【2016年桜舞う日本新婚旅行1】ハノーファーからコペンハーゲンへ


さてさて、結婚式のパーティーの翌日からはドイツ南部に旅に出たんです。その話もしたいのですが、先に先月の日本の帰省のお話から。


2016年4月、私は嫁と同伴で帰省することにした。帰省というよりは観光。嫁に美しい日本という国を見てもらおうと。


と言っても実は嫁にとって日本は初めてではない。すでに二度訪問している。今回で三度目。なんだけど、今回は完全に観光を主目的にしている。日本を旅しようと。しかも、日本を観光するのに一番よい季節はいつか…。推定98%超の読者さんは同意してくださると思います。はい。春です。桜の咲き誇る春であります。ぶっちゃけ、嫁はどう思ってるかは知らんが私は新婚旅行の心算。


なので、張り込んでいる。旅行の計画や予約は全部私がしたのだが、何を血迷ったかヒコーキは往復ビジネスクラス。…などと書くと私がとんでもない金持ちのように思われそうだが、なんのことはないマイル特典航空券だったのだ…少なくとも嫁の分は。


このマイル特典航空券、エコノミークラスは知らんがことビジネスクラスはほとんど空きがない。もうちょっと正確に書くと、燃油サーチャージを別に徴収されるのマイル特典航空券は割りと簡単に簡単に予約できるが、それ以外(の空港税など)だけのマイル特典航空券はスカンジナビア航空では予約は難しい。肌感覚では各便1席とかじゃないかと思う。それを狙ったので今回は行きも帰りも平日となった。


4月6日(水曜日)。心配が服を着て歩いているとしか思えない嫁は、ヒコーキに乗り遅れるのは嫌だと2時間前の空港到着を声高に主張。ハノーファーなどの小さな空港から出るコミューター機に乗るのに2時間前に空港に着こうとかアホかと思いつつ(こんなことをほざいているから列車が遅れてタクシーに100ユーロ使うハメになる)も少なくとも今回の旅(だけ)は嫁の言うことを聞こうとそれに従う。そのため朝の5時に起きるハメになった。


かくしてハノーファー空港には2時間前に到着。まずは免税店へ。図々しくも2泊もお世話になる友人宅に手ぶらではいけないと、友人の大好きなシングルモルトウイスキーを買う。


これ、ちょっと心配ごとがあったの。というのも、御存知の通り、国際線には液体物持ち込みの規制がある。その規制は、免税店で買い、密閉された袋に入れられた場合、その袋を開けなければヨーロッパ内の空港での乗り継ぎは可能です(ええっと、これを話し始めるとそれだけで日記1本書けちゃうから興味のある人はGoogle大先生にお尋ねください。)


今回は、ひとつ問題があって、コペンハーゲンでの乗り換えに5時間ほどあり、一度空港から出るつもりなのだ。その場合、この免税店で買ったウィスキーはどーなるか。私が調べたところ、当日の乗り換えなら大丈夫らしいのだが…。まあ、この話は後ほど。


ラウンジへ。航空会社のラウンジ初デビューになる嫁は、クロワッサンだのなんだのを千と千尋の神隠しにでてきた千尋の両親のように(つまりは…いや、みなまで言うまい)食べまくる。


私:「ヒコーキでも機内食出るんだからそんなに食べないほうがいいよ」

(手ブレしている写真でごめん。しかも実は日本に出発した半月後に撮った写真なんだ。遠近法をもってしても手前のERJ190という小型機と比べても後ろのATR72はハエほどの大きさにしか見えないのが見て取れると思います。)


SASがっすのスカンジナビア航空のハブ空港(の一つ)、コペンハーゲンまではATR72 というコミューター機。もともとヒコーキ嫌いの嫁はそのハエみたいな小ささにどん引いている。


ちなみになんだけどこのヒコーキはJettime(リンク先英語。決してビルが大きければ立派な会社というわけではないけれど、本社の建物の写真は必見)という航空会社により運行されている。この会社、つい最近ルフトハンザからのコードシェアを拒否された(リンク先はデンマーク語…ですが、Google翻訳コンニャクで英語に翻訳すれば問題なく読めます)。平たく言えば、安全性などでルフトハンザの看板を背負って飛ぶことを許されなくなったということ。


…なるほど、メンテナンスがなってませんなあ(離陸後、テーブルを出そうとした結果がこれ)。


これ、問題だぞ。万が一の緊急着陸時にテーブルが出てきたりしたら脱出の妨げになるぞ。そう思って客室乗務員さんに報告したのだが…


「あらやだ、壊れてるの。あーっはっはっ」


…いや、笑うところじゃないと思うんですけど。


嫁に「機内食が出るんだから食べ過ぎるなよ」と言った、エコノミープラス席(ヨーロッパ内のスカンジナビア航空にはビジネスクラスの設定はないのでビジネスクラス扱い)の機内食はこちら。


ハハハ


…二人して乾いた笑いが出る。


嫁はオレンジジュースを注文するが、グラス半分そそいだところで


「あはは、なくなっちゃった。スムージーでもいい?」


…いやだから、笑うところじゃないと思うんですけど。もっと言えば、オレンジジュースくらい十分用意しとこうよ。


そんなこんなでコペンハーゲン空港に到着。


上にちょこっと書いた通り、乗り換えに5時間近くあるのだ。空港で5時間潰すのは至難の業。実際SASがっすのスカンジナビア航空の日本語サイトでは4時間以上の乗り換え時間がある場合、市内観光に出ることを勧めている


なので、当然のように市内観光に出るつもりだったのだが、空港のWifiに接続するなりSASアプリには…


成田行き2時間遅れます。


ふざけんなぁぁぁぁぁ。しかも、座席が変更されている。どうもシートを新しいものに改修した改修機から旧型のものに変わったらしい。


まあいいや、市内観光に出よう。


…と思ったら、そうは問屋と嫁が卸さない。新しい搭乗時刻を問い合わせてからじゃないと外には出ない!と声高に主張。…はいはいはい、無駄なことだとはわかっていますが乗り継ぎカウンターへ行きましょう。


元男子寮の住人まっきーをして「難民キャンプ」と呼ばしめたコペンハーゲン空港の乗り継ぎカウンター。本日は特に大きなダイヤの乱れなどはないらしく(まあ、成田行きが2時間遅れてるんだけどさ)、カウンターは閑散としており、待ち時間0で係の人に呼ばれた。


「成田行き?2時間遅れですね~」
…ほら、言ったとおりじゃねえか、嫁、行くぞ…。
「ちょっと待って下さいねー」


と言いつつ係の人はカウンターの後ろに消えた。なんだ?


数分後、搭乗券のような紙を2枚持ってきてくれた。

(50DKK。1DKKは約16円とお考えになるとご参考になるでしょう。)


…遅れのお詫びバウチャー。


いらねーーーーーーー…と思いつつも、いただけるものはいただこうという貧乏人根性が勝って受け取りました。


そののち、制限エリアの外に出て空港駅より電車に乗る。コペンハーゲンの空港から市内までは電車で15分ほど。日中は15分おきに電車が出ている。実に便利。しかも、電車の乗車券も含めて少額でもクレジットカードが利用できるので、特にデンマーククローネを用意しなくても困ることはないと思う。


で、中央駅に着いたのだが…雨が降っている。冷たい雨が。


私は春の日本に行くのだからと春もののジャケットと薄いシャツしか着てない。どう見ても間違った服の選択。さらに


嫁:「確か、折り畳み傘持ってたわよね?」
私:「おう、あるぞ。ただし、預け入れのスーツケースの中にな」


…役立たずと罵られる。だって、傘って機内持ち込み、できるの?


というわけで、傘が無い。冷たい雨が、僕の目の中に降る(続く)。