袖触れ合うも…いろんな人と出会ったドイツまでの移動(下)

で、これを書いているのが、コペンハーゲンの空港。なんかさあ、2ヶ月ほど前にまっきーが酷い目にあったらしいのね。三行でまとめると…


コペンハーゲン寒波でヒコーキ遅れる。
乗り継ぎに失敗して乗り継ぎカウンターに半日並ぶ。
3/4日並んだあと奇跡が起こって順番が狂ってようやく搭乗券を手に入れる。


というお話。とりあえず読んできてください。カスタマーサービスとはなんぞやということを考えるのに最適な名ブログだと思う。残念ながら、これ読んだらスカンジナビア航空で飛ぼうなんて気はさらさらなくなりますから。まあ、悪天候という非常に運の悪い状況だったとはいえ、そんな時にこそ航空会社の真価って試される気がする。とりあえずさあ、どんなに酷い状況だったとしても、カウンターにお客を一昼夜並ばせるっておかしいし、許されることじゃないと言い切っても反論は出ないよね。


暇人と言われるとその通りとしか申し上げようがないですが、まっきーが3/4日を過ごした乗り換えカウンターに行ってみました。まあ、誰もいなくて平和。整理券をとった人、その瞬間に呼び出されてました。


まっきーのブログを読み、また、本人から話を聞いた限りでは、スカンジナビア航空(の少なくとも地上ハンドリング)はカス以下だわ。あ、じゃあ、機内ではすごいかというと…ごにょごにょごにょ…(これ以上書くと明らかに営業妨害だから自重するが、上のまっきーのブログを読んできてくださればわかるかと)。


ついでだから、次のフライトまで書いとくか。次のフライトの搭乗時刻が出発時刻の20分前に設定されていたので、ラウンジを25分前に出ることにする。ノートパソコンを閉じていざ出発しようと思っていると、館内放送。


(英語で)「ハノーヴァーにご出発の(言いづらそうに)…さぁーん、C4番ゲートまでお越しくださぁい」


…えええ、どう考えてもそんなに遅くないだろう。まだ搭乗時刻にすらなってないぞ。ってか館内放送で呼ばれるなんて、恥だ。


ラウンジの入り口の係りの人に「今呼ばれた…です」と言ったが、まあ、案の定「あっそう」という反応。いや、何を期待したかというと、数年前の羽田空港でのANAの対応。


この話すると情けないし、恥を忍んで告白するのだが、羽田空港で保安検査場を通過した後、○分行きはいっつもターミナルの端っこの搭乗口からなのね(まあ、地方線で冷遇されてるわけ)。そういう思い込みからターミナルの端っこまで歩き始めたの。


で、端っこまで歩いて気がついた。確かに○分行きはターミナルの端っこからの出発だった。ただし、反対の端の。何を血迷ったか搭乗口をろくずっぽ確認せずに羽田空港のターミナルの反対の端まで来てたわけ。


いや、こうやって書くと、何を血迷ったのかさっぱりわからない。だけど、人間ってこんなありえないミスを時として起こすものじゃないだろうか…と無理やり自己を正当化してみる。


ふと気がつくとすでに搭乗時間になっているじゃあないか。やばい、戻らなきゃと思って走り始める。と、情けないことに、道半ばで館内放送がかかった。


「ANAなんとか便で○分にご出発の…様、搭乗口XX番までお越しください」


この時私は思いついた。目の前にあった別のANAの搭乗口のなにやら業務をしている係りの方に…


私:「すいませーん。今放送のかかった○分に行くものでっす。今全速力で走って向かっているので、申し訳ないですが、向こうのゲートに連絡してくださいますか」


とお願いしたの。少なくとも「行方不明」よりも「搭乗口に向かって走っている」のほうが下に書いているような理由もあってANAにとってもマシなのではないかと考えたわけね。するとさ、その別の搭乗口の係員の方、すぐさま向こうの搭乗口に連絡してくださると請け負ってくださった。


そして、本気で走りましたよー。しばらくすると、向こうからANAの地上係員のお姉さんが走りながらやってきて…


係:「○分行きの…さま、いらっしゃいませんかー」


と私を探しているではないか。私はこの瞬間本気で申し訳なくなった。ANAの地上係員の皆様、読んじゃいないだろうけど、あの時は本当にごめんなさい。そして、ありがとうございました。


んで、まあ、そのあとその迎えに来てくださった地上職員さんともどもターミナル内を走って定時運行の妨げになることは避けることができたのですが、どうも別の搭乗口からちゃんと連絡は行っていたらしい。地上係員同士の横の連絡がしっかりしているようだし、思えば、日本だけじゃないかな。地上係員さんがターミナル内を走ってまで客を探してるのって。まあ、やりすぎという見方もできるけど、定時運行への執念すら感じます。まあ、JALもANAもそうやって世界でもトップクラスの定時運行率を誇っているわけでして、地上係員の皆様、きっと誇りを持って仕事をされているんだと思う。おつかれさまです。


翻ってコペンハーゲン空港。ラウンジの係りの人には「あっそう」という感じの反応を得て、そのまま搭乗口まで走りましたよ。いつも通り(上に書いたように、その思い込みが危ないのだが)ハノーヴァー行きの搭乗口はラウンジのすぐ前でして、あっという間に搭乗口に到着。なんのこたーない、ちょうど搭乗時刻じゃないか。搭乗口にはSASのお姉さんが一人ぽつんといた。


私:「ごめんなさい。もうそんなに遅いとは思ってませんでした」
係:「いえいえ、まだもう一人行方不明の方いらっしゃいますから、あなたはそんなに悪くはないですよ(少しは悪いのね…ってそりゃそうだわな)。ラウンジにいらっしゃったんでしょう?たまにラウンジにいらっしゃるお客様、時間感覚がなくなる方がいらっしゃるのでラウンジ内で呼び出しをさせていただきました」


…あ、あの恥ずかしい館内放送は全館じゃなくて特定の場所だけだったのね。そりゃ不幸中の幸いだわ。


それから待つこと10分。結局件の行方不明の女性は現れず。もちろん羽田空港のように地上係員が空港内を走り回って行方不明の客を探すわけでもなく、ただぼーっと待ってるだけ。


思えばさ、この搭乗手続きをして現れない客って一番迷惑かも。お前が言うなと怒られそうですが、特に荷物の預け入れがあったとき、その客が現れないと一度搭載した荷物を貨物室から引っ張り出す必要がある。いまどき自爆テロとかいうやり方があるからそれにどれだけの実効力があるか謎ですが、預け入れの荷物に爆発物を仕掛けて自分はヒコーキに乗らない…という事態を想定してるわけですな。


件のコペンハーゲンの地上係員さん、バスの運転手さんに「来ないから諦めます」とデンマーク語で言ったかは定かではないが、バスの出発を指示。運転手さんがさあバスに乗り込もうとした瞬間にその行方不明の女性はやってきた。まさにタッチセーフ。

(元から50人乗りのヒコーキに2台もバスを出すから2台目はご覧の状況)


ハノーヴァー行きのヒコーキはCRJ200というこれまたなじみの薄いリージョナルジェット機。これまたスカンジナビア航空運行ではなく、Cimber Airという数年前に破産して復活した会社のヒコーキ。これに乗ってハノーヴァーへ。50人乗りの機内はほぼ満席だったものの、なぜか私の隣だけは空いていた。…というか、私が最後に乗ったので、「もうこの席には誰も来ないだろう。非常口座席2席を占有できてラッキー」と期待したほかの客が私の席にいたのだが、私を見たらどいてくれた。


搭乗口で私はスーツケースについて聞いた。このリージョナルジェット機のオーバーヘッドロッカー(頭上の棚いれ)は小さく、むしろハットラックといった趣。スーツケースなど冗談にも入らない。なので、通常はベビーカー同様、ヒコーキに乗るときに預けるわけ。降機の際に手荷物引渡し所ではなくヒコーキを降りた瞬間に返却することになるので別のタグが搭乗口でつけられる。で、搭乗口を通過する際にこっちから聞いたの。


私:「これ、預けたほうがいいかしら」
係:「うーん、いけると思いますよ。持ち込みで」


ああ、こりゃ空いているんだな。どっか空いてる席の下にでも入れろという意味だと理解して乗り込んでみたらほぼ満席だったしだい。仕方ないので、客室乗務員さんに荷物を預かってもらう。なんだか知らんが、迷惑かけっぱなしのアホ客だな。


その後機内では特に問題もなくハノーヴァーに到着。今はうちに帰る列車の中でこれを書いてます。ふぅ、3日分の分量の日記が一日で起こったぞ。なんだかいろいろ起こった日だったなあ。