はじめてのA220(C300)搭乗記


またぞろFlyteam.jpに投稿用の記事をこちらに載せてます。とりあえず、自サイト優先なので、Flyteam.jpに投稿するかどうかは今日どれだけ暇かにかかってます。ぶっちゃけこれもドイツのICE(新幹線)の中で書いてたりします。

今回はハノーファーからチューリッヒ経由ダブリン行き。感覚としては鹿児島から札幌に飛ぶのに東京経由ではなく那覇経由。かなり遠回りしてます。

スイス航空のフライトだったのですが、機材がなかなか興味深い。まずハノーファーからチューリッヒまではE190 。そしてチューリッヒからダブリンまではC300(A220)。C300(A220)は初体験です。いつもA320シリーズとかATRばかりに乗っているので乗ったことのない機材って本当に久しぶりです。

まずはE190。ルフトハンザの機材で何度か乗ったことがありますがいいヒコーキです。2-2のコミューター機の座席配列のくせしてとんでもない奥行きがあります。

乗った座席はルフトハンザ機では忌避されている(存在しない)13列目。非常口座席です。ちなみにこのあと乗ったA220 では13列目は存在しません。何が基準なのだかよくわかりません。

非常口座席で、ほぼ満席にもかかわらずお隣は空席。席についてまず目につくのはテーブルの幅が広いこと。ということは座席幅もまあ1-2センチの違いなんでしょうが広い気がします。

このヒコーキの運行はHelvetic。JALとJTAみたいなもんか。アナウンスもスイス航空で通していたので普通に乗っているうちは意識しないですが。

何にびっくりしたって機内サービス。出てきたものはクロワッサン!いや、朝10時発の飛行機だから朝食が出てくることになんの異論もないです。そして、この世知辛い世の中にあって朝食が出てくることは素朴に感謝です。

だけどさ、こんなぼろぼろこぼれるものを出したら機内清掃が面倒なんじゃないだろうか。食べてみると思ったほどパンくずは出ませんでしたが、それでも掃除が面倒な食べ物だと思います。

さらにもう一つ文句を言っていいなら、このクロワッサンをフライトアテンダントさんが手でサビエ(紙ナプキン)に半分くるんで渡された。ちょっと待てえ、半分はむきだしの状態でこのバイキンいっぱいとされるテーブルに乗せろってか…と慌ててサビエを広げ直したのが上の写真です。

なんというか、2019年の世の中にあって、未だにチョコレートのサービスがあります。スイス航空の誇りとしてのスイスチョコレートです。知らんけど。グミは本来お子様向けのはずですが、なぜか「ついでに」いただけました。私は決して物欲しそうな顔をしていたわけではない…と思うのですが。

チューリッヒには定刻より12分早着。そのまま出国審査を済ませ、ラウンジ経由でダブリン行きの搭乗口へ。

チューリッヒからダブリンは初めてC300(A220)に乗りました。大満足のいい小型機です。なお、上の写真はまた左右にぐりぐりできます。

搭乗前。沖止めだったのでバスで駐機場へ移動。初めましてのC300(A220)。目についたのはエンジンの大きさ。下から見たこともあってヒコーキ全体はA319と同じくらいの印象でしたが(A319より小型のA318はほとんど見たことがありません)、エンジンがとにかくでかい。というわけで、最近何かと話題のB737 より地上高も高いです。

トイレ(の撮影)に行ったついでに後方から。けっこうな奥行きもあります。

まず目につくのがシート配列。2-3という懐かしのMDシリーズを思い出させますが、いや、特に後部座席ではあの爆音でまともに会話すらできないMDと一緒にしたら失礼です。

この2-3の座席配置はまさに万能。2人でも3人でも4人でも(はたまたそれ以上でも)他人と隣り合わせになることなく座ることができます。まあ、私はおひとりさまだったのですが。通路も気持ち広い気がします。通路際に座りましたが毎度A320シリーズで起こるカートと肘の衝突事故は発生しませんでした。

静寂性は…小型機としては十分。特にA320シリーズより静か…などとは感じませんでした。いや、強いて言えばA320NEOシリーズのほうが静かかも。あくまで個人の感想です。

座席ですが、12列目の非常口座席に当たり、かつ、ほぼ満席にもかかわらずお隣さんがいないというプチビジネスクラス状態だったこともあって実に快適。逆にテーブルが遠すぎてノートパソコンのキーボードが打ちづらい…という贅沢な悩みまで。

通常席はどうよ…ということになりそうですが、こちらも見た限りでは足元も十分広そうです。前方の5列ほどが「なんちゃってビジネスクラス」コンフィグレーションらしくシートピッチが若干広いようですが、こちら非常口座席列のほうが更に広いようです。

座席そのものですが、もちろん今どきの薄型シートです。背面はスカスカですが別に不快な感じはしません。2時間程度の飛行なら必要にして十分。座面はホールド感もあり問題なし。とどのつまりなんの不満もありません。ああ、そういえば、(スマホの充電などができる)電源の設備がなかったです。

面白いのがこのテーブル。テーブルを開くと中央の「柱」の部分がせり出してきます。あ、別に足元には干渉しないのでご安心を。テーブルはやや小ぶりかも。私の15インチノートパソコンを開くといっぱいいっぱいです。柱のおかげでシートポケットが二分割されており、せいぜい500mlの飲み物のペットボトルが入るくらいです。

機内持ち込み最大サイズのスーツケースが収納できます。

オーバーヘッドロッカーはこれまた機内持ち込み手荷物サイズのスーツケースが縦に収納できる大型。ただし、高さはギリギリ。まあ、この小型機でここまでの広さの収納を実現したことは素直に称賛できるかも。

書きながら思ったのですが、A320もB737もオーバーヘッドロッカーは開けたときに下に下がってきませんよね。下がってくるのは比較的大型機のような。小型機にこの機構を採用したことで、小型機にも拘らず、かなり大型のオーバーヘッドロッカーが実装されてます。

ただし、その副作用として、オーバーヘッドロッカーが開いていると、頭上に余裕がなくかなり圧迫感があり、かつ、ポートサイド(左側)の2列の方は見事に通路に干渉します。などと小難しい言い方をしないで有り体に言うと、通路移動中に頭を打つ可能性があります。実際にしたたかに頭を打ち付けている搭乗客を目撃しました。

特に窓際の席に搭乗するためには、頭上に気をつけつつ体を潜り込ませる必要があります。これはこのヒコーキの唯一のケチをつけられる点です。まあ、オーバーヘッドロッカーの大きさとはトレードオフの関係にあるのでやむなしとは思いますが。

スイス航空の機内サービスはヨーロッパ内のエコノミークラスとしてはたぶん最高品質です。親会社のルフトハンザと違い、温かいキッシュが出てきます。たかがキッシュ。だけどヨーロッパ内の飛行で温かいものが無料で食べられる航空会社って他にあるのでしょうか。あるのなら後学のためにもぜひご教授ください。

スイス航空おなじみの頭上のディスプレイ。スイス航空のC300(A220)ではスマホかよっ…という感じの小ささの画面が各列に配置されてます。これで非常用設備の案内などをしたのですが、ちょっとご年配の方には厳しいんじゃないかな…という印象を受けました。スピーカーは明瞭で聞きやすかったです。機長のあいさつも一字一句問題なく聞き取れました。

翼の上の非常口は上に跳ね上がるタイプ。万一の際も問題なく開けられそうです。もちろん試してません。試すような機会に巡りあいたくもありません。

トイレは最後方のを使いましたがむしろ広かったです。これまた問題なし。

とどのつまり、このヒコーキ、乗客目線で見ると実に快適でいいヒコーキです。MRJも同じくらい、またはそれ以上に快適なことを願ってます。

振り返って撮影。反対側のギャレー。