土曜の朝の大騒動

久しぶりに長いですよー。二日分の分量ですよー。


もし、めざましテレビの占いのコーナーをアイルランドでも視聴できたのなら、今朝はこう言っていたに違いない。


「おひつじ座のアナタ、今日はスーパーのレジに要注意です」


そんなことは占いCount downのおねえさんは言わないって?まあ聞いてくださいよ。


最近の日常になっていること。土曜日の朝、スーパーの8時開店と同時に買い物に行くこと。いいんですよー。空いてて(誰が好き好んで、土曜日の朝に早起きして買い物にいくっつうの)。で、ここ数週間はSuperquinnのデリカウンターに行くのが自分の中で大流行してます。ここにね、なんとかポークっていう焼き豚みたいな味のするハム売ってるのよ。これがホントにおいしい(写真の中央の皿の下段にあるやつね)


ただし、値段も目ん玉が飛び出すくらい高い。デリカウンターのほかのハムはキロXユーロって書きかたしてるのに、こいつだけ、100グラム3ユーロとか書いてる。桁違い。ふた切れ買うだけで4ユーロとかするのよ。最初何気なく頼んで秤の上に出た値段を見てなんかの間違いかと思った(調子こいて10切れとか言ってなくてホントによかった)。で、他のハム類も買うと、にわかドイツの朝ごはんふうになる。


今朝は、開店と同時には行かなかった。10時過ぎに店に着くように出かけた。アイルランド、へんてこな法律があって、土曜日を含む午前10時半まではアルコールを売っちゃいけないのだ。日曜日は午後12時半まで。これね、10年位前まであったHoly Hourなるものを引きずっていると思われる。


10年位前までね、記憶が正しければ、日曜日の午後2時から4時くらいの間、パブも含めてアルコールを売っちゃいけない時間ってのがあった。それが形を変えて未だに残っているのだと思う。ちなみに、未だにイースターの金曜日とクリスマスはお酒を売っちゃいけないらしい。もっとも、クリスマスなど店はおろか空港まで閉まっちゃう国だから、そんな法律あってもなくてもあまり変わらない気がするが。


まあ、とにもかくにも、アルコールも買いたかった私は、10時半まで待たなければいけなかったのね。かくして、半額セールのワインも含めていろんなものを買ってレジに並んだ私。この後に起こる騒動などもちろん想像すらしてない。


レジにて。


レジ係:「137.54ユーロです」(何をそんなに買ったんだというツッコミはまあおいておいて…)
私:「はい。ほんじゃさ、このギフトカードから100ユーロ引いて、あと、現金で払っていいかな」


と言いながら、Perfect Cardと現金50ユーロを渡す。ええっと、Perfect Cardの解説がいるな。このカード、見た目Mastercardなんだけど、一定の金額が最初から入っているわけ。で、Mastercardが扱える店ならどこででも使える。私が会社からボーナスとしてもらったこのカードには250ユーロが入ってた。で、すでに150ユーロを他で使ってしまったので、残額が100ユーロしかなかった。かくしてその100ユーロを使い切って、残額のは現金で払おうとしたわけね。


レジの操作自体さほどややこしくはないはず。私も昔バイトでレジを触っていたことがあるのでわかるのだが、とりあえず、100ユーロをカードからの売り上げ操作をして、残額を現金として入力すればいい。まあ、ひと手間余計にかかるけど、サービスのよさが売りのSuperquinn、それくらい、嫌な顔ひとつせずにしてくれるに違いない。


レジ係:「はい。それでは先に現金で37.54ユーロいただきますね」
かちゃかちゃかちゃ。
レジ係:「それではカードから37.54ユーロ引かせていただきますので、こちらにサインを…あれ?」


あれじゃねえよ。37.54ユーロは現金の分でしょうが。カードからは100ユーロ課金するの。


ここから、いちいち会話にすると長くなりすぎるので、早送りする。このあと、まずこの操作を取り消して、改めて100ユーロをカードから課金しようとするが、カード支払いが拒絶される。どうも37.54ユーロの支払いがキャンセルされたにもかかわらず、その分はどうしたわけか、使われた計算になってしまったらしいのだ。


このあと、サッカーの女の子まで出てきて、


サッカー:「そのカード、ホントに残高100ユーロなんですか?」
…間違いねえよ。
サッカー:「じゃあ、90ユーロ試しに引いてみれば?」


その90ユーロはどっから出てきたんだよ?


あ、何気なく使った「サッカー」。おそらく日本のスーパーの業界用語だと思われます。スーパーの混雑しているレジでたまに一人が会計、もう一人が袋詰めしているのに出くわしたことありませんか?その袋詰めする人のこと、日本では「サッカー」って言うんですよ。ちなみに、自分でつめる台は「サッカー台」。英語にしても通じません。おそらく和製英語です。


レジの係の人、すいませんと言いながら、スーパーバイザーを呼んできますと一言。数分後、のんびり「スーパーバイザー(以下SV)」さんがやってきた。


レジ係:「かくかくしかじかこういうわけでこの男の人が…」(注:このレジの人、私のことをずっと”this man”と呼び続けてた。すごく気になった)
SV:「だったら、この100引く37.54ユーロで…ええっと(と言いながら、レシートの上で計算を始める)…








70ユーロ引いてみれば?」


どっから出てきたその数字は?ってか、理屈で行けば62.64ユーロ以上は拒絶されるでしょうが。おーい、苦悶式の担当者の方、アイルランドに来たら一儲けできますよー。


当然支払いは拒絶。


SV:「ホントにすいませんね。マネージャー呼んできますから」


(死屍累々。キャンセルされたレシートの山。手書きで計算した跡にも注目)


もうかれこれ5-6分は経過したんじゃないだろうか。暇な私は別にいくら待たされてもいいんだけど、後ろの人からの目線が痛い。日本のスーパーならカゴ持って別のレジに並びなおせばいいんだろうけど、こっちのスーパーってレジ前のベルトコンベアに商品を乗っけないといけないのよね。ショッピングカートからベルトコンベアにものを乗っけたのに、わざわざそれをカートに戻して別のレジに並ぶってのはけっこう決心がいる。


ここまで私がずっと積極的に会話に入らなかった理由は単純で、37.54ユーロとかいう中途半端な金額がカードに残ったら、その残金をきれいに使い切ることはかなり難しい。37.54ユーロちょうどの買い物って至難の業だし、次回、スーパーのレジで、「37.54ユーロはこのカードから、残額は現金で」っていうのもあまりに変だ。


でももういいや、こりゃすべてをキャンセルしていつものクレジットカードで払おう…などと思っているとDuty Managerと書かれた人が出てきた。


マネージャー:「それはこうしてこうして。はい、お客様、この2枚にサインいただけますか」
と言いつつ37.54ユーロと62.46ユーロの2枚のレシートにサインを求める。おお、マネージャーさんさすがだ。問題解決…と思いきや、


再び紙の上で計算を始める。どーして、137.54ユーロのうち、100ユーロをカードで払ったんだから、現金では37.54ユーロって暗算できないの?紙がいるようなことか?


(いやだから、何の計算してたのよ。これ)


ともあれ、この騒動で気がついたことがある。


いつものクレジットカードが財布に入っていない!どこにやったっけ?


最後にクレジットカードを使ったのはいつだっけと記憶を蘇らせてみた。


話は3日さかのぼって水曜日。この日の昼休みに買い物に行こうと画策していたのだが、仕事が忙しくて昼休み返上で仕事をする羽目に。まあ、これ自体まったく珍しい話じゃないんだけど、さらに4時に終わるべきところ5時半までサービス残業することになってしまった。


この日はどーしても肉屋さんに行きたかった。おそらく夕方6時までは開いているはずだと近所の肉屋さんに向かったが、5時40分の時点ですでに閉店。このまま帰るのも口惜しいし…ってか、口惜しいだけじゃなくて食べるもんもないから、向かいのくされTescoへ。ここで、最低限必要な食品を買って帰ることに。


ここのレジで、募金活動をしてたのね。よく見るのよ、レジでサッカーをして(はい、「袋詰めをして」という意味です)その対価として募金箱に小銭を入れてもらおうという考え。サッカーになっていたのは「Funds for Sean Lyne」と書かれたTシャツを着たおばちゃん。


私:「このSeanって誰?」
おばちゃん:「私の息子なの。脳腫瘍でアメリカで治療が必要でこの活動をしてるの」
私:「ああ、そうなんですか、大変ですねえ」


…こうやって書くと、わしはどこのおばさんだという勢いだけど、話し始めてしまった。もちろん募金することはやぶさかじゃないけど、問題は小銭を持ってない。かくして、レジの人に5ユーロを両替してもらう。


…そう、そんなことに気をとられてカードを受け取るのをすっかり忘れちゃったわけね。あっちゃー。


というわけで、ダメ元でTescoのサービスカウンターに戻ってみる。カウンターにはにわかには信じられないが、にこにことそしててきぱきと仕事をこなす感じのいいお兄さんがいた。


私:「すいません。水曜日の夕方にレジでクレジットカードを忘れて行ったんですけど、もしかして、届いていたりしませんかね?」


すると、カウンターの後ろに置いてあった10枚くらいのカードの束を持ってくる。…おーい、せめてどっかもうちょっと安全な場所に保管しなくていいのか?


で、上からカードをめくっていくが、私のカードは…ない。ダメかなと思っていると、一番下のカードは私の。


私:「あ、それ、私の」
レジ:「ああ、そうですか、はいどうぞ


はいどうぞって渡されちゃったよ。あのー、本人確認とか、受領書にサインとか、しないんですか?こっちのほうが慌てて他のカード見せて、「ほら、これ、私ですからね」って言ってしまった。いくら、変な見たことのない(日本人の)名前とはいえ、いくらなんでもそれはまずいだろう。


そして、さらにLIDLに向かう。今日はハイネケンの特売日なの♪


Lidlのレジ。二つしか開いてなくて大行列ができてた。こりゃ3つ目があくまで待ったほうがいいと思い数分待つが開く気配がない。しょうがなく並んだら、ようやく次が私のばんになるという段になって、3台目のレジが開いた。私が並んでいたレジにいたお兄さんが隣のレジに移動して、私のところに来たのは…着ているフリースは真っ黒に汚れてしまったどう見ても倉庫の係のお兄さん。


案の定、レジを打つ手が頼りない。バーコードのついていない一部の商品(野菜など)は手でコードを入力しなければいけないのだけど、慣れたレジ係はそのコードを記憶してしまっている。仮にコード表を参考にしたとしてもほんの数秒でコードを探し出してしまう…はずなんだけど、この人、コード表の最初から最後まで全部見て、それでも見つからないからまた最初に戻って…とやっている。


ようやく前の人の会計が終わると、前の人、


「これ、ビールが1本余計にカウントされているよ」


…返金に隣のレジの人を呼んできたりなんだで、5分ほどかかる。この間にもレジの行列は伸びていくばかり。


ようやく私の番になったのはいいが、このハイネケンの登録方法がわからないらしい。どうも普段1本1.9ユーロのところを手入力で1ユーロに登録しなおさなければいけないらしいのだが、その操作方法がわからないらしい。


係:「じゃあ、25ユーロです」
私:「いや、そこにある、野菜も私のなんだけど…」


係、すごく困った顔をする。どうやら、一度払ったほうがいいらしい。というわけで、カードを出すと、レジの人、人生が終わったような顔をする。どうも、レジですでに〆操作をしてしまったらしく、カードを出されるというのはすごく困ることらしいのだ。また、隣のレジの係を呼び返金操作などで所要5分。実はもう書くのがだるくなったのではしょってしまったけど、ほかにもこのレジではグダグダがあった。


…うん、めざましテレビの占いでは、絶対にレジに災難の相が出ていたに違いないと再び確信したが、ふと気がついてしまった。土曜日にめざましテレビは放映されていない事実に。