【嫁つき日本帰省2017-11】秋、長崎から(1)


長崎…です。長崎と言って思いつくもの…と言えば、いろいろあるでしょうが、私のキーワードはほとんどすべて「さだまさし」つながりになります。そう、氏のふるさと…なんですよね。

というわけで、私が思いつくもの

長崎小夜曲」(長崎を歌った曲)

稲佐山」(さだまさし氏の「広島の空」などの曲に登場します)

江山楼のちゃんぽん」(氏の御用達)

解夏」(映画化もされた小説です)

精霊流し」(グレープ時代の有名曲で、こちらも小説化されてます)

 

…これ以上列挙してもたぶん誰も読んでくれないのでこの辺でやめときますが、まあ、その他いろいろあるわけです。あと一つだけ。前にも書いたような気もするけど、私の一番好きな曲は天然色の化石(←アレンジも好きな動画)です。

 

ただ、私の名誉のために書かせていただきますが、そんな自己満足のために嫁を連行してまで長崎に行きたかったわけじゃないんです。嫁に出発前に聞いたんです。(離島を除く)「車で行かれる九州内で二泊三日の旅行をするならどこに行きたいか」と。

 

候補として残ったのは鹿児島と長崎。で、嫁が手持ちのガイドブックとにらめっこして決めたのが長崎だった…というわけ。はい。断じて私が選んだわけじゃござんせん。そのうえで、私なりにいろいろ考えた。阿蘇・熊本から天草を経由し、フェリーで島原に渡り、雲仙の温泉旅館に一泊…というルートも検討したが二泊三日では無理があると気づき、長崎市内に連泊することに。

 

長崎の話を始める前にちょっと時計の針を日光に出発する前日の東京、つまりほぼ1週間前まで戻す必要があります。

 

もう11回目となるこのお話を最初からお読みの方はご記憶かもしれませんが、私たちは日光から長野、そして九州へと公共交通機関で旅を続けてきました。こうなると問題になるのは荷物。荷物が多いといろいろ不便です。

 

日光に行った時はふたりともリュック一つづつという比較的軽装だったのですが、そうするために、日本ならではの便利なサービスを利用しました。はい。宅急便です。宅急便で長野の友人宅にスーツケース1つ、そして、九州の実家に別のスーツケースを送ったわけです。

 

私がお世話になる「隠れ家」は都内下町の某所にあります。うちの前の道も狭く、宅急便の配達は自転車にリアカーをつけたセールスドライバーさんが(そもそもリアカーつきの自転車に乗る人をセールス「ドライバー」と呼んでいいかはちょっと疑問ですが)やってきてくださるのです。

 

前回も私のくっそ重いスーツケースをえっちらおっちらリアカーで運んでくださり私は申し訳なく思ったのです。しかも、その数日後には成田空港までの集荷をお願いしてえらく申し訳なく思った。なので、スーツケース2つの集荷などお願いできなかった。…はい、私は自分で言うのも変ですが、変なところで変な気を使う変な人なんですよね。

 

じゃあ近所のコンビニに持っていこうかとも思ったけど、バックヤードも決して広くないだろうコンビニにスーツケースを2つも持っていったらきっと邪魔です。「そうだ、近所の宅急便のサービスセンターに持っていけばいいじゃん」…と気がつきまして、嫁と二人でスーツケースをごろごろ転がして日曜日の夕方に近所の某宅急便の集荷センターに持ち込もうとしたわけです。

 

ところが、集荷センターには誰もいない。よく見ると、ちょっと離れた角に集荷トラックが停まっており、そこで煙草をくゆらせているセールスドライバーさんがいる。ところが、そのセールスドライバーさんいわく、「週末は受付してないんですよ」(あるいは「今日の集荷は終了しました」だったか…どっちにしても断られた。)

 

…えええ。明日の早朝にすでに日光に出発するのに受付してくれないのは困るので、近所のコンビニになら持ち込めるかと聞けば可能だというので、結局コンビニに持ち込むことに。

 

コンビニではレジ一台を占拠して送り状を2枚書いたり店員さんがスーツケースの大きさを測ったりでたいそうご迷惑をかける。気遣いが完全に裏目に出てただの迷惑客になってしまったという最悪のパターン。まあ、それでも荷物を受け付けてくださいまして、その荷物は長野には無事に到着した。…長野には。

 

何が言いたいかというと、九州の実家に送った嫁のスーツケースはローラーの一つが破壊されていた。で、この宅急便屋さんいわく「修理はできるけど新品交換は勘弁してください」とのこと。それ自体は納得。とりあえず私たちが日本にいる間に修理などはできないので泣き寝入り…ということになったわけです。詳細は端折るけど、クレーム対応としては失格でした。

 

 

ドイツに戻るのにスーツケースがないのは困る…というわけで、長崎に向かう道中にトイレ休憩がてらに寄ったのは鳥栖のアウトレット。ここで、サムソナイトのスーツケースを買わされる。

 

 

買ったスーツケースは外に傷がついているB級品というが…どこに傷がついているかさっぱりわからないし、ドイツに持って帰る際に当然傷だらけになったから問題なし。とりあえず、この件での勝者はまんまと新しいスーツケースを手に入れた嫁。

 

…だからって記念撮影するなよ…。

 

ちなみにですが、壊れたスーツケースは適切に処理しました。間違っても空港に放置したりしてません。…というか、ふと気がつくと、ドイツに持って帰ってきていたんですが。…じゃあ何のためにわざわざ買ったんだよ…。

 

わざわざイモを漬けるところがドイツ人…それに付き合って自分のも注文する私は変人。

 

アウトレット内にある神戸元町ドリアで昼食ののち、高速道路に戻り、一路長崎…には向かわずになぜか武雄JCTから西九州自動車道へ。そのまま向かったのは…波佐見町。

 

波佐見焼…って聞いてピンとくる人ってどれくらいいるんだろう。日常使いの飾らない焼き物なのです。例えて言えば、スーパーの店頭の催事場で安売りをしてそうな焼き物。焼き物大好きの嫁へのサービスです。

 

波佐見有田インターを降りて波佐見町に着いたはいいが、さて、どこに行ったら良いのやら。とりあえず通りがかりに目についた「浜陶」さんという直売所へ。店内でお茶までいただき買い物をする。

 

 

「日常使いの焼き物」と書いたとおり、なんというのか、嫁を安心して店内に放流していられる。どんなに高くても数千円レベルの商品。嫁がほしがるものは、製造元直売という利点もあってか数百円程度から。おう、別にカゴ一杯に買い込んでもいいぞ(どうやってドイツくんだりまで持って帰るのかという問題は新たに発生するけどね)。

 

 

なんだか箸置きだお茶碗だなんだと買い込んで、次に向かったのは波佐見町陶芸の館観光交流センターという、いかにもお上が作った箱物施設。

 

 

…などと暴言を吐いて悪かった。ここ、さっきお邪魔した「浜陶」さんを含め、町内の窯元が集まって便利に買い物ができてしまう。しかも、お値段は生産者直売価格(あるいはいくらか施設使用料が含まれているのかもしれなけど、それでもとんでもなくお値打価格だった)。客の立場からすると町内に点在する窯元をいちいち訪問する必要がないし、お店の立場からすると、各店に店員さんを配置するよりはるかに効率がいい。いいことづくし。車で来たことをいいことにここでもいろいろ買い込んでしまう。

 

こうして、可愛らしいお茶碗などを手に入れほくほく顔の嫁とともに向かったのは、案内標識で偶然見つけた鬼木の棚田

 

ここで事件発生。

 

 

 

ぎゃーーーー、頭の取れた死体が転がっているーーーーー。

 

…言うまでもなく案山子なのですが。

 

ここから一般道経由、つまりは西海橋経由で約2時間かけて長崎市内へ。(続く)