【イノトランス2018-3】最新のバスを見て回る


なんちゃってオクトーバーフェスト充電のあと、ダメな大人3人は別の屋外展示場へ。こちらにあるのは…バス。こちらは10台ちょいのバスが展示、運行されています。

 

 

このようにかなり広々とした場所にバスが展示されてまして、周回路を使ってバスが試運転されています。

 

 

ディーゼルがすっかり悪者扱いされてしまったヨーロッパ。やはりといえばやはり、流行りは電気バス、またはハイブリッド。さらには水素バスまでプロトコルタイプの車両が並んでいる。そして、走っている。そんな中で異彩を放っていたのが、Alstom社のAptisというバス。

 

このバスを見たら、「なんじゃこりゃ?」って思いますよね…。

 

ぱっと目についたのは、軽自動車のようにホイールベースが最大に取られている。つまり、内輪差が大きくなる。さらには最小回転半径が大きくなる。なので、見た瞬間に「ばっかじゃねーの」と思った。

 

 

かくして、莫迦なバスを見てやろうと思ってみていたら動き出した。そしたら私の目の前で信じられない光景が。なんとこのバス、後輪操舵なのだ。ほら、フツーの車は前輪が右に左に向きを変えるのにこのバスは後輪が動いてる(フォークリフトのイメージと言えばわかりやすいかも)。さらに見ていると実はそれどころか四輪操舵、つまりは前も後ろもタイヤが左右に動く。見慣れないのでちょっと気持ち悪い。が、がぜん興味も湧いた。

 

運転席の上には、わがそらまめ号(日産ノート)で見慣れた鳥目線でのカメラが。進行方向とタイヤの角度を表示しているのが目新しい。

 

運転手さんに直撃インタビューを試みるが、残念ながらこのおそらくフランス人のお兄さん、英語はお得意でなさそう。すると、後ろからメーカーの担当者さんらしき人登場。私の質問攻めにていねいに答えてくださった。

 

車内は最後尾を除いて超低床+フルフラット。思えば路面電車に近い感じがしますね。

 

まず、一番気になったこと。最小回転半径はと聞けば10.5メートル。…小さいんじゃないかな。知らんけど。

 

ちょっと調べてみたら、このバスのホイールベースは10.4メートル。日野のセレガ(諸元がpdfで開きます)は6.08メートル。で、セレガの最小回転半径は8.7メートル。それよりは最小回転半径は大きくなるけど、ホイールベースの長さを考えると驚異的に小さいんじゃないかな。知らんけど。

 

ここまでホイールベースを長くした結果、このバスはイナバの物置と同じ特長が。すなわち、最大化された客室のおかげで100人乗っても大丈夫。このサイズで100人乗れてしまうらしい(実際に実証実験動画を見せてくださったが無理なく100人乗車できてた)。

 

運転が難しいんじゃないかという質問に対しては、すでにハンブルグ他ヨーロッパの各都市で運行実証実験を行い評判が良かったことなどを教えてくださったが、食い下がると、やはり問題は起きたらしい。というのも、他の車の運転手がまさか四輪操舵のバスだとは思わないからフツーのバスの感覚で近寄ってきて、結果ちょっと普通とは違う動きをするこのバスが出発できなくなるようなことが起こったらしい。「最低1メートルは(前後左右方向を)空けておいてほしい」とのこと。運転手さんも、他車の運転手さんほかもなれるまでちょっと時間がかかりそうな印象を受けました。

 

【追記】2018年10月8日。

このバスに関して東洋経済オンラインに記事が出てます。ご興味のある方はこちらからどぞ

 

縦横比が他の写真と異なるのは草野さん撮影だからです。他の写真ともども無断転載はおやめください。

 

そして、不思議だったのはこのバス。Sileo S-18

 

 

知らなかったのだがこのSileoというメーカー、実は私が住むドイツ某所のすぐ近所の街にある会社。このバスももちろん電気自動車なのだが、なが不思議かわかってもらえますか。

 

やたらとすっきりした最後部とどでかいリアガラス。エンジンは、どこですか?

 

…どこにもエンジンルームらしきものがないのよ。今まで見た他のバスでは特に最後部にエンジンルームと思われるかなりのデッドスペースがあるのだが、それがどこにもない。車内は実に広々してる。草野さんに聞いてみると「天井じゃないかしら」

 

 

というわけで、ちょっと高い位置から天井を撮影しようとしたが…失敗。どうも天井にバッテリーほかがあるらしいが…これもある意味魔法のようなバス。

 

 

比較に使って悪いんだけど、お隣のこのSolaris Trollino 12というバス。

 

 

…その名が表すとおり、トローリーバスなのですが、車内を見てもらうとさっきのSileo S-18で私が言いたかったことがわかっていただけると思う。

 

 

このように最後尾にエンジンルームと思われる乗客から見ればデッドスペースがあるわけです。後部のガラス面も小さい。もし、カメラがついてなくてバックの時に肉眼での目視が必要なら、ミラーだけに頼らなくて済むあのガラス面の大きさは有利になると思う。

 

話は前後するんだけど、翌日にもこのバスの展示場に戻ってきた。ここで「バス」と言えるかどうかの「バス」を発見。

 

 

K Bus。…いや、軽じゃねえだろ…と日本人にしか通じないことを書いちゃった。でも軽じゃないにせよ、ほとんどバンサイズの小さなバス。それもそのはず。車両はニューヨークのタクシーでおなじみの(って見たことないけど)e-NV200をベースにしているらしい(注:後述しますが通常のNV200とは車幅も車長も車高も異なります)。

 

仕様にもよるんだけど、このバスは

 

 

わずか8人(と運転手)乗りなのです。ちょうどホテルとかの送迎車にぴったりな感じですね。この人数だと、なんと乗用車の運転免許証で運転できちゃうんですよね。

 

ここに来ていたK Busの社員さんはたぶん一人だけ(他に誰も見なかった)。他のバスに比べると失礼ながら地味な展示なので足を止める人も少ない。そんなわけで、ある意味やけっぱちになっていたのかもしれない。あれこれ質問する私に

 

「運転してみます?」

 

するっ。するっ。

 

…と私にしっぽがあったら全力でふりふりしていただろう。大喜びで運転させていただきました。

 

 

まず、このバスがなぜか試運転の反時計方向の円になった試運転コースに対して反対を向いていたので(たぶん充電ステーションの位置関係とかだと思う)、バスをバックさせるところから。日産の車がベースのくせに、AVM(Around View Monitor=鳥目線のカメラ)がついておらず、バック方向のカメラのみ。しかもカメラが車体のすぐ後ろの人を検知するためとかなのか、やたらと下向きなので使いづらい。この点をしてきたら、調整できるとのこと。そうは言っても、バスに比べたら乗用車に遥かに近い車幅や車長(具体的には幅2060ミリ、車長5785ミリ)なので、そんなに心配せずにバックできる。

 

そして、周回コースに出る。他の試乗バスも自転車以上のスピードは出していない。なのに、

 

「それではアクセルを踏み込んでみてください」

 

…なんでそんな怖いことを言うんですか。いや、バスが怖いんじゃなくて、歩行者その他がどこから飛び出してくるか読めないような状態でアクセルを踏み込むのが怖いんです。

 

なんでアクセルを踏み込めなどと言うのかは、日産のePOWERの車に乗ったことがあったりとか話に聞いたことがある人ならわかるかも。そう。電気自動車の小気味いい加速を体験してほしいらしいんだ。

 

というわけで、踏んでみた。確かにバスとは思えない良い加速。…だけど、怖いのですぐに減速した。そういえば、すぐにブレーキに足をかけたのでアクセルペダルから足を離すとエンジンブレーキがかかるというひと踏み惚れ体験をすることができなかったな。

 

かくして、数分かけて試運転コースを一周。ホントに楽に運転できる良いバスでした。

 

試運転中に、このぶっちゃけた社員さんがぶっちゃけトークを展開するのだ。

 

「あちらのバス、プロトコルタイプですんげー値段するんですけど、このバスはわずか€140,000(およそ1800万円)!お買い得っ!」

 

…ごめん。高いんだか安いんだかよくわからんわ。私のそらまめ号(日産ノート)が10台近く買えちゃうわ。

 

(草野さん撮影)ちょっとこのデッキチェアほしかったかも(そんな手癖が悪いことはしてません)。

 

話を前日に戻します。草野さんと私の二人で最新型のバスに目を輝かせていた頃、水戸さんはといえば、芝生の上に置かれたデッキチェアの上でスマホとにらめっこしている。バスの展示場に着いたときのお話…。

 

水戸:「私、どうしても外せない用事ができたので日曜日の朝に東京にいなければいけないことになりました」

 

…ええっと、今日が木曜日で…土曜日の午後にヨーロッパを出ると、日本到着は日曜日の朝…それじゃあ間に合わないとなると…と頭の中で計算を始める私。すると…

 

水戸:「というわけで、明日のヒコーキを探しているのですが、なかなか見つからないんですよ」

 

…マテマテマテ。そもそもなんで今になって帰りの航空券を探しているの?航空券、変更可能なの?

 

水戸:「いえ(マイレージの)特典航空券で、片道だけ購入してきましたので、帰りの航空券はまだ押さえてないんですよ」

 

もはや私の理解の枠を超えている。ドイツに片道航空券でわずか24時間ほど前に入国して、今、明日の片道航空券を探している…だと?

 

いやいやいやいや、あのさ、連休に片道航空券で東京から九州にやってきて、今になって東京に戻る航空券を探している…とかいうならまだ理解できる。だけどさ、それを日本とヨーロッパの距離でやっちゃうの?

 

そういえば、到着前日に、フランクフルトで(スターアライアンス外の某社と)ルフトハンザに1時間で乗り換えられますかね…という質問が来たので、「まあ、乗り遅れても次の便があるから大丈夫じゃね」とかテキトーな返事を送っておいたのだが、もしかして、これ、接続が保証されない別々の2枚の航空券だった?

 

水戸:「ええ。別々に予約しました」

 

だだだだだだだ、ダメだろそれ。

 

結果として大陸間フライトにありがちなのだが、フランクフルトへの到着が1時間近く早くなり接続になんの問題もなかったらしいのだが…私ならやらないぞ。それ。あ、実は11月に日本に帰省する時やるけど…まあそれは別のお話。

 

バスを一通り見学して芝生に戻ると

 

水戸:「ヨーロッパの芝生ってほんっっっとに気持ちいいですね」

 

…何を呑気なことを言っておるのだ。キミは。まあ、この日の気温は27度とかで確かに芝生の上に吹く風が心地よい。翌週気温が一気に下がったことから考えると、草水コンビは実にいい時にベルリンに来たよなあ。

 

聞けば未だに悪戦苦闘しているそうな。ソウルまでの航空券はつながったけれども、ソウルから日本を別に押さえなければいけないからちょっと躊躇している…ああ、空きが出たのになくなった…などとやっている。なんでも某社の特典航空券の予約サイト、「空きあり」と出ても、最後に「予約できません」と出るとかでないとかのバグとも言えるような動作をするらしい。

 

水戸:「ミラノって遠いですか」

 

…遠いです。電車だと半日かかります。ヒコーキでも2時間近くかかるんじゃないかな。…って何を言っているんですか?

 

水戸:「明日のミラノから東京までの航空券を予約しました」

 

…おいおいおいおい(さっきから驚きのあまり、繰り返しばかり増えてます)ベルリンからミラノまでどーするねん。…と一緒になってスマホでミラノまでの航空券を探し始める私。

 

当たり前の話、翌日の航空券になかなか安いものがないのだ。しかも、東京行きの出発時刻があるから変な時間のヒコーキは選択できない。ましてや、ベルガモなどのミラノ近郊の(東京で言えば茨城空港くらいの感じの)別の空港から陸路で移動する余裕もない。結局、Easyjetの「それ、もはや正規運賃だよね」という値段の航空券で手を打つ。

 

中央駅にて草野さん撮影。

 

このあとは市内に戻り、夜の部の宴席…というか夕飯に。イノトランスに純粋にお仕事として参加している赤塚さんという友人がおりまして、忙しい中参加してくれるとのこと。このイノトランスの記事の第1回を読まれた御本人が「常磐線の駅名シリーズなら、ボクは赤塚がいいです」という謎の指定をしつつ登場を要求されたのでここでご登場いただきます。

 

草野さんの事前調査により予約をしておいたのはこちら。

 

Brauhaus Lemke Am Hackeschen Markt

 

この高架下にあるレストラン、私の説明が非常にまずく、遅れて別に参加された赤塚さんにこのレストランの最寄り駅はS Hackescher MarktではなくAlexanderplatzと説明してしまい、迷わせてしまう。距離は東京駅と有楽町駅の世界で数百メートルしかなかったのだが、それでも正しい説明がないとわからんわなあ。…申し訳ない。

 

件のレストラン、「シチューとは、肉や野菜を切って煮た料理です」とひとことで平気な顔をして書いてしまう違いのわからない私にかかると、「地ビールを出すレストランです」というひとことで片付いてしまう。

 

そう、地ビールお試しセット…というものがありましてね…

 

 

6種の地ビール(ひとつ100mlづつ)で€10。

 

高っ。コスパ悪っ。

 

とはいえ、聞いたことのない地ビールばかりなので、どのビールが美味しいのかなどはさっぱりわからない。とりあえず、ヴァイツェンビールならいいだろうと頼んでみたら

 

 

…いまいちでした。なんかフルーティーと言うか、フツーのヴァイツェンビールとは違う雑味のようなものを感じたのよねん(すごく個人の意見です)。もしかすると、最初のお試しセットは大事だったかも。

 

ここでなぜか明日ミラノ経由で東京に戻ることになった嵐のような男、水戸さんが変なことを言うのだ。

 

「ボク、サラダにしますが、みんなで分けるなら大きいやつを」

 

この意味、しばらく噛み締めてようやく理解した。そうだった!日本の居酒屋スタイルではみんなでいろんな食べ物を頼んで取り皿で分けたりするんだった。そこで、鶏のから揚げにレモンをかけるかけない論争などが発生するんだった。思えば、嫁と嫁友人がいたものの、それ以外は皆日本人なんだからこの「日本式」で行っても良かったなとこれを書く段になってようやく思い至った。

 

 

料理は、何の変哲もないバーガーを頼む私。ただし、揚げたてポテトはさつまいもです。…って、実はフライドポテトが揚げたてじゃなかった。あるいは他の人の料理ができるまでのほんの数分のことかもしれないけど、揚げたてじゃなかった。もうこの点だけで大減点。

 

…なんだけど、このレストラン、実に実にお財布に優しいレストランでした。私の頼んだハンバーガーは単品で€8.9、これにさつまいものフライが€4.9(フツーのフライドポテトなら€2.5)というわけで、一人あたり€25以下でお腹いっぱいになりました。そう、ベルリンって、高級店を探せばいくらでもあるんだろうけど、この程度の予算でもけっこう美味しく楽しく過ごせるお店がたくさんあるのです。私はベルリン、好きですよ。住もうとは思わないけど。

 

 

お隣ではまたカリーヴルストを食べる草野さん。私は断じて「ベルリンではカリーヴルストを食べ続けなければいけません」などとウソの説明をしてわけじゃないですからね。