【日本帰省記(3)】ANA機体整備工場見学記

前回のJALの工場見学ですっかり味を占めた私、今回は、ANAの工場見学を企てた。で、ただ見学に行くんじゃあつまらない…というわけで、個人的な趣味をもろに押し付けて、オフ会を計画。半年前に早々と9名分の予約をして、ホームページ上でオフ会の告知を出して、8名の方にご参加いただく。


張り切りすぎて、午後2時の待ち合わせなのに、お昼過ぎには待ち合わせ場所の空港のターミナル内のカフェに着いてしまった。そして、2時に工場へ移動。


おそらく(ってか前回JALの工場見学のときに実証済)ターミナルビルからこの工場まで歩ける。むろん、気合と時間さえあれば青森から鹿児島までだって歩けるんだけど、そーゆー意味じゃなくて、おそらく30分もあれば十分だと思う。だけど、退屈な道のりだし、何より女性の参加者も多かったのでおとなしく新整備場駅までモノレールで移動。


途中のガソリンスタンドにて。


高さ制限6.9メートル。


…いったいどんな道路を走る乗り物がこの高さ制限に引っかかるんだよー。どーでもいい雑学ですが、道路にある信号機の路面からの高さじゃ5メートル。つまり、日本国内の道路を走る乗り物は5メートル以内の高さに納まっているわけね(もっと言えば、日本を走る二階建てバスは4メートル以下の高さに押さえられているらしい)。


それと比較すると、この6.9メートルがいかにすごい数字かわかる。空港内のみを走る特殊な乗り物が、この高さを超えたりするのだろうか。ちなみに、このガソリンスタンド、別に制限地域内にあるわけではないので、一般の車も利用できるはずです…実験はしてません。不審車として通報されても責任は取れません。


そんなもんを眺めつつ、通りの果てにあるANAのビルに到着。ちなみに、JALの工場見学の受付は、新整備場駅からすぐの場所にあるのに対し、ANAのそれは徒歩10分以上かかる場所にあります。つまり、徒歩で参加したい人で、歩くのが大変だという人は、JALのほうが有利…という話になる。


JALとANAの工場見学の違い、いろいろあるんだけど、最大の違いは開催日だと思う。JALは土曜・休日のみの開催に対し、ANAは平日のみ。つまり、参加できる日で、参加できる会社が決まってしまうという側面はあるだろう。どっちがいいかは人によるとは思うけどね。


かくして、工場見学の受付に到着。


受付の後ろの大型ディスプレーにあるのは、本日の参加者の名前。どっかの旅館よろしく、「XX様歓迎」みたいなことが書いてあるのよ。当然、私の名前もありました。


ロビーの隅に、ちょっとした売店がある。確かにおみやげ物も売っているのだが、カップめんとかその類のほうが目立っている。つまり、この売店は、見学者だけではなく、ここでフツーに働くANAの社員さんにも利用されているのだろう。


さらにその脇にはロッキードだかトライスターだかのシュミレーターが。ごめん、ロッキードもトライスターも(おそらく)乗ったことのない機材だからどっちがどっちかわからんわ。


いい大人が座っちゃってます。わしは座ってないもん。操縦桿傾けたりしてないもん。してないんだってば。でもね、はしゃいじゃいけません。


きをつけてね


5月9日 けいくんがはしゃぎすぎてここであたまをぶつけました。いたい!みんあはけがをしないようにきをつけて


だそうです。


けいくんって誰だよ。けいくんって。ともあれ、このあとヘルメットは借りることができますが、それまでははしゃぎすぎて頭をしたたか打ちつけたりしないよう、気をつけたいものです。


さらにそこから右に目を向けると


おおっ、今はなき、A321のモデルが。


このヒコーキ、とってもいい機材だと思うしよく乗る(実は、今、これを書いているのはHannoverの空港だったりするんだけど、今から乗るフランクフルト行きのヒコーキはルフトハンザのA321だったりする)。おそらくB767に近い座席数などで使い勝手が悪かったんだろうけど、このヒコーキが日本の空から消えてしまったことは残念に思う。


その反対側の壁面には


Boeing 787
初就航まで190日!


おお、そうだった。ANAはこの次世代ヒコーキのローンチカスタマーなんだった。ちなみにその横に立っているのはさわやか系石川遼機長だったりするわけですが。そっかー、あと190日なのか。もうこれ以上延期したりしないよね(殴)。


この納期の遅れでANAは明らかに迷惑を蒙っている被害者なわけだけど、懲りもせずYS11以来の国産機、MRJのローンチカスタマーになろうとしてるんだよなあ。この会社。大丈夫なんだろうか。


と、まあ、ロビーを眺めつくしたところでいよいよツアー開始。


まずは説明から。この流れはJALのそれとまったく同じ。じゃあ、JALの見学と何が違うかというと、JALのそれはヒコーキはなぜ飛ぶのか…という話だったのに対し、ANAのそれは、ANAの保有機材とか、もうちょっとANAに関連のある話が多かったような印象を受けた。それからB787のドキュメントも見た。やっぱりB787のローンチカスタマーになったことは、ANAにとって大きな大きなニュースなんだろうなあ。


そんな説明の中で一番印象に残ったのは、救命胴衣の使用の実演があったこと。さっきの写真にちょっと写っていた唯一のコドモの参加者が壇上に呼ばれて、救命胴衣を実際に着けてみる。


このときに、説明をしてくださっていたおねえさんが、実際の役には立ってほしくはないが、もしかしたら役に立つことを教えてくれた。


救命胴衣を着用する際には、体と救命胴衣の間にこぶしひとつ分の隙間を空けるべし。


この実演のコドモが救命胴衣を膨らました瞬間、かなり大きな音とともに、救命胴衣が一気に膨らんだ。確かに大人用の救命胴衣を子供が使用したからというのは確かにあるんだろうけど、ほんとに救命胴衣が勢いよく膨らんで、息苦しいんじゃないだろうかというほどだった。


よく「膨らみが足りないときは口で膨らませて」なんて説明してるけど、あれを見る限りでは膨らみが足りないなんてありえない。ただ、逆に言うと、あれだけ勢いよく救命胴衣が膨らむと、膨らませたまま避難をしようとすると避難の妨げになる気がする。機外に出るまで膨らますな…と説明される意味がよくわかりました。実際、これを見られただけで、今回の工場見学に参加した意義がありました。


いよいよ機体整備工場へ。今回のオフ会の参加者の皆様の後姿。


以下、正直特筆すべきことはない。写真を貼り付けてごまかしときます。


そっかー、「指さし」は英語で”Finger Point and Call”になるんですね。


ちなみに、格納庫外に747-400のポケモンジェットと通常塗装のが二機並んでいた。これを説明のお姉さんが


「珍しいんで、ぜひ写真に撮ってください」


と言ってくださったので、写真に撮影した。んでそれを掲載しようとしたら、「版権の都合で」掲載を見合わせるようにとのお達しがありました。残念だなあ、あれがいちばんいい写真だったのに(ウソだけど)。というわけで、そのほかの写真は、ANAの広報担当者様の許可を得て掲載さていただいております。ANAの関係者の皆様、お忙しい中ご協力を下さり恐縮です。


ANAの工場見学の後、向かったのは天王洲アイルにある、アイリッシュパブ、The Roundstone。ここ、天王洲アイルというちょっと外れた場所からか、いつも空いている。この日も午後6時前という早い時間帯だったせいか実に空いている。


1次会の参加者の方がまずは全員で到着。事前にお願いをしていたとおり、「自分の食べたもの、自分の飲んだものは自分で払ってください」という明朗会計を徹底。すっかり忘れてたんですけど、「キャッシュオン」って便利な表現があるんですね。アイルランドでこんな言いかたしているかどうかちょっと自信がないのですが。


で、最初の注文のときに別個での会計をお願いしたら、テーブルまでビールを持ってきてくださったお姉さんに


「次回からはカウンターで注文してください(怒)」


と怒られる。…うう、怒られてしまった。


以後、午後10時以降(正確な時間は…わからない…)私は寝てしまった…らしい。最後にこられた方とは話ができていない。ごめんなさい。ごめんなさい。遠くから来てくださった方もいたのに。なんとなーく11時過ぎのモノレールに乗って山手線に乗ったが…乗り越したような気がする。ちゃんと家までたどり着きはしたのだが。その節に関しましては、申し訳ありませんでした。次回は…あまり飲み過ぎないようにします。