あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。新年最初のお話は…Lineアカウント乗っ取りのお話。
12月、つまり去年の暮れに二度目の帰省をしました。と言っても、春の帰省は嫁同伴で「帰省」というより「日本旅行」でしたのであんまり「帰省」したって感じじゃなかったのよ。というわけで、楽しみにしていた…と言いたいのだが、実はそうでもなかった。そのほんの数日前までダブリンにいて、ふと気がつくと、あれ、もう明後日出発じゃん…という感じでして。
特に仕事の最終日はもうひっちゃかめっちゃか…としか言いようのない状態。引き継ぎのレポートを作らねばならないのだが、そこまで話が進まない。さらに今日のお話となる事件まで発生して、かなり早い段階で翌日への持ち越しを決定する。…そう、乗り継ぎの空港で5時間近く長く無駄な待ち時間があるからそこで仕事をしようと。
その眉毛がつり上がっている状態のときにいきなりLineが来た。Line友などほとんどいないのだが、その少ない中でも特に仲のいい友人から。
「メンバーなし」になっているのは、アカウント凍結後にスクショを採集したからです。
えっ？
状況はコンマ数秒で把握できた。あの莫迦（友人）、ラインのアカウント乗っ取られてやんの。これは面白いと即答。ちなみに「なんでこっちで」とはいつもメールを送ってくる人なので、次のWebmoneyどうこうを聞く前にすでに違和感を感じていた次第。
…ごていねいに写真まで…ありがとうございます。
なんかさあ、もしかしたら自分は2年くらい前の世界にタイムリープしたんじゃないかと思い始めた。この前のマイクロソフトの詐欺電話といい、このもう、どこかのサイトで数年前に見たようなLine乗っ取り詐欺が、寸分の違いなく教科書通りに進んでいることがにわかには信じがたい。
とりあえず時間稼ぎには成功したので放置。とりあえず、このアホな友人にいつも通りメールで連絡。「アカウント乗っ取られてるぞ」って。ちなみに本人はすでにFacebook経由で別の友人からこの事案を知らされていた模様。
それから、共通のLine友にも一応連絡。たぶん、そっちにも同内容の詐欺のメッセージがすでに届いているとは思ったけどね。後述のとおり、実際届いていた。
1時間と言いつつ30分後…
…そう、犯人とおもしろコントをやってここで晒してやろうという、とても眉毛がつり上がって忙しくしている人とは思えないことを思いついて実践しようとしてるのね。
この時点で9割方の自信が確信に変わった。この話のかみ合わない感じからしてこの乗っ取り犯、日本人じゃないわ。中国人だわ。ほんっっっっっとに教科書通りの進行だわ。
…と、再び何かしらのおもしろ反応を期待して話しかけてみる。が、これに数時間既読がつかなかったので、あー、そろそろLineの運営がアカウントを凍結したのかな…と思ったのだが、別の友人いわくまだ返事が来ているとのこと。そっちはそっちで、中国人の同僚を使って中国語で罵倒したらしい。何が書いてあるか自信がないからスクショの公開は避けますが、なんかとんでもない罵倒合戦だったらしい…って、犯人はやっぱり中国人ですか。
というわけで、カマかけてみることにした。
「全家ついたお」
全家＝中国語でファミリーマートです（全家便利商店）。「…だお」という莫迦丸出しの語尾といい、もうおちょくる気まんまんの私。「お前は中国人だとわかっているぞ」とカマをかけてみたつもりですが、そんな私の思いとは裏腹に
「買えたかな」
テンプレ通りのご返信ありがとうございます。
祈るような気持ちで、莫迦な犯人がこのリンクを踏むことを祈った。
踏んだーっ、速攻既読ついたー。マジもんのアホやー。
2年前にこの詐欺が流行ったときに類似記事を読まれたことがある方はご存知かもしれません。そう、相手のIPを特定させる地雷を踏ませたわけ。武士の情けでIPの公開は避けますが、犯人は台北からのアクセスでした。この地雷を迷わず踏む莫迦さ加減といい、IP偽装とかそんな大層なことはしてなさそうな気がします。
IPアドレスを信じると、犯人のお家はこの写真のどこかにある…かもしれません。
ちなみに「地雷」はこちらのサイトからお借りしました。むしろ私のほうがGoogle短縮でURLを偽装したり手が込んでいる気がします。
犯人のお返事
「where am I?」（あれ、写真じゃない…なんだこの画面…とでも言いたかったんですかね）
残念ながら、私のこの愛のこもったメッセージに既読がつくことはなかった。翌朝空港から確認すると、
（自重）が退出しました
…あ、アカウントが凍結・または削除されたのね。結局問題判明から24時間近くかかったな。Lineの運営さん、正直時間かかり過ぎじゃないかな。アカウントが乗っ取られて実際に詐欺行為が行われていたという事実に照らし合わせると。
それにしても、こんな出始めの頃ならともかく、手口が完全に知れ渡っている詐欺をいまさらやって何か意味があるんですかね。
というわけで、次回からは日本帰省のお話…と言ってもたぶん大した話はないです。