【2016年桜舞う日本新婚旅行9】そうだ また京都 行こう1 嵐山


新幹線ひと駅では一息つくヒマもなく、ひかりは西へ、京都駅へ。

(ちなみにこちらは中央口ね。参考写真ということで)


京都駅では(大階段などのある)中央口へ向かったほうが今夜の滞在先に近かったのだが、スーツケースを引っ張って京都駅大横断をするのはあまりに面倒だったのでそのまま裏側とも言える新幹線口からタクシー乗り場へ。


そうそう、嫁に言われて初めて気がついたけど、日本って目の不自由な人に優しい国だと思う。あの点字ブロックがどこにでもあるってすごいことらしい。確かに、日本の点字ブロックは駅などはまさに切れ目なくあるし、かつ、目立つ。これは嫁は気がついていなかったけど、音声ガイドも充実してるし。


ただね、点字ブロックってスーツケースを引っ張るにはあまりに邪魔な存在。あの小さな凹凸もスーツケースの小さなローラーにはけっこう致命的。なので、点字ブロックの上では軽く持ち上げるような感じになるのだがそれが地味に面倒。

(こちら、上野駅にて撮影)


点字ブロックの必要性にケチをつけるつもりは毛頭ないし、凹凸があってこそ役に立つ点字ブロックなんだろうからカイゼンのしようなんてなさそうだけど…一つの事実として、エスカレーターやエレベーターの降り口などに必ずあるあの点字ブロックの段差はスーツケースを引く身にとっては実に不便だったと感じた。

(ちなみにこちらはハノーファー中央駅の点字ブロック。凹凸が少ない。スーツケースは引きやすいが、視覚障害を持った方は日本のそれに比べて点字ブロックに気づきづらい気がする。そーゆー思いで見ると、色も目立っていない)


大した距離はなかったものの、点字ブロックを乗り越えて、新幹線口のタクシー乗り場へ。タクシーに乗り…


「あのー、湯の宿松栄さんってわかります?」
「いや、わからないですね」
「『みぶかわしょうめんにしいる』です」
「ああ、はい」


…何だよ。本当に今の暗号が通じたよ。なんでも今ので「壬生川通りから正面通に西方向に入ったところ」という意味らしいのだ。…おそらく碁盤状に整備された都市は日本に幾つかあれど、こんな感じで住所が表現できるのは京都だけだよね。


壬生川正面西入ルの湯の宿松栄はとんでもない路地にあった。

(ホテルのロビーから見た風景。どー見ても路地裏の住宅地)


…いや、どう見ても、これ、ただの住宅地だし。


あとで調べて知ったのだが、どうもここ、地元では「旅館」というよりは「スーパー銭湯」としての扱いらしい。同じ敷地内に「誠の湯」という温浴施設があって、ついでに旅館もしているという形態(逆かも知れないけどね)。


例によって到着時刻が早すぎてまだ部屋までは案内できないとのこと。荷物を置きそのまま徒歩で山陰線の丹波口駅へ。

(今気がついたけど、運転席にずいぶんたくさん人が乗っていますな。新人研修か何かだったのかな)


丹波口駅から5駅、10分ちょいで嵯峨嵐山駅へ到着。


ここから嵐山の観光地へは歩かなければいけないことは事前に承知していたが…うん、どう見ても京都でも屈指の観光地への玄関口の佇まいではない。おそらく阪急だの京福だのほかの私鉄の駅のほうが近いから…というのがあるんだろうけどね。


(また後記。編集していて気がついてしまった。嵯峨嵐山駅じゃなくて次の嵐山駅で降りれば、後で出てくる竹やぶの真ん前だった…つまりより効率的に移動できたと…)


観光地化している通りに入る直前で見かけた路上のたいやき屋さんでカスタードと抹茶のたい焼きを食べる。たい焼きを迷わず頭からかぶりつく嫁に幻滅する(たい焼きはしっぽから食べるものです。誰がなんと言おうとこの点を譲るつもりはございません)。


角を曲がると…そこは嵐電の嵐山駅で、もう観光客がうじゃうじゃといる通り。狭い歩道から歩行者が溢れかえり、なのにけっこうな車通りがあり、さらに路線バスまで走っている。うんざりして写真すら撮ってないことにいまさら気がついた。

(橋上の人の多さに注目)
そんな中、なんとか渡月橋までたどり着く。なんか写真のイメージと違うぞ。どのサイトで見た写真も後ろに嵐山の森が控えていて静かな佇まいだったのだが、実際はこのありさま。早々と退散。
嵐山といえば有名な竹林…行ってみましょう。

(実はここを登る必要はなかった。後で気がつくマヌケぶり)
途中、公園を経由していったのだが、この公園が実はちょっとした小高い丘になってまして、思いがけず坂道と階段を登るハメになる。

(紅葉の季節に来たらきれいだろうけど、地元O分にもこれくらいの場所はいくらでもある)


公園のてっぺんからは嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車の線路がよく見えました。


そして、竹林。


人人人。そして、そこに乗りつけてくる黒塗りのハイヤーたち。


なんだよ。ただの竹林じゃねえか。これのどこがすげーんだよ。Q州の実家の近所にもこれくらいの竹林はある(ような気がする)ぞ。


世界の京都のその中でも屈指の観光地の嵐山。その竹林をひと目見ようと中韓をはじめとして集まった観光客の皆様たち。一部にはスーツケースを引っ張りながら未舗装の道を進んでいる人すらいる。悪いが感動も何もない。ただ「嵐山の竹林を見てきました」という自分の人生の経験値が少し上がっただけ。


日本の政府がさ、2020年に訪日観光客を年間4000万人まで増やす…とか音頭を取ってるらしいけど、もう少し考えたほうがいいと思う。ただ観光客の数ばかり増えて、この嵐山の竹林のように混み合うばかりで何を見たのだかすぐに忘れてしまうような観光地巡りばかりをしたのでは、その人はもう二度と日本に来てくれない気がする。京都などの名の知れた「ブランド観光地」だけじゃなく、日本全国の他にもたくさんある良い所を紹介したほうがよっぽど喜ばれるのではないかと思うのだが。


嵐山の感動に満ち満ちた竹林を抜け、そのまま天龍寺へ。お庭が立派。


かくして嵐山エリアを時計回りに1周して、当然の帰結として、嵐電の嵐山駅付近に戻ってきた。


ここで目についたのは「嵐山エリアで一番安いソフトクリーム200円」


…たしかに安い。数人が並んでいる。多分全員外国人。


中には新聞を広げたおじさんが忙しそうに働いている。


私は「新聞読んでるヒマもなさそうですねえ」と軽口を叩きながら抹茶ソフトを注文。すると…


「いや、今はちょっと陽が差してるけど今日はずっと肌寒くて商売上がったりやでー。今日ソフトクリーム頼みはる人は勇気がありまんな」


というようなことを京都弁でおっしゃっていた。やっぱりこーゆーノリ、好きだわ。おそらく私、関西に住むことになってもあまり苦労せずにやっていけそうな気がする。あまり根拠はないけど。


そのままさらに観光を続けようかと思ったが、嫁が一度旅館に戻りたいというので、再び山陰線の嵯峨嵐山駅から丹波口駅を経由し、駅前のコンビニのATMで現金を下ろしたのち湯の宿松栄に戻る。


チェックイン時に丁寧な接客で言われたことは、「宿代は先払いで2泊分を今払え」(要約)。はいはいと現金で払ったが、あとあとふと思った。さっき荷物をおいて行った時にお金を払えって言われてたら金がなかったな…たった今現金を下ろしてきていて良かったな(今回の旅行ではクレジットカードは全く使わなかった)…あれ、そういえば先払いってどーなのよ?あんまり聞かない気がするけどな…。

(食事の予定もないためか、すでに布団が敷かれていた)


ニコニコ現金払いでお金を払った後、部屋へ。とりあえず、数年前に新築したばかりという新館は広くてきれいだった。心配されたタバコの臭いもここも消臭をお願いしておいたことが功奏してか全く問題なし。部屋では今回の旅で滞在した3つのホテル・旅館のうちここが一番良かったと思う。


この湯の宿松栄はまったくの住宅地の中。交通は至極不便。最寄りの駅は山陰線で本数は少ないわ、行き先もあまり便利が良くなく少なくとも嵐山の観光以外には役立たず。駅と同じくらいの距離の位置にバス停があるのだが、バスは一見さんにはなかなか敷居が高い(それでもGoogle大先生のおかげなどでだいぶ使いやすくなったけどね)。


夕飯に元男子寮同居人で去年に引き続きタイミングよく帰省していたまっきーと約束があったので四条河原町へ。Google Mapに目的地を入力して言われるままにバスに乗り、バスから降り、歩く。


…結果、全く別の場所に連れて行かれる。30分ほど迷子になりようやく到着(先ほどの「Google大先生のおかげなどでだいぶ使いやすくなった」というくだりは撤回いたします)。


待ち合わせのカフェの後五十家へ。


なんでもここ、野菜中心の居酒屋で、野菜を焼いちゃうらしい。

(店内でほとんど写真を撮っていなかったのでこんな写真しか残っていない…)


さらに、なぜかアイリッシュパブへ。…正直煙かった。


そしてタクシーで湯の宿松栄へ戻る。


…お前、途中で書く気無くしただろう…というツッコミは聞こえなかったことにして翌日に続く。