ドイツ国鉄3回乗り換えフランクフルト空港行き

久々にダブリンです。ダブリンに行くなんて日常の延長にすぎないのですが、それでもたまにある変化はいいものです。しかも今回、行きと帰りで経由地が全く違うというパターン。行きはフランクフルト経由で帰りはコペンハーゲン経由。しかも、フランクフルトまでは陸路と来たもんだ。何度も使ったことのある旅程ですが、それでも鉄道には旅情があります。というわけで、ついでだからにわか鉄道マニアになって道中を紹介しようというのが本日のネタ。


まず。


うちの近所の地元駅。写真から溢れだす田舎臭は本物です。実は書いている自分もよくわかっていないのですが、列車の右に写っている腕木式信号機は日本ではほぼ見られないような年代物のはず。往来の少ないドイツの地方路線ではこんなもんでも列車がさばけるらしい。


このディーゼル車両、面白みも何もない車両です。私が知るかぎりドイツの地方の非電化区間の列車はこればっか。いちおうバリアフリーに配慮されていてホームとの段差はなくなっていますが、そのかわり、車内に2段ほどの段差があります。


窓と座席の位置があっていないことが気になるのは日本人ならではのような気がします。写真右の二人がけの席に至っては窓がない…。


乗換駅。ね?塗色は違えど同じ列車ばっかでしょ。しかも51番線の隣は72番線という謎仕様。


で、ここからは電化された区間。メトロノームという電車。…すまん、にわかマニアなので自信がないのですが、機関車で引っ張られるのも機関車が架線から電気を供給されている限り電車でいいんだよね。多分だけど、1時間に1本のパターンダイヤになっているからメトロノームという名前がつけられたんだと思う。


このメトロノーム。最近のドイツで…いやイギリスほかでも流行りの「上下分離方式」で運行されている模様。なにそれって、詳しくはWikiでも見てもらうとして、一言で言えば、下=線路はドイツ国鉄が管理して、上=列車はその線路を借りて私鉄が運行するというもの。乗る側からするとそんなことを意識する必要はまったくない。ドイツ国鉄発行の乗車券類(日本人観光客がよく使うジャーマンレイルパスなど)、普通に使えますから。ただ、最近ドイツ国鉄の一部労組がストライキを頻発している中でこの「私鉄」はストライキ決行中のドイツ国鉄を横目に普通に運行されるというおもわぬ効用があったりする。


そして、2階建て車両。なぜか日本ではグリーン車なる上級車両になる2階建て、ヨーロッパでは単なる詰め込み型車両。実際乗ってみると天井は低く網棚の設置もなく多分だけど車幅もすぼまっている分座席も狭い。なんでこんなもんを日本では有り難かってグリーン車にしているのか全く謎。私の見立てでは1階席よりも2階席のほうが人気が高い。そりゃそうだ。1階席は薄暗いのに比べて、天気が良ければ2階席は太陽が燦々と射しこんでいる(つまり…真夏は…ね?)。私は中途半端に混んでいそうな感じだったら1階席、そうでもなければ2階席を利用。ちなみに、1階席はホームの高さより低い。そうなると小沢昭一氏的な男性が何かを期待するのだが、そのような期待はあきらかに期待はずれに終わる。べ、別に私はそれを確認したわけじゃないけんね。


乗換駅その2。ここからはICE、日本的に言えば新幹線。5分遅れのアナウンス。5分遅れなどいつものことで誰も気にしていない…と思ったのだが、運転士さん、本気の回復運転をしていて東京の地下鉄かってくらいの勢いでホームに突っ込んできた。写真を撮り損ねる。


ICE車内。中途半端に混んでいる。どーせ一人だしさほど混んでいないだろうと踏んで座席指定料金(€4)をケチったのだが、失敗だったかも。前の人に続いて車内を歩いていたら空席が1席だけある。あ、前の人(たぶん中国人)運が良かったね(そして不運だったね、俺)と思ったら、前の人、その空席の上の予約表示を見て通りすぎてしまった。


この予約表示、座席の上にあって、岡山=博多…みたいな感じで予約区間が明示されている。それ以外では座って問題なし。今回私はその手前で降りるので(例えて言えば東京発博多行きの新幹線で、上記の区間が予約されていて、乗ったのが名古屋=新大阪という感じ)この席にさっさと陣取る。というわけで、ドイツの新幹線に予約なしで乗る場合は、実は運転区間の大まかな地図が頭に入っていたほうが有利な可能性があったりする。とりあえず運が良かった。

(この作業車、何やってんだろうね)


途中駅。ここから在来線区間へ。ここまでは新幹線専用の線路を250キロ超で疾走してくるのだが、ここからはカーブが続く在来線区間へ。乗り心地もスピードも一気に落ちる。


乗換駅その3。もうフランクフルト空港は目と鼻の先(まあ、ボカさず書けばフランクフルト中央駅なんだけどさ)。ここの地下ホームからS-Bahn(近郊列車)に乗って空港へ。


おっ。ついにこの路線も新型車両導入の模様。


10分ちょいでフランクフルト空港着。預入の荷物、優先カウンターへ行っても良かったのだが、このカウンターがターミナルの果てにあるので歩くのを厭って通常のカウンターへ。なんと…


…荷物の預入すら自動化されている。


これは私が最新事情を知らないだけですか。少なくとも私は初めて見たぞ。しばらくフランクフルトに来ないうちにいろいろ変化があるなあ。


と思っていたら、保安検査もついに全身スキャナが導入されていた(保安検査場は撮影禁止ですからもちろん写真はありません)。えええと正直思った。だって、これ、体の線がモロに出るんでしょ(わかりやすく言えば、服を着たまま全裸写真を撮られるような)。恥ずかしがるような体か…とか言わないでほしい。むしろ、自分に自信がないから嫌なんだってば。ただ、職員の画面には、一般化された(つまり個人の体とは無関係の)デフォルメされた体が写っているだけだった。…まあ、どっか裏方で嗤っている嫌な職員がいないとは言い切れないのだが。


ダブリンまでのA321は完全に、はい、1席すら残らず満席。最後に関係者がジャンプシート(乗務員用の席)に座ると言いながら乗ってきたが、最後の乗客用の席に収まった模様。


…そうしてダブリンに到着。1時間に1本しか無いバスをちょうど逃したので…


…いや、ギネス飲めよ…というツッコミは甘んじて受けます。