Ryanairにお布施をせずにいい席に座る方法教えます。


何を血迷ったか「かの」(LCCの雄という意味…貶し言葉)Ryanairでダブリンからフランクフルトに飛ぶことにしました。今、飛んでます。2時間もあって、かつ機内サービスも(買う気がし)ないものだからヒマです。おかげでこのお話を書くことができました。うまくすればICE(新幹線)の中で書き足して公開できるんじゃないかと思ってますがどうなりますやら。

その昔、Ryanairはフランクフルトのハーンとかいう聞いたこともない地方空港に飛んでいたはずなのだが、いつの間にやら日本からもヒコーキがやってくるメインの空港(Frankfurt International)に移った。これにより、ダブリン=フランクフルトは、Ryanair、エアリンガスそして私が愛してやまない(というかこの三社のうちで唯一まともな航空会社)ルフトハンザの三社によるガチンコ競合路線になった 模様。

おかげで…と言ってもいいのだろうけどこの区間の運賃は恐ろしく安い。Ryanairの私が乗った便、なんと当日でも€69.99という格安の運賃(各種お布施を除く)。私は数ヶ月前に予約したので、10キロの預入荷物(€15)を含め€35でした。これに新幹線も3時間近く乗るのに(予約変更不可・指定された新幹線にのみ乗車可の)事前割引運賃で€20ほど。全部で7000円以下ですね。安いよなぁ。

結構忙しい予定を立てた。朝の9時に散髪の予約。それが10時過ぎに終わり、そのままどたばたと市中心部のバス停へ。10分ほどバスを待ちダブリン空港へ。所要25分から30分ほど。

まずは荷物を預け入れないといけない。通常ダブリンに行くくらいなら機内持ち込みのできるスーツケースで行くのだがちょっと液体がある関係で預けることに。Ryanairに喜んでお布施などをする気などさらさらないから、最低枠の10キロの預け入れ荷物。それでも€15も余計に払わされる。

羽田空港などでも見られるかもはや驚くほどのことではないだろうけど、Ryanairのダブリン空港での手荷物預け入れは自動化されている。ちなみにかなりたくさんの機械があるので待ち時間もなくストレスは感じなかった。

時間がなかったので事前に調べてなかったのだが、荷物を秤に載せてみるとなんと9.9キロ。さて、10.1キロだと超過料金になるのか10.9キロくらいまでは大目に見てくれるのかはわからないけど一つ確実に言えることは、人間相手ならにっこり笑ったり人によっては美しい御御足をちょっと見せることでおまけしてもらうことができるかもしれないけど機械相手だとどうにもならない。もしかしたらRyanairはそこまで計算に入れて自動の荷物預け入れを実施しているのだろうか。

そのまま保安検査へ。当然優先検査場など使えない。…のだがそれは大した問題にはならなかった。一列あたり10人も並んでいなかったのでほとんど待つことなく保安検査を受けることができたから。

さて、保安検査場。ダブリン空港は未だに全身スキャナではなく昔ながらのX線式の門を通過する形。まあ、保安上はどうか知らんが乗客としてはこっちのほうが早いんだよね。

かばんからノートパソコンやモバイルバッテリーなどを取り出して検査台に載せ、件のX線の門の方に数メートル進むと保安検査の係の兄ちゃんに突然かなりの大声で呼び止められる。なに、俺なんかしでかした?と思って振り向くと、

「何このかばん、ヒコーキのシートベルトなの?Hahahahahaha」

…何を言い出すかと思えばそんなことで呼び止めるんじゃないっ。まあ、楽しそうに仕事をしていることに関してはいいなとは思うけどね。

そして搭乗口へ。市内のバスから保安検査までやたらとさくさく進んだので搭乗時刻まで小一時間の余裕がある。カフェにでも寄ろうと思ったら昨晩スポーツの試合でもあったのか、ジャージ姿の人を中心に相当の人で混み合っている。そんな中場所を見つけ一息つく。

そして殊勝にも搭乗時刻ちょうどに搭乗口へ。だが、いつまで経っても搭乗が始まる気配がない。

暇なので、目の前にあった荷物の大きさを測る箱に例のかばんを入れてみた。難なく、かつ、ちょうどいい感じで入った。おお、このかばんはRyanairのために設計されたかばんだったのか(違う)。

ちなみに私は「優先搭乗」ではないほう。優先搭乗券を買うと、この身の回りサイズのかばんの他に機内持ち込みのできるスーツケースを持ち込むことができる。逆に言えば、機内に(機内持ち込み用サイズの)スーツケースを持ち込みたければ優先搭乗を買わないといけない。つまり、機内持ち込みだろうと預け入れだろうと、身の回りの最低以上の荷物がある場合はRyanairにお布施を強要されることになる。よくできていると感心すべきか、ナメていると怒るべきか。たぶん後者だな。ちなみに優先搭乗券は€14なり。

そうなるとかなり多くの乗客が選択の余地なく優先搭乗を買うことになる。結果として優先搭乗の列のほうが非優先搭乗の列より長くなっている。…優先搭乗という名称に問題があるのではないだろうか…などと考えてぼーっと待つがいつまで経っても搭乗が始まる気配がない。

結局無意味に立つこと40分、定刻12時25分発のヒコーキのはずなのに搭乗が開始されたのが12時35分。間違いなく遅れるわ。

ただ、この遅れのおかげでひとつありがたいことがあった。というのも、搭乗開始直前にアイルランド名物のバケツを引っくり返したような激しいシャワーが空港周辺を襲ったのだ。搭乗橋など使わないRyanair。もし定刻通りの運行だったらずぶ濡れになるところだったわ。

とはいえ、搭乗時に雨は小降りになってはいたものの未だに降っている。それなのにこんな長い距離を歩かせる。日本でもLCCが幅を利かせるようになってきたようだけど、思えばRyanairは時代の最先端をいつも行ってるような。

ちなみにこの前方の搭乗用の階段もRyanair名物。なんとこれ、ヒコーキに備え付けなのだ。後方のは通常の階段なのだが、これもRyanair仕様なのか貧相な、かつ急な感じのもの。お年寄りとかにはけっこう厳しいのじゃないかな…という気がする。

分かりづらい写真だった気がするので降機時に撮った別の写真をば。機内からにょにょにょと階段が伸びてきているのが見て取れるかと。それにしてもうちの屋根裏の倉庫部屋に行くのか…っていうくらい急な階段。これをなんで他の航空会社が採用しないかわかる気がする。

ダメ押しで降機時に階段上から撮った写真。狭いわ急だわ。正直年寄り・子連れなどには辛いと思う。

じゃあ後ろの階段はどうよというと、後ろはさすがに飛行機に備え付けではない(外から持ってくる)階段。…だけど、ダブリンの場合はこんな貧相な危なっかっしい階段を採用。あー怖い怖い。

いつもなら最後に搭乗するのだが今回並んだのには理由がある。なぜか非常口座席だったのだ。つまり、荷物は頭上の棚に収納しないといけない。それを気にして40分も並んだ私。なんて偉いんだと自分で思う。

日本のとある会社では、非常口座席の客は優先搭乗させるらしいけどもちろんそんなことはRyanairはしない。非優先搭乗の列に並ぶ私の前にいたのはベビーカーに子供を載せた親子4人。他のまともな航空会社なら優先搭乗対象だと思うのだが、この会社では優先搭乗とはお金を払った人のみができることらしい。

ちなみに、さすがはLCC、座席の指定も有料。足元が若干広い非常口座席は€14なり。誰が払うかっつうの。バーカバーカ(番組進行上、一部不適切な発言があり…)。

じゃあお前はどうやって非常口座席をゲットしたのか…という話になるけど、まあ聞いとくれ。その方法をなんと今回無料で公開するから。

これを説明するためにはRyanairの座席指定の方法を解説しないといけない。航空券購入時に座席指定が同時にできるのだが、一番安い席で€4、最前列の足元が広くかつヒコーキから一番最初に降りられる席は€20と値段が色々決まっている。ここで座席指定というRyanairにお布施をしなかった人は出発48時間前からできる(というかしなければなからない)オンラインチェックイン時に座席が「ランダムで」指定されるわけ。

参考画像。

Ryanairに座席指定というお布施をしなかった人は、どうも安い席から順番に指定されていくらしい。…もうおわかりですね、Ryanairとチキンレースをすればいいわけ。

もし2時間前までにオンライン上で搭乗手続きをしなかった場合、ネット上での搭乗手続きは締め切られます(一部のバカ高い運賃を除く)。もしそうなると空港でチェックインとなるのですが、これにはなんと€55のお布施を要求されます。誰もこの€55を払おうなどという人はいないから、みんな早めにチェックインを済ませる。そう、最後の最後にチェックインをすれば有料の座席に指定される可能性が高まるわけ。このなんともセコい、かつリスクの高い方法で私は通路際の非常口座席をちゃっかりゲット。

結局フランクフルトにはほぼ1時間遅れで到着。遅れを見越して乗り換えの新幹線は2時間後のを予約していたのだが、それでもぎりぎりになってきたな。着陸した飛行機はいつもルフトハンザなどで使うターミナル1を通り過ぎ、私にとって「アウェイ」のターミナル2へ…向かうと思いきや、ターミナル2近辺で沖止め。バスで移動。

飛行機中央の非常口座席に座っており、かつ、降機が前後のドアから行われた…ということは私は一番最後に降りたということ。つまり、バスに最後に乗ったということ。そのおかげでバスを降りるのが一番最初になり、入国審査は誰も待っておらずあっという間に通過。そして、荷物のコンベアに着いた私は我が目を疑った。というのも、もう私の荷物が出てきているのだ。正直ルフトハンザより早かった。…まあ、到着そのものが1時間遅れたのでどうしようもなかったわけですが。

ターミナル2から駅のあるターミナル1まではバスで移動。バスを降りると見慣れた駅に到着。そのままS-Bahn(近郊電車)で中央駅で。30分ほど時間ができたので朝食兼昼食兼夕食。そう今まで何も食べてなかったのよ。

そして、ICE(ドイツの新幹線)に乗る。ねえねえ、見てよこれ。

各車両に荷物置き場が4箇所設置されてます。そこに荷物を置くのに別途料金なんて徴収されません。ちょっと、JR東海と西日本の偉い人、聞いて…ませんよね。