20世紀に取り残された人たち

金曜日。嫁に「明日(土曜日)、何がしたい」と聞いてみた。すると、嫁が何やら郵便物を差し出してきた。

 

某衣料品店の「お得意様限定、全品3割引き優待券」

 

(写真は参考資料。別の店の1割引券です)

 

ある意味すごいよなあ。今日び、割引券とか全部スマホのアプリとかになってそうな2018年の夏、未だに嫁界隈ではダイレクトメールなどという昔ながらの郵便を使った20世紀の遺物とでも言うべきものが幅を利かせている。そういえば、カタログショッピングなんかも未だにバンバン送ってきてるもんなあ。

 

そうだ。思い出した。数ヶ月前にうちでちょっとした騒動があったんだ。

 

日曜日のお昼前、嫁と二人でぼーっとしていると、血相を変えて二階にやってきた人がいる。それは嫁母(正しい日本語では「義母」ですね)。

 

「鍵閉じ込めて中に入れない。鍵屋さん呼ばないと」

 

…意味がイマイチわかりませんな。

 

話を聞いてみると、近所に住む嫁姉(義姉)一家がホリデーとやらでデンマークにお出かけ。その間、庭の樹木の水やりほか家の管理を任された嫁母は今日も今日とて嫁姉宅へ。

 

庭で水やりをしていた時に問題が発生。地下室のドアの鍵穴に家の鍵すべてがまとめられた鍵束を挿したまま外に出ると、風のいたずらかドアが閉まってしまったらしい。外からは鍵がないと開かないタイプ。しかも、戸締まりはカンペキでもう完全に閉め出されてしまった…と気がつくまでにさほどの時間はかからなかった。そのままパニクってうちまで戻ってきたらしい。こんな時のために実家(うち)に置き鍵をしているのだが、その置き鍵を閉じ込めたっていうんだから話にならない。

 

「とにかく早く解決しないと。旦那(嫁父)に知られるとまたいろいろ言われるわっ」

 

まあ落ち着きなせえ。近所の鍵屋を調べるからさ。

 

…と、Googleで検索をしようとしたところ、嫁と嫁母は信じられない行動に出た。ノートパソコンのフタを開けた私のその横で取り出したるは…

 

 

 

で、電話帳っ!

 

これこそ20世紀の遺物。未だにこんなもんが存在したんだ。テーブルの下がやたらとごちゃごちゃしてると思ったら、こんなもんまで隠してたのか…。

 

まあ、Google 対電話帳の戦いはどちらが速いかはこのサイトをネット上でご覧になっている方には明白だと思います。こちとら数秒でうちから近い順で鍵屋さんのリストができた。その頃電話帳チームは電話帳の索引ページでなにかしていた。

 

というわけで、電話。

 

ところが!ここで問題になるのは日曜日。このドイツというお国、日曜日は休息日…で、基本的に一部のカフェとかガソリンスタンドでもない限り全部休みなのね。鍵屋さんは緊急の依頼もあるだろうから日曜でも対応してくれそうなもんだが、近所の個人経営的なところは電話に出すらしない。

 

徐々に捜索範囲を広げて、ようやくうちから20キロほど離れた比較的中規模な街の、比較的サイトがしっかり構築されていた鍵屋さんの「緊急番号」に電話がつながった。

 

「XX村ですかぁ。地球の反対側じゃないですか。勘弁して下さいよー」

 

…大げさすぎるわ。車なら15分かからんだろうが。

 

結局、移動1キロあたりいくらかの出張料を払うことで話はまとまり、30分も経たずして鍵屋さんは来てくれ解決したらしい。

 

ちなみに、Googleの検索結果の上位には「広告ページ」が当然出ていた。イメージ的には「あなたの鍵のトラブルにすぐ対応します。国内どこでも24時間受け付け。0800-9999XXX」みたいなやつね。あれは避けた。

 

鍵屋さんいわく、それは正解だと。ぼったくられるのがオチだと。そりゃそうだろうなと思う。国内全部をカバーしている鍵屋さんなどいるわけないんだからどこかに以来を出すことになる。つまりは中間マージンをしっかりぼったくる…ってことになるんだろうな。

 

…あれ、何の話してたんだっけ。なんで、鍵屋さんの話をしてんだ?そう、20世紀の遺物嫁は、ダイレクトメールで100%釣られるアホタレなのだ。特にこの店のダイレクトメールへの反応率は十発十中。そりゃあ「特別なお客様」だよなあ。ある意味で。

 

異常な暑さの続くドイツ、家の中にいても暑いだけなので、ある意味エアコンの効いた車から空調の入った店に行くことは私にとってもありがたいことなので参加する。

 

嫁は店に入るなりに、靴コーナーに吸い込まれていく。

 

 

靴全品3割引き

 

…おいおい、「お得意様優待券」いらなかったじゃないか…。それ以前に、あれだけ靴があって、まだなにか買うのか?

 

見るだけー…などと言っていたがそんなはずはなく。「クレタ島のホリデーに履いていく」とやらのサンダルを選ぶ。…まだ3月近く先の話なんですがね…。

 

さらにはなにやらトップにジーンズに…数点お買い上げ。私?靴下一つ買ってませんよ。

 

ちょっとびっくりしたことは、靴の3割引きと、お得意様優待券の3割引が併用できたこと。…えらくお買い得になっていた。