【更新強化月間】イナカの村

私が住んでいる、ドイツ北部の某村。イナカなんです。そりゃもうイナカなんです。どれくらいイナカかというと、村。人口が4桁を大幅に下回っています。ただ、「村」というより、日本で言えば、「地区」または「大字」単位なんですけどね。


で、この村の中でお金を使おうとすると、けっこうな努力が求められるんです。村の中にたった一軒、民宿兼パブ…というのがあるんですが、うちの反対側の村外れにあること、パーティーなどの団体さん以外にお客さんを見負けることがほとんどないなどで、私も知人の結婚式で一度行ったっきり。他には、タバコの自動販売機が件のパブの前と、もうひとつ。


以上。


はい。これ以外にお金を使える要素のある店とかはないんです。以前、村唯一のバス停の前に公衆電話がありましたがいつの間にか撤去されてましたし、以前、20セントか50セントを入れるガチャガチャもあったのですが、これも消えてなくなってました。


この話、また別の機会にしようと思うんですが、都会への一極集中は日本だけの問題じゃなく、たぶん世界中どこでもなんだと思います。この村だって、若い人はたいがいハンブルグだベルリンだに出て行ってしまってますし、以前は村にも郵便局やスーパー(個人商店レベルだったんだろうけど)があったらしいのですが、なくなってます。


かくして、お金を使いたかったら、最低でも車に乗って近所の町まで出かける必要があるんです。ところが、この近所の町だって、村に毛が生えた程度です。それでも銀行だとかスーパーだとか、生活に最低限必要なものはなんとなく揃っているのですが。


昨日、いつも行く酒屋さんにビールを買いに行ったんです。ひとりで。そしたら店員のおばちゃんに言われましたよ。


店員:「あら、今日は一人なの?(ニコニコ)」


…しっかり顔を覚えられています。ガイジンなんて珍しいし、アジア系はどーみても俺しかいないもんなあ(実はもうひとりいるらしいのですが、見かけたことがありません)。多分、自分が知らないだけで私の情報は村じゅうに行き渡っているような気がします。