「サラダ記念日」より人を褒めることの大切さを切々と説く日記

この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日


私が高校生だった頃だったか。俵万智さんの「サラダ記念日」という句集が有名になり、私もこの句集を読んだ覚えがあります。…と言っても当時相当な数読んでいた本の一冊として読み流したに過ぎませんけど。


短歌に嗜むような高尚な脳ミソは持ちあわせてませんが(あ、その程度の人でも読める句集だったから人気になったのかな)、これ、女性がさ、お付き合いしてるか結婚してるか知らんが相手の男性に作った料理を褒められてわーい…ってなってる句ですよね。素直に読めば。


当時から20年近く経ってこの句を思い返してたった今気がついたんですけど、サラダ記念日ってなんじゃい?サラダももちろん工夫すれば美味しいものができる。野菜の切り方とかを工夫して美味しそうに盛りつけてみたり、ドレッシングだって腕の見せどころ。


だけどさあ、相手の男性、サラダをメインに出されてほんとうに嬉しかったのか?本当はカレーか肉じゃがをガッツリ食べたかったんじゃないのか?カレーや肉じゃがしかぱっと浮かんでこないあたりに私の貧困なる発想力が透けて見えるのですが、まあ、どっちかというと、「七月六日は肉じゃが記念日」のほうがしっくり来るというか。とはいえ、句集が「肉じゃが記念日」というタイトルだったらあんなに売れてなかったのかもしれませんが。


いや、別に私は俵万智さんにケンカを売りに来たわけじゃないんですわ。じゃあ何が言いたいかというと、「褒められて嬉しい」というところに素直に注目するとですね、料理を作ってもらった側としては褒める…褒めるというのが上から目線だというなら感謝するってことが大事だと思うんですわ。ほら、ここに来て、どこに話が向かおうとしてるか見えてきたでしょ。ちなみに私は最近PHP文庫の本を読んだとかいう訳じゃないです。


そんなわけで、このスープ。けっこう美味しかったの。豆がいっぱい入ってて味はちゃんとまとまってて。これはもう感謝の意を表して褒めるしかない。そうすれば、「七月六日はスープ記念日」になるかもしれないじゃないか。「何惚気けてんだバカヤロー」とかモニターに向かってお怒りの方、大丈夫。オチはある。オチもなくてこんなこと私が書くわけないでしょ。


Cさん:「美味しかった?他のスープとかと比べてどうだった?」
わし:「あー、正直この前のはあんまり好きじゃなかったけど、今度のは完璧。文句のつけようがない。これはどーやって作ったの?」


…たぶんもうオチは読めているだろうが、続けさせてくれ。


Cさん:「これ、缶詰のスープ」


ずーん。


私。やっちゃいましたか。そう、あんまり好きじゃないと言ってしまったのは手作りだった模様。…下手に褒めるという無謀な行為は避けたほうがいいと痛感しました。


缶詰がいいねと君が言ったから 今日から私は料理やめます (字余り)