【2011年日本帰省記(3)】なぜか四国へ行く

前日の城島高原の遊園地のお話、書き忘れていたことが二つ。


午後2時ごろ、聞きなれたFlashdanceが流れて、目の前の池から水がぶしゅぶしゅ吹き出している。なんだろうなあと思って周りを見回すと


音楽噴水ウォーターダンスショー


…なんですと。


観客、どー見ても、誰もいないんですけど。どっかの浦安のねずみ島あたりだと人だかりができているだろうになあ。


そして、ゴーカートにも乗ったんですよ。考えてみると無意味な行為です。今回の帰省している間にも1000キロ以上車を運転しているのに、遊園地くんだりまで来てさらにゴーカートを運転するなんて。だけど乗ってよかった。こんなすばらしいものを見つけてしまった。


昭和の香りがぷんぷんする非常電話。


やい、浦安のねずみ島。こんな粋な演出がおまえんところでできるか!(ってなんでいきなりねずみ島にいちゃもんつけてるんだろう)


今回の帰省では、四国にも行ってきました。Q州から四国に移動する最短ルートはO分の佐賀関半島から佐田岬半島までフェリーで移動。地図を見ていただければ一目瞭然だと思うのですが、佐賀関半島の突端から、佐田岬の突端までの距離はわずか14キロ。当然一昔前にはこの間を橋だかトンネルだかでつなぐ構想があったのだが、財政難の昨今、この構想が実現すると思っている人はほとんどいない(と思われる)。フェリーで1時間ほどかかるので、確かにこの間に橋だかトンネルがあると便利だろうなあ。


そんな思いで地図を見ると、この四国側の佐田岬、あたかも九州まで橋をかけてくださいと言わんばかりの勢いで細い細い陸地をQ州に向かって突き出している。その長さ40キロ。その長さに比して、幅は心もとないくらいに狭い(最小幅は800メートルとか)。半島の中央の山頂部分にメロディラインというバイパス道路が通じているのだが、この道路上に立つと、半島の南側と北側の瀬戸内海と宇和海に同時に釣り糸をたらすことができるので、全国の釣りマニアの垂涎の的となっている(大嘘)。


(フェリーは空いていた。…って、まだこれはいいほうで帰りのフェリーは乗用車4台のみという惨状だったが)


かくも細い半島、海沿いに散在する集落に家がある程度なので人口は概して少ない。Wikiによると半島にあった旧三町が合併した新しい町はようやく1万人を上回っている程度)。この町の名前を言えば、おそらく「あー」と言う人もいると思う。伊方町。そう、四国唯一の原発がある町。


さっきも書いたとおり、この半島の幅、最小幅では800メートルしかない。だったらここを通ったら原発はいやおうなしに目に飛び込んでくるべきなのだが、なにせ幅は狭いが急峻な山なので目に入ってこなかった。今回、通過するに当たって、寄って来ましたよ。伊方原発に併設されている伊方ビジターズハウスに。


平日の昼間、駐車場にはおそらく関係者のものと思われる車が数台止まっているだけ。入り口も心なしか暗い(例の東電の計画停電のあおりで若干照明を落としていたのだろうか)入っていいものかと思ったが、ドアの前に立つと自動ドアはさっと開いた。


受付のお姉さんより、さっとパンフレットと来館記念品と思われるポケットティッシュを頂戴する。このポケットティッシュは花粉症のお鼻のためにありがたく使わせていただきました。


はいってまず目についたのは、これ


日常生活と放射能


なんだろう。この「見慣れた」感は。


そして


「原子力発電は、経済性に優れています」
とか
「原子力発電は地球環境にやさしいエネルギーです」


とまあ、当然のように原発を賛美する展示が並ぶ。当たり前じゃい。原発関連施設で、反原発の展示をするわけがない。…ってか、1000キロちょいしか離れていない福島であんな事故が起こった後にこの展示を見ると、もはや皮肉にしか思えない。


ちなみに、津波対策としては、海抜10メートルの位置に原発を建設されており安全とか、その他、建設に当たっては丈夫で安全な岩盤の上に建設されている、活断層などの調査は事前に徹底的に行われたなどなど、反論はたくさんあると思いますが、この展示を見る限りでは、なるほど、原発は安全なんだなという印象を強く受けました。…が、福島での事故が現実に起こったあとでは、なんの説得力もないのですけど。


中央制御室もちゃんと再現されております。


三菱製のエレベーターに乗って展望室へ行くと


今日も伊方原発は無事に運転されておりました…って、されてないと困るんだけどね。


さて、あんたは原発推進派なのか、反原発派なのかと聞かれると、ぶっちゃけよくわからない。どーしてもどっちかを選べと言われると、おそらく反原発派なんだろうけど、それを決めるだけの知識を持っていない気がする。


そもそもさ、原初的な違和感は持つわけよ。言い方が正しいか知らんが「この程度」の構造物で、なんで四国の電力需要の1/3をまかなうことができるのよ…っていう。


ともあれ、絶対に安全なほうを選ぶなら、原発なんてすぐに止めてしまえばいいと思う。だけどさ、結局は、経済性とか利便性とかである程度はリスクをとらなきゃいけないわけで。ヒコーキだって一緒。ヒコーキ事故が絶対に起こらなくなる方法はヒコーキを廃止しちゃえばいい。一度事故が起こると数百人の人が死んでしまうようなとんでもない事故になってしまうわけですから。だけどそうならないのは、結局事故のリスクを考えてでも使い続ける経済性や利便性があるからとみんなが認めているからですよね。そして、自分が乗ったヒコーキには事故は起こらないという根拠のない安心感と。


今回原発でも事故は起きましたよと。この事実から間違いなく言えることは、今後再び原発で事故が起こる可能性は十分にあると言うこと。ってか、この地球上に「絶対に安全」と言えるものは、ただのひとつもないわけだから、事故は起こってある意味当然なのです。


一度事故が起こってしまうとヒコーキ事故どころじゃない大きな影響があるという事実から廃止を考えるのも一考、または、経済性からマレのマレに起こる事故は甘受すべきなんじゃないかと考える人がいるかもしれない(まあ、現在の原発や被災地の状況、天文学的数字になりそうな損害賠償額などを見てそんなことを言える人はなかなかいない気もするけど)。どっちにしても、マジメに考えなければいけない問題だと思うので、今回、伊方原発に寄ったことは無駄ではなかったと思う。


と、まあ、ガラにもなくマジメな話をして(それでもこの程度しか書けない自分の知識のなさを恥じるばかりですが)頭が痛くなったところで話を松山まで進めます。


松山ごめん。


いや、松山千春に謝っているわけじゃなくて(ましてや松山ケンイチではもちろんなく)、松山市に謝ってます。私は松山市はせいぜいO分市より毛が生えた程度発展してる地方都市だと思い込んでいた。とんでもない。


松山には地下街があった。


そして、伊予鉄そごう…じゃないんですよね、今じゃ伊予鉄高島屋なんですよね。いや、子供のころ、O分には民放が2局しかなくて、たとえば笑っていいともが午後4時に放映されるようなとこだったの。O分は。ナイター中継が「一部の地域の皆様とはここでお別れです」と言われて、そのごく一部の地域に入るとこだったの。O分は。


まあ、ナイターなんて個人的にはどーでもいいんだけど、野球好きのうちのオヤジ、当時変なテレビアンテナを取り付けてまして、なんと、居間にいながらダイヤルひとつでテレビアンテナの向きを変えられる装置。それを駆使して、愛媛の放送をよく見ていたんですよ。そしたらさ、何度も何度も(例のポポポポーンほどじゃないけど)伊予鉄そごうのCMが流れていたわけよ。というわけで、一度行ってみたかった。


ぶっちゃけ立派なデパートでした。屋上には観覧車まであるし。


そして、何より驚いたのは、商店街に活気があったこと。午後7時過ぎに痛いひざを引きずりながら歩いたんですけど、人もけっこう歩いているし、何よりお店が繁盛している感があるんですよ。へえ、地方都市の中心部に元気がないと問題になってますけど、こんな地方都市もあるんだなあと感心しました。


おそらく、街が元気な理由は路面電車のおかげじゃないかと思う。こいつが一回たったの150円で乗れて、かつ、本数も多いもんだから、町に行こうという人がいるんだと思う。この街、きっと住みやすいんだろうなあと感じた。


こんな飲み屋さんもあった。


松山といえば、ここ、ですよね


道後温泉。


線と千尋の神隠しのモデルになったとか言われている温泉。入ってきましたよー。ぶっちゃけ、温泉は趣はあったけど、何せ、温泉王国のO分で育った私にとっては、温泉自体、まあこんなもんでしょ…という感じだった。


その他のことは…あまり書けることがない。大人の事情です。たぶん。