ボノの真似をしたわけじゃないが…Grafton Streetでチャリティ募金をやってみた

12月のとある休日。Grafton Streetで募金活動をしている怪しい東洋人の目撃情報が寄せられました。


…それ、俺だ。


はい。ちょっとボランティア活動してきたんですよ。


いちおう書いておきますけど、アイルランドの公認のボランティア活動です。この日はね、15人ほどの合唱団と5人ほどの募金箱組の計20人ほどでチームを組みまして、ダブリン位置の目抜き通りGrafton Streetでクリスマスソングを歌い恵まれない人のためにお金を集めようという企画。基本的に、U2のボノとやってることは(目的まで)同じです。その規模と、大もとのチャリティ団体が別なだけで。


まあ、師走の、そして週末のGrafton Streetとなるとけっこうな人出です。そんな中、私は合唱団から50メートルくらい離れた路上で募金箱を持って立ちましたよー。


それにしても、です。


…これ、ただの業務用マヨネーズの空き容器に穴開けただけだろ。


幸いその非営利団体の上着を羽織っているのでいちおうボランティア活動をしていることはわかるけど、そうでもなければ、ただの挙動不審者。


こっちの募金活動、ほら、日本みたいに一列に並んで「ナントカにご協力お願いします」って叫ぶんじゃなくて、募金箱をね振って中のコインをがっちゃがっちゃさせるのが王道(と勝手に私は思っている)。


さあ、募金をしてくれるのは100人ひとりくらいだろうか。入れてくれる金額もホントにまちまち。目がテンになったとしか言いようがないのだが、お札、それも20ユーロ札を入れてくれた方もかなりいた。


かわいいコドモが親からもらったコインを握り締めて入れてくれたことが何回もあり、これはこれでこっちも心温まる。思わず中腰になりコドモの手の位置まで募金箱を下げたりして。


ホントにさあ、人によってまちまちなのよ。まるで悪いことをしているみたいにこっちの目を見ずに小走りでお札を放り込んで走り去っていく人、「お前はホントに正規のチャリティなのか」とごもっともな疑問をぶつけてくる人、寒い中大変ねとねぎらってくれる人、わずか数時間の経験だったが楽しかった。


そんななかでもとりわけ印象深かったのは、私に目線で捕まったおじさん。だんだん慣れてきた私は通行人を目線で捕まえるテクを覚える。つまり、「ちっ、目があっちゃった。仕方ねえ募金すっか」というのを狙ってるのね。


そんな私の目線にまんまとつかまった地元のおじさん、


おじさん:「お前、いい仕事してるなあ」


と笑いながら、ポケットの中の小銭を全部募金してくれた。


ええっと、いくら集まったかは公開していいという許可をもらってないので控えますけど、私がフツーに会社の机で仕事をするよりはるかに高い金額を募金していただきました。ただねえ、募金箱の中に入れられたお札、小銭に擦り合わされて、例外なくボロボロになってました。ほんとに使用可能なのか怪しいレベルに。


さっきもちょっと書きかけたけど、アイルランド人、気前がいいというか、こーゆー募金活動に協力的なのよねん。だってさあ、自分でボランティアしておいてこんなことを言うのも問題だけど、街頭で募金してる人たちって、ホントに正規の手続きを経て、そして、集まったお金がしかるべきところにいっているのかってわからないじゃないですか。実際、不心得なやつが募金のフリして詐欺をしているとかいう事件、聞きますよね。なので、私ならよほど素性がはっきりしていない限り、募金活動に協力したりしませんけどねえ。ただ、アイルランド人には明らかに助け合いの精神…ってあると思います。


そうそう、いろんなライバルが出現しました。100メートルも離れていないところにアンプ持込の歌手が現れてこっちのお客をごっそりかっさらっていったり、そうかと思ったら別の団体が犬を連れて募金活動をしたり。で、この犬がまたかわいかったんだ。仲間のボランティアメンバーと、冗談で、「バカヤロー、こっちは人間を助けるための募金をやってんだ。犬とどっちが大事なんでい」と言ったりもして笑った。


いずれにしても、楽しかったです。幸い天気も悪くなかったし。また機会があったらやってみたいです。