ドイツ式結婚行進曲2,013(1)ーBAでロンドン経由でドイツへ

このサイト、すっかりお忘れかもしれませんが、もう10年以上の歴史があり、「非礼賛アイルランド系サイト」としてやってきたのですが、ここ最近は車載動画とか明らかに路線が違ってきているというか。個人的には車載動画は撮るのも編集するのも楽しく完全にマイブームなんですけど、少なくとも読者さん(というかもはや視聴者さん)の希望ではないことは明らかでして。


そんな中、読者さんからメールをいただきまして。まあ、意訳ですけど


「ギネスを含めてアイルランドネタをやらんかい」


と。


というわけで、今日のお話はドイツの結婚式です。


メールを送ってきてくださった読者さんから鉄拳制裁を食らった気がしますがとりあえず続けます。


そうなのよ。結婚式。もう何度もドイツの結婚式には参加してるけど今回はちょっと違う。…と言っても自分のではもちろんなく、わしの彼女のお姉さんの結婚式。


この話が舞い込んできたのは3ヶ月前。3ヵ月後に結婚するという。まず思ったことは「できちゃったのか?」ということ。だってさあ、今日結婚しようと思い立っても、フツー3ヶ月じゃ無理でしょ。なんだかんだで結構な時間がかかりますよね。でも、そうじゃないらしい。


それからのいろいろは長くなりすぎるので中略。とにもかくにも8月の最後の木曜日、私はヒコーキに乗ったと。


8月の航空券は涙が出るくらい高かった。いつものルフトハンザはもう手が出る値段ではなかった。なので、今月2回のドイツは一度はKLMで、今回はBA(英国航空)という、かなり通常じゃないパターンになった。


いや、あのね、KLMでもBAでもいいんだけど、KLMではダブリンからアムステルダムまで(とその逆)、BAではダブリンからロンドンまで(とその逆)の区間がエアリンガス。まあ、どっかのRyanairに比べれば天国ですが、それでも…ねえ。


ダブリン空港の第2ターミナルに到着。エアリンガスとBAが混ざっている航空券のためにオンラインチェックインができず(注:その気になれば、エアリンガスとBAのサイトそれぞれでオンラインチェックインはできます)、空港のチェックインの機械で搭乗手続きをする。いきなり最初のロンドンまでの区間は選択の余地なく窓際でも通路際でもない中央席。もう最悪の気分。


搭乗まで30分ほどあったので、読者さんのご依頼を思い出し待合室のパブに直行。

ぷはー。


…ってギネス飲んだだけじゃねえか。


ここに至るまでにもちょっとあったんです。このパブがなぜか混んでて、自分のノートパソコンを広げて仕事を出来る場所がなかった。なので、8人くらいは座れそうな大きなテーブルを二人だけで使っていた初老の英国人男性と、関係がいまいち見えてこない私より若い女性の二人に話しかけた。


私:「すいませーん。このテーブルの(端っこの)この辺り、お借りしてもいいですか?」
男性:「いや、それっぽっちと言わず、半分使ってもいいよ。」
私:「いえいえ、これだけで充分ですから」
男性:「あなた一人なの?奥さんとか彼女とかいないの?」


…なんか立ち入ったことをずけずけと聞いてくる人ですが、私はこーゆー手合の人嫌いじゃない。決して悪意があって言ってるわけじゃないからね。しかも、出張だったりしたら、一人なの極めてフツーじゃん。


このおっちゃん、ただのおしゃべり。ウェイトレスさんがやってきても、


男性:「キミ、どこから来たの?」
係:「ブルガリアです」
男性:「ブルガリアはキミのような美しい女性ばっかりなのかね、がっはっはっ。おじさん、行きたくなっちゃうなー」


うん、連れの女性は彼女とかじゃないな。たぶん。まあ、こーゆーノリ、嫌いじゃないですけどね。


搭乗時刻になったので搭乗口へ行ってみた。あーあー、最悪だー、中央席だー。ぶつぶつ。ところが、機内に乗り込んでみると、通路際に乗っていたのはミニスカートの美脚の女性。


いやー、エアリンガスはいい会社だわ。


…と一気に機嫌のよくなる私。聞きしに勝るアホタレです。


まあ、それは半分冗談ですが、でも、自分の席に座るために一度立ち上がってもらったのですが、その時もすごく友好的に対応してくださいまして、私なんか単純莫迦ですから、そんなことで一気に機嫌がよくなるんですよね。


ロンドンまでのフライトは短く、商魂逞しく機内食や(買ってる人を見たことないけど)機内販売をしつつあっという間に着陸態勢にはいる。さあロンドンの市街地が見えてくるかという頃、スッチーさんがわけのわからん放送をするのだ。


ス:「本日ロンドンが最終目的地の方は、前方搭乗口よりお降りください。お乗り継ぎの方で、すでにお手荷物を最終目的地までお預けで、搭乗券をお持ちのお客様は、到着後、座席にお座りのままお待ちのうえ後部搭乗口よりバスにお乗り換えください。」


頭の上に???が3つ並ぶ私。数年前にターミナル5ができた時にターミナル5へは確かバスへの移動となった。でも、今、「ターミナル5をご利用の方は」という言い方はしなかった。「お乗換えの方は」と言った。どーゆーこと?私の場合、ターミナル1内での乗り換えなのにその乗り換え用のバスに乗れって?


そう、数年前までロンドン経由でもヒコーキを使っていたのだが、ここ最近は金色のカードにつられて完全にルフトハンザの人になっていたので、ヒースロー空港の最新事情を知らないのだ。


通りがかったスッチーさんを目で捕まえて聞いてみた。


ス:「ええ、お乗換えの方は、後部搭乗口よりバスでのお乗換えになります」
私:「たとえターミナル1内でも?」
ス:「はい、バスは各ターミナルへ停まりますので。大丈夫ですよ」


このホムペの主題:「アイルランド人の言う大丈夫ほど大丈夫じゃないものはない」


…ぶっちゃけ信用出来ないので、そうだ、機内誌になら情報が載っているに違いないと思うが…機内誌が、前のシートポケットに入ってない。隣の美脚の女性の席にも反対隣の席にも入ってない。使えねー。


ここで私は考えた。通常通り前方から降機した場合、長い通路を10分ほど歩いて、一度ターミナル1の非制限エリア(搭乗客でなくても立ち入りのできるエリア)に出て、ちょっと歩いて保安検査を受けて再び制限エリアに戻ることになるな。これをやると軽く30分はかかる。一方このバスでの移動は全く未知の世界。ただ、MCC(最低接続時間)が同じターミナル内なら60分に設定されていて、今回85分あって、かつ、定刻通りに着きそうだから時間に余裕がある。よし、このバスに乗ってみよう。


着陸寸前に機体を左右に揺らしつつ、エアリンガスのヒコーキはロンドン・ヒースローに着。定刻よりむしろ早い。そこから、ターミナル3と1を回りこんで反対側の駐機場に到着。8割方の客がわさわさと降りる。へえ、乗り換え客って意外と少ないんだなと感心しつつ、2割の客が後部の搭乗口よりバスに乗り換える。


(バス車内のこの表示版に何かしら案内が出るかと思ったら何も出なかった。情報がほしい時に”welcome”とか言われても、莫迦にされたくらいにしか思えない)

バスは何のアナウンスもないまま、ターミナル1の地上を走り始める。ずっと建物の下を走るので半地下のようで暗い。しかも、汚い。で、ターミナル1のビルを一方通行なので回りこむような形でちょうど反対側の端に到着。その間、何のアナウンスも説明もなし。


運転手:「はい、皆さん降りてくださーい」

は?各ターミナルに停まるんじゃなかったのか?と思いつつバスを降りると、そこはバスターミナルのようになっていて、ここから、各ターミナル行きのバスを待つようになっている。スッチーさん、あなた、バスが各ターミナルへ停まるような言い方をされてましたけど、私の単なる誤解でしょうか?

ターミナル1はもちろん同じ建物の中なので、バスに乗る必要はなく上の階に上がると再び保安検査がありそれを抜けると見慣れたスターアライアンスのラウンジがあるターミナル1の一角に出てきた。あら、結局こっちのほうが早かったわ。

思わぬ形で時間に余裕ができたので夕飯を食べることにする。そのまま目の前のパブへ。


私:「なんか重くなくて、あまり軽すぎない、かつ早く出てくるものってあるかしら?」


と聞いて出てきたのがこれ。

シーザーサラダ。


…なるほど。まあ、カロリー的には「重い」けど、バーガーとかに比べれば軽いし、所詮はサラダだから調理に時間もかからない。私の要求を満たすものだわ。


それにしても…

…このナイフは何?(そもそもこれをナイフと呼ぶかどうかすら謎)これで鶏肉を切るのは至難の業…というかムリ。だって、切ろうとしたら鶏肉がコスレタスの中に埋まっていくんだもん。ホントにテロリスト(だかハイジャッカー)なんて何千万かヘタしたら何億人に一人の割でしか客に紛れ込んでないはずなのに、それが悪さをするために善良な客がシーザーサラダを食べるのに苦労する…莫迦な世の中だと思います。正直言って。

そののち、ようやく搭乗口の番号が案内されたので行ってみると…なんのこたーない、さっきダブリンからのヒコーキから降りた場所のすぐ近所。

Hannover行きのヒコーキ、昔はBD(bmiブリティッシュミッドランド航空)の路線だったのに、BDがBAに統合されてBAによる運行になった(それでますます疎遠になった)。今回BAに乗って思ったのだが…BAのサービス、いいわ。

思いがけずフルーサービスでサンドイッチまで出て驚く私。


しかも、ルフトハンザの短距離線では出てこない、ウォッカやウィスキーなどが無料で出てくる。これは素朴に驚いた。これならBAに乗り換えてもいいかな…とか0.02秒くらい思わないでもなかったが、ダメダメ、ロンドン=ダブリン間がかなりの確率でエアリンガスになる。だったらルフトハンザのほうがいいや。

Hannover到着後、こんな美しいラッピング車両の最終電車で移動。


これ、つぶやいたーに書いたんだけどさ、たまに日本でも列車に落書き被害があって、その場合、落書きを消すのに列車を運休にしたりして、落書きのあった車両は外に出さないでしょ。最初はやり過ぎだって思ったけど、極めて正しい判断のような気がしてきた。そうやって毅然に対応してないと、しまいにゃこんな窓までべっとりスプレーをかけられた車両を使うハメになるわけで。落書きは許さないという毅然とした態度は大事だと思った次第。


というわけで、結婚式の話に辿り着くまでにいつもの2日分の量の日記になってしまった。次回より、結婚式の話です。他の車載動画などをはさみつつのんびり続く。