スットコランド式結婚行進曲(その1)

金曜日に有給を取り、週末にエジンバラに行ってきました。結婚式に。私の仲のいい友人が14年だかのおつきあいののちにようやく結婚。考えてみると、すでに一緒に住んでいるだけじゃあなくてダブリン郊外に家まで買ってしまっているんだけど、こうやって改めて結婚式をすることになり、ご招待にあずかった次第。


なんでまたエジンバラ…というごもっともなご質問をされる方もいると思うけど、実はこのカップルはダブリン、あるいはアイルランドでの結婚は今のところ許されていない。カンのいい人はもうお気づきだと思う。そう、このお二人、同棲…じゃなかった同性なんですよ。私の人生初の同性の結婚式。どうなったか…というのが今回のお話。


話は木曜日に戻る。途中で同行の友人を拾って朝の6時半のヒコーキに間に合わなくてはいけない。月ほども遠い友人宅までいく時間を考えると自宅を朝の3時半に出なくてはいけない。いや、3時半なんて朝じゃねえな。夜中の3時半に訂正。そんな時間に起きるためには当然早く寝なければいけない。かといって夜の8時とかに眠れるわけはないから、無理して強い酒を飲む。


ところが、朝から何も食べていなかったので体が拒絶反応を起こしたか、いきなりおなかを壊す。前途多難。そんな苦労の甲斐あって夜の8時に眠れたものの、なんのこたーない、夜中の11時に目が覚めてそれっきりまんじりともできなかった。そんなわけで、寝たか寝てないんだかわからん状態で空港へ。ああ、前途多難。


くされRyanairでエジンバラへ。ヒコーキネタに持ち込むつもりはないので詳細は割愛。エジンバラ空港から急行バスで市内へ。

バスの車内にて撮影

バスの車内にて撮影


車内の様子(帰りに撮影)。


なんか、どっかの空港特急バスと違うぞ。車内にテーブル席が多数設置されている。この急行バスで20分ちょい。着きましたよ。エジンバラ。

バスの車内からエジンバラ城を望む

いや、まことに恥ずかしいことながら、アイルランドに住んで10年近く経ち、スコットランドの果てまで行ったことがあるのになぜかエジンバラには行ったことがなかった。この街、朝の8時に着いた瞬間にすげーなーと思いましたよ。丘の上に世界的にも有名なエジンバラ城がでででんと威圧するかのように構えてまして、空港からのと特急バスに乗っているといやでも目に飛び込んできます。そこから広がる丘の上の旧市街、こりゃ、観光客にウケるはずだわ。


なぜかエジンバラなのにハノーバーホテルと呼ばれているホテルに荷物を置き(ハノーバー通りにあるからです。念のため)、ついでに着替えて旧市街へ。旧市街の中心地にある(結婚のための)登録事務所へ。ここで、結婚式が行われるわけ。


その、登録事務所とはこんな感じの場所。

registration office内部

registration office内部

…ダブリン城よりきれいじゃないですか?


今回招待されたのは、気の置けない友人・家族などのおおよそ30名。当人たちはもっと少ない人数での結婚式を望んでいたらしいのだが、どうしても外せない人たちだけでこの人数になってしまったんだそうな。


ここでの結婚式はおよそ30分。教会ではなく登録事務所での結婚式のためスピーチなどに宗教色がないことがいい感じに思えた。指輪の交換のときにふと新郎新婦…あれ、新郎新郎なのか、いや、それもなんか違和感あるから新郎新夫としよう…が泣いてるよと思いふと周りを見ると、おーい、参加者の半分以上が泣いてるよ。


もらい泣きってのは確かにあるかもしれないけど、そんなもんじゃなかった。この二人、本人は口にはしないけど同性結婚ということできっと大変な思いもしてきたのだと思う(だって、アイルランドでは結婚できないんだから)。同性愛については賛否両論あると思うしあって当然だと思う。だけどね、ひとつ自信を持って言えることは、この結婚式は今まで参加したどの結婚式よりも感動的だった。同性愛とかなんだとか「つまらない」ことにこだわっていた自分が恥ずかしくなるくらい。


このあと徒歩でエジンバラ城の真下にあるホテルに移動。ここでお披露目パーティをしようという魂胆らしい。この新郎新夫のこだわりは究極まで来ていたことに気がつかされた。

披露宴

シャンペンでの披露宴。窓から見えるはエジンバラ城。よくもまあ、こんな場所を見つけてきたもんだ。

ホテルの窓よりエジンバラ城を望む

そして、ちょっと休憩ののちにディナー。エジンバラ城からまっすぐ伸びる目抜き通りにあるレストラン。

レストランの入り口


ん?なんか、よくいえば隠れ家的な要素が、悪く言えば、私だったら間違いなくそこにレストランがあるとは気がつかずに通り過ぎてしまうような小さな間口。さらに状況を悪くすることにはその真上にあるのは賭け屋(公認でノミ行為をしている場所。イギリス・アイルランドではそこらじゅうに見かけます)。こりゃ、イーグルスの歌じゃないけど、大当たりか大外れかのどっちかだぞ(this could be heaven or this could be hell)。

レストランの入り口


内部の様子。

せ、狭っ


入った瞬間に気に入った。私、こういう秘密基地のようなレストラン、大好き(人によっては窓がなくて狭くて圧迫感があると言うかもしれません。ものは言いよう)。私たち30人が入ることでいっぱいになってしまうような小さなレストラン。これでたべものがおいしければ言うことはない。


私が頼んだのは、スコットランドに来たんだからと頼んだハギス


…今調べてみて気がついたのだが、これ、うすうすは知ってはいたけど人によっては「ゲテモノ料理」の部類に入るもんじゃないだろうか。


(Wikiより転載)


茹でたヒツジの内臓(心臓、肝臓、肺)のミンチ、オート麦、たまねぎ、ハーブを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹るか蒸したプディング(詰め物料理)の一種。さまざまなバリエーションが存在するが、内臓としては主として肝臓が使われ、心臓や腎臓を使う場合も多い。胡椒などの香辛料を使うことが近年、一般的となっている。


…正直に言ってこの事前情報を知ってたら手をつけなかったかもしれない。個人的には臓器系の食べ物は苦手だよ。が、しかし…

ハギス

先入観を持たずに食べたこと、そしてなによりも素材とシェフの腕が良かったのか、上の文章から考えられるような臓器臭さはあまりなく(というか、ウィスキーをかなり使っておりそれで中和されていた印象を受けた)、クリームソースと合わせて文句なくおいしく頂きました。


…ってか、考えてみたら、なんでアイルランドにこれがないんだろう。こういうことを言ったら怒られるのかもしれないけど、歴史的にアイルランドはビンボーだったのだから羊の臓器を使った名物料理がないことが不思議に思える。

メインコース


こちらメインコースのチキン。おいしかったけど特に特筆することはないので流してしまう。


そして、デザートのアイスクリーム。


…ちなみにね、こうやって何気なくレポートを作ってますが、けっこう大変なんですよ。料理の写真を撮っているのは私だけで、周りからは「おめー、やっぱり日本人だな」と莫迦にされるし。が、私は開き直って200枚超の写真を撮ってきましたよ。翌日以降の状況は次回の日記で。