ドイツで車を買うまで(1)

ドイツで車を買うまでの話です。さて、どこから始めようか…。


ドイツで登録ができなくて泣く泣く手放したにんじん号。その後継車が必要。いや、そもそも必要なのか…というお話。Moscowで言うと、どー考えてもWなんだよねえ。
なにそれって。
ここ見てきてもらえばいいんだけど、よーするに「どれくらい必要か」を考えるときにMoSCoWのMustかShouldかCouldかWouldかで考えると。


I must have itが一番強くて
I should have it
I could have it
I would have itが一番弱いと。


もし、英語の勉強をしている人がいたらこれ便利かなあと思ってちょっと書いてみました…と話が早々と脱線している。


で、まあ、車の必要性は「絶対」必要どころか、「あったらいいな」レベルなのね。


この話をするためには、ドイツのうちの家庭の事情を暴露する必要がある。うち、Cさんの両親と日本的に言えば「二世帯同居住宅」に住んでいるわけ。まあ、家の1階と2階で別の世帯になってるという感じの理解でいいです。で、おとんとおかんが車を一台持ってるの。


これがさあ、私が自分の車であたふたしている時を同じくして買い替えの話が出てきて、おとんの趣味その他の事情により車は先代からステーションワゴンで、今回もステーションワゴンにしようと。
で、私はネットからがんがんカタログをダウンロードして、いろいろ調べ始める。当たり前の話、高いんだわ。車って。こと新車って。


2万ユーロ以内に収まるくらい…というのがなんとなくの予算になり、その中で探してたら、ひとつの事実に気がついた。というのは、ドイツでは車の価格って三ランクに分けられるなと。


具体的にはランク1がドイツ車。VW(フォルクスワーゲン)とかBMWとか。もちろん、BMWのほうがVWよりはるかに高いのだが、VWですら、手が届かないような価格なのよ。ここを「ランク1」とする。


で、お次のランク2が、ヨーロッパの各社、シトロエンでもFIATでもなんでもいい。ヨーロッパの自動車会社。そして、日本車。ここはまあ、頑張れば手が届く感じ。


そして最後のランク3が、東欧や韓国。DaciaとかHyundaiとかそのあたり。価格はすごく魅力的に見える。


とりあえず、おとんとおかんの車、ランク1のVWはもう予算的に圏外。とすると、ランク2のトヨタのアベンシスScodaのOktaviaあたりが落とし所になるかなあと。


ところが。ランク3からとんでもないダークホースが出てきたのよ。KIAのCee’d Sportswagon。正直びっくりした。同じ値段でも内装の充実具合とかがぜんぜん違うのよ。例えばアベンシスでは後部座席の窓がパワーウィンドウじゃないのに対し、同じ価格帯のCee’dではパワーウィンドウなのはおろか、オートエアコンだの何だのフル装備。


それだけでもどうもおとんの心はぐらぐら来ていたようなのだが、そこに殺し文句が来たのである。


7年10万キロ保証。


他の車って3年で20000キロ保証とかが多い中で、7年10万キロってのはあまりに思い切った数字なのよ。「おお、そんだけ保証してくれるならきっと自信があっていい車に違いない」ということにおとんの中ではなったらしい。世の中を斜に構えてしか見られない素直さのない私には「そこまでしないと売れないのかよ」としか思えないのだが。


…今、過去日記を見なおしたら、ここまではすでに書いていたね。その続きですわ。


もっと正直に書いてしまえば私にとってKIAってろくなイメージがないのよ。過去の日記のどこかで書いた記憶があるのだが、以前ね、ダブリンでRAV4で通勤していた頃、夕方のラッシュ時に道路のど真ん中で故障していた車があったの。それがKIAの軽自動車みたいな車だったの。何を血迷ったか私は車を止めてお手伝いをしたのよ。とりあえず通行のじゃまだからせめて路側帯に車を持って行きましょうと。


エンジンがかからないという話だったから、押すしかない。で、後ろから(まあ私も悪いんだけど)、バンパーの上あたりを押したらさ、そこがぼこって凹んだ。私の目は点になった。うわ、やべえと思って、でも、押さない訳にはいかないから、バンパーを押して車をちょっと移動させたんだけど、その凹んだ部分、ぼこっと元に戻って何事もなかったことになった。


待て待て、軽く押しただけでこんだけ凹むボディって、事故を起こしたらこの車はいったいどーなるんだ…というのが私とKIAの出会いだったりするわけです。まあ、高度成長期あたりのホンダの軽とかも似たようなもんだったとかいう話もあるし、それだってもう10年くらい前の話だから、それからKIAの車の性能も飛躍的に上がった…という可能性はあるんですけどね。


まあ、そんな経験も踏まえてたぶんKiaは最善の選択じゃないよ…ということを意見して、私は車を売りにダブリンへ。帰ってくると…すでにKIAを契約していた…。


で、数週間して納車された車…うん。決して、悪く、ない。中も広そうだし。でも、まだ乗ったことはないのだ。ちょっと外から眺めただけで。どうもエンジンが致命的に力不足らしいのだがドイツのアウトバーンで問題なく走れるのだろうか。まあ、おとん、近所しか走らないし、高速の性能なんて求めてなさそうだけど。


(続く)