので時間もあるし登ろうと。

入場券としていただいた絵葉書

今まで何度も何十回もあるいはそれ以上の回数ゴスラーに来たことがあるのだが、この尖塔に登る機会には恵まれなかった。理由は簡単。嫁が高所恐怖症なのでこんなところに登るのは罰ゲーム以外の何物でもなく毎回却下され続けてきたのだ。ところが、朝に贈った花束と高級レストラン(弊社比)という媚薬が効いたのか

「今日は特別だから」とお許しが出た。わーいわーいと€5を払い(お一人様€2.5なり)階段を登り始め…ようとした。

上の写真、入口から撮影したものですが、あ、これあかんやつや。この写真から、言いたいことが通じるでしょうか。

この階段ってどこで支えてるの?

下から伸びている柱はわかる。でもそれ以外の柱は石の壁にどうやって接続してるの?本当にしっかりくっついてるの?

なんのことはない、私も高所恐怖症の人です。なんだけど高いところが好きというなんとも救いがたい矛盾を抱えて生きてます。

ということは逆に言えば、

このように下が丸見えなのよ。下を見たらいけないやつ。坂本九さんは偉大です。「上を向いて歩こう」とは本当に正論だった。涙がこぼれないようにじゃなくて、下を見ると登れなくなるからね。

いいか、下見たら絶対に駄目だからな。

だってこの階段のやっつけ補修とその一段上のなんか怪しい感じを見てしまったら、登れなくなりそうでしょ。

自分から来たいと言って嫁まで強制連行している手前怖いなんて言えません。階段の外側を嫁に譲りより怖い内側を一緒に手を取り登っていく。ああ、なんて麗しき愛の共同作業(どうせのろけてるとか嗤われるのがわかっているから自棄になっています)。

それにしても見れば見るほど、どこで支えられているのかわからない階段。

途中階には時計の機械があったりします。

つまりここまで登ってきたのねん。

更に登ると

最後はほとんど梯子。うちの屋根裏部屋に行く収納式の階段がちょうどこんな感じですな。

登った先にあったのは、畳で言えば四畳半もないような狭い場所。怖いです。風で飛ばされそうです。それでも写真をちゃんと撮ってきたから見ておくれ。

というわけで、尖塔に登ったことで楽しい楽しい結婚記念日となりました。