「中華タブ」と「中華スマホ」をゲットせよ(3=完)


その(1)その(2)の続きです。お読みでない方はまずそちらから。

 


というわけで、見たことも聞いたこともない中華スマホを買った私。基本悪くないんですよ。だけど、口さがない人私の友人は「個人情報抜かれてんじゃないの」とか「いつか爆発すんじゃないの」とかまったくなんの根拠のないことを言ってましたけどね。

 


実は今最後まで書き終わったんですが、通常の2.5倍の分量になりました。二分割しても良かったんだけどこれ以上このネタを引っ張るのもいかがなものかとまとめて掲載します。長いので途中で挫折される方もいらっしゃると思います。が、いろいろローラーコースター的展開ですので最後まで読んでいただければ嬉しいです。もし、途中で挫折された時のために、私の結論だけは最初に書かせていただきます。

 


シロートは中華スマホや中華サイトに手を出しちゃダメです。大変な思いをするだけです。

 


というわけで、長いですが気長におつきあいください。

 


私の今回の間違いはここから始まります。

 


あ、そーだ、同じスマホを買えばCさんのクリスマスプレゼントになるわ。

 


こんなことを思いついた私は激しく莫迦だった。アホだった。思慮深さが足りなかった。浅はかだった。

 


それは11月の半ば、デンマーク、そしてダブリンから戻ってきた時。まだクリスマスまで6週間もあるから今年は早めに準備をしようと、そうだ、同じスマホを買おうと決め即行動。

 


ここで私のいらぬ莫迦の浅はかな知恵が発動する。「そうだ、熱帯雨林以外にもっと安いサイトがあるんじゃね?」

 


ご存じの方も多いかと思いますが、熱帯雨林は必ずしも一番安いとは限らない。もっと言っちゃえば、もう少し安いところは探せばかなりの確率で出てくる。どうもサイトの戦略としては最安を狙うのではなく、2番目くらいを狙っているらしいのね(要出典です)。

 


かくして、型番からグーグル大先生に問い合わせてみると、出てきました。変なサイトが。

 


通貨設定が米ドルになっていたので一瞬アメリカのサイトかと思いきや、よく読むと、商品の配送元が中国になっている。さらによく見ると、良く言えばユニークな品揃え、悪く言えば、海の物とも山の物ともつかぬ怪しい商品が並んでいる。あの上海ですら怪しい店にしか売ってなかったWindowsとアンドロイドのデュアルブート可能なタブレットもしっかり売っている。はい、紛うことなく怪しい中国サイトです。

 


まあ、怪しさという意味では価格面でも一歩抜きん出ている。熱帯雨林より2割ほど安い値段で、かつ、中国からの配送料も無料。一抹の不安を感じつつ、買うことにする。

 


この時に、他にもケータイのアクセサリーなど他にもこまごまとしたものを「ついでに」と購入。購入ボタンをポチッ。こうして、賽の目は投げられた…というのは大げさながら、一連の騒動は始まった。

 


ポチったあとに気がつく私もたいがいなのだが、あれ、値段がおかしくね?と気がつく。サイトによると、スマホそのものの値段はUSD113.99だったのにUSD138.98が課金されている。おいおいおい、だったら熱帯雨林で買っても変わらなかったじゃねえか。

 


一瞬もしかドイツのVAT(付加価値税)が課金されたのかと思ったらそんなことはサイトのどこにも書いていない。正直未だに原因不明。今サイト上で配送先をドイツに変えてみたけど価格に変化はなし。なのでVATではなさそう。何かしらの理由をご存じの方はぜひ教えていただきたいのですが、まあ、話を続けます。サイトのサポセンにメール。これが11月18日のことでした。

 


翌日、サポセンから返事が来る。おお、早い。

 


サポセン:「値段は現在正しく表示されております」

 


私の返事:「表示されてませんが?」

 


週末を挟んで翌週サポセンの返事:「ウェブブラウザのキャッシュをクリアしてもう一度お試しください。あるいは別のブラウザにてアクセスしてください」

 


…この時点でああ、こいつらアホだわと気がつく。まあ、相手が気を悪くしても悪いので、噛み砕いて状況を説明。貴サイトのこのページ(リンク付き)ではUSD113.99だったのに、私の請求書にはUSD138.98と書かれてありますよと。言うまでもないことですが、ちゃんとした(当社基準による)ビジネス英語で書いてますよ。

 


3日返事こず。一方で、「出荷しました」というテンプレメールが来る。なんでも、またオランダ郵便で送ったって。なんですか、怪しい中国サイトとオランダ郵便には何かしら怪しい関係があるんですかね。とりあえず返事を催促。

 

(「発送した」という証拠写真らしい)

 


で、これみよがしに「発送した」という袋の証拠写真を送ってきやがった。…余計怪しいっての。

 


それから4日後返事が来る。お返事が遅れて申し訳ありませんうんぬんというもう誰がどう見ても間違いないテンプレ文に続いて…

 


サポセン:「領収書を添付しましたのでご確認ください」

 


件の領収書には高い金額が記載されている。…あのー、あなた、私のクレームを理解されてますか?値段がおかしいと言ってるのに、その間違った(と思われる)領収書を再び送りつけてきて何がしたいんですか?

 


アホらしいと思いつつ、1週間前とほぼ同内容のメールをさらに噛み砕いた文にして返信。

 


そして、この時点で私はこのアホなサポセンに見切りをつけた。同時進行でPaypalに苦情の申し立てをする。あまりEbayなどのサイトを使わない私、Paypalもあまり使っていない。なので、今までトラブルになったことは一度もなく今回初めての苦情の申し立てになった。

 


3日後、12月3日にサポセンよりお返事。このお返事はそのまま転載。

 


Thank you for placing your order with us. (テンプレですね。ありがとうございます)
We are so sorry for the unusual delay reply. (テンプレその2)
We wish to apologize for any inconvenience.(さらにテンプレ3文め)
We will refund you the difference.Please kindly close your claim first.If you open a case ,we can not operate your order.
Thank you for your patience. (締めももちろんテンプレで)
Best Regards

 


唯一テンプレじゃないと思われる部分、何度も読み返したが意味がわからない。文法的には間違ってないけど全体として意味をなしてないというか。だってさ、常識で考えてクレームを取り下げる時って問題が解決した時だよね。要約すると「返金してやるからクレームを取り下げろ」って書いてあるんだよね。何言ってんだ。返金が確認されるまで取り下げません。冗談じゃない…という内容を丁寧に書く。「返金額、返金方法、返金の日付をお知らせください。確認次第クレームを取り下げます」と。

 


12月5日。「発送しました」のお知らせから実に2週間後、オランダ郵便のサイトに「集配センターに到着」と出る。ああ、どんな手段を使ったかは知らんけど、とりあえずオランダまでは着いたのね。

 


12月8日。サポセンよりお返事。テンプレの後に…

 


サポセン:「返金額は170.17ドルです。返金方法はPaypalです。返金はPaypalの苦情申し立てを取り下げ次第行います」

 


ここで合点がいった。クレームってこのサイト上でのじゃなくて、Paypal上での苦情申立のことだったんだ。Paypalで苦情を申し立てたことがこっちにも伝わってたのね。

 


知らなかった私も非難されてしかるべきだけど、Paypalに苦情申し立てをしたら、Paypalのサイト内のシステムで販売者とやり取りすべきらしいのね。それを知らなかった私はずっと怪しい中華サイト上でやり取りを続けていたことになる。ちなみに、この事実に気がついたのはもうちょっと後。なので、怪しい中華サイト上でさらにお返事。

 


ってかさ、それ以前にサポセンの返事を二度見した。なんで差額返金の要望が全額返金にすり替わってるの?もういろいろアホすぎて…。

 


私の返信:「返金が確認されましたら、喜んでPaypalの苦情申立を取り下げます」

 


私もタヌキです。敢えて金額は書かないでおいた。翌日、怪しい中華サイトからのお返事。これも私の困惑を理解していただくために転載。

 


Thank you for your order on (ホニャララ).com.
We are sorry i amde a mistake.The total refund is 19.17usd as we have shipped your partial order out.If you dont want to close the case,please kindly wait paypal refund you.The exact refund time are all depends on paypal.We really can not admin your order if you open a case.
Thank you for understanding and patience.The ticket will be closed first.If any problems,please feel free to contact us.
Best Regards

 


…とりあえずスペルチェッカー使おうよ、主語がweとIでブレてるよ…というのはまあいいとして、138.98-113.99で私の求めていた返金されるべき差額はUSD24.99。それがどんな魔法を使ったらUSD19.17になるんだ?その鍵となるのはこの一文。“we have shipped your partial order”…微妙に英語がおかしいけどよーするに「部分的に配送した」って言いたいんだよね。…ってそんなこと初耳なんですが。そうだとしても、このUSD19.17ってどこから来たの?

 


さすがの私ももうさじを投げた。このサポセンとやり取りをしていても埒があかんわ。これ以降この北半球一使えないサポセン(当社調べ)とは一切やり取りをしていない。

 


12月8日。オランダ郵便のサイトの荷物の追跡。「荷物は配送先の国にて処理中です」

 


翌日にさらにアップデート。8日に遡って…

 


「配送先の国にて通関手続中です」

 


…なんですと?

 


今までさ、日本からいろんな荷物を送ってもらったりしたけど、税関に引っかかったのは今回が初めて。それは発送元が中国だったからか、配送先がドイツだったからか、あるいはその両方か…不明。で、グーグル大先生に聞いてみると、出てくる出てくるヒサンな体験談が。4週間くらい通関にかかったとか。さらに、「150ユーロ以上の商品は関税が課せられる可能性があります」って。がーん、スマホそのものは150ユーロしなかったのに、その他もろもろで150ユーロ超えてるぞ。ってことは、関税が課せられる可能性があるってことですか?

 


クリスマスまであと2週間。この日以降、「通関中」が何日も続く。差額返金とかいう話じゃなくて商品そのものがクリスマスまでにつかない可能性が出てきたぞ。うーむ。

 


数日後。Paypalより自動メール。「12月20日までにアップデートがなかった場合は問題は解決したものとみなします」とりあえず、差額が返金されるかどうかぎりぎりまで待ってみよう。

 


12月20日。Paypalに指定された返信期限ギリギリまで2週間近く待ってみたが返金なし。Paypalに正式な苦情を申し込む(英語で言うと”dispute”から”claim”になった)。この時点で、Paypalから、「調査の上返信します」という自動メールが届く。…って、今まで調査してくれてなかったんかい。

 


これも今回知ったことなのだが、上でちょっと書いたとおり、Paypalのサイトで苦情を申し立てたら、販売者とのやりとりをPaypal上でやるべきらしいのね。で、そのやりとりで解決しなかった場合のみPaypalが関与するというわけ。これ、Paypal裁判と呼んでいるサイトもある模様(リンク先、Paypal上でのクレームの仕方を綺麗にまとめられているので、Paypal上のやり取りでお困りでここにたどり着いた方は参考にされるといいと思います)。

 


Paypal裁判はさておき、12月21日の時点で商品は未だドイツの税関に止められたまま。もう諦めた。間に合わん。Cさんに聞いてみた。なんか欲しいものあるかって。すると、とんでもない返事が来た。

 


Cさん:「掃除機がほしい」

 


はぁ?

 


なんでもいちいち地下室から2階まで重い掃除機を持ってくるのが大変なんだと。確かにうちの掃除機、たぶん20年選手とかそんな感じの年季の入った掃除機で、半端なく重い。だからといってそんなものをクリスマスに欲しがるCさんも正直に言って意味不明だが…もういいや、買いましょう。揉めてる時間がない。悩んだけどお急ぎ便ではなく通常便で24日の午前に到着することを信じて注文。

 


もしかすると、熱帯雨林の血液型はB型なのかもしれない。その気になると急に本気をだすという。21日の朝10時に注文した掃除機は午後8時に「発送しました。到着予定は24日です」というメールが届く。

 

 


そして翌朝には件の掃除機は届いていた。

 

 


なんだ、この彼我の差は…。そりゃ税関でひっかかったことは怪しい中華サイトが悪いんじゃない。だけどさ、値段がおかしいだなんだと大揉めして果ては1ヶ月以上商品が届かないサイトと、注文した商品が24時間を待たずして届くサイト、多少の値段の差があったとしてもどちらを使うほうがいいかは自明の理かと。

 


そして、掃除機が着いた翌朝、つまり23日の朝、再び郵便が届く。

 

 


…なんですと?

 




(画像クリックで拡大の無駄機能つき)

 



オランダ郵便のサイトを見ると未だに「通関手続中」のまま。なのに、手許には注文した商品が。どーゆーこんや。これ?

 


よくよく袋を見ると、税関で開封されたあとがある。中を確認してみると、とりあえずスマホとそのカバー…つまり必要としていたふたつのものがちゃんと入っている。…が、「おまけ」で注文したものは一切入っていない。ああ、これが「部分的に発送」の意味だったのね(実はそれでも計算は合わないのだがもう追求しまい。永遠の謎)。そして、返金額USD19.17ってその届かなかった「おまけ」の部分の返金だったのね…と合点がいくと同時に腹がたった。私の要求していたUSD24.99の話とは一切関係のない部分じゃねえか。ちなみにスマホそのものの箱も開封された形跡があった。が、幸いにも関税を払えとかいう不幸の手紙は同封されていなかった。

 


そして、24日にPaypalよりメール。…クリスマスイブにまでお仕事されているのね。ご苦労さまです。

 


「販売者より、荷物の追跡番号が連絡されました。ご連絡のみですのでお客様が何か行動を起こす必要はありません。もし荷物が届いた場合はクレームを取り下げることができます」

 


はぁ。荷物は確かに届きました。但し全部じゃありません。それに、荷物が着いたかどうかが問題じゃなくて、値段がおかしいのが問題ですので。というわけで放置。ちなみになんですけど、Paypalの異議申し立てやクレームは一度取り下げると二度と受理してもらえません。なので、取り下げはことが解決したうえで慎重に行う必要があります。

 


…というお話でした。現状はここまでです。差額の返金も、残りの商品の配送もまだですので(まあ別便で発送された可能性は限りなく低いと思う)、未だ問題は解決してません。

 


うわ、書くのに2時間かかったぞ。きっと読んでくださった方も時間がかかったと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


大事なことなので、最後にもう一度言わせてください。

 


シロートは中華スマホや中華サイトに手を出しちゃダメです。大変な思いをするだけです。