【2013冬日本帰省8】話題のB787に乗ってきたぜよ

木曜日、九州へ移動。飛びましたよ。福岡へ。話題の787で。


ここで言う「話題の」とは「新造機として話題の」787だったんです。予約したときは。ところが、飛ぶときは、「トラブル続きで話題の」787として。


一連の787のトラブル、おさらいしておきます。


まず、JALの787が1月7日にアメリカはボストンの空港の誘導路で発煙したのを筆頭に、燃料漏れなど、問題をたてつづけに起こした。この直後に私は787で福岡に飛びました。だけど、全便運行停止の引き金となった1月16日の高松空港でのバッテリー発煙による緊急着陸及び、脱出スライドでの緊急脱出の前。そうじゃなかったら私のフライトはキャンセルの憂き目に遭っていただろう。


おお。787だ(って数日前に北京でも見たし、フランクフルトでも見た気がするが…)


…でも乗る前に、まずは一休み。平日のビジネスマンがたくさんいるラウンジでビールを飲む。ちょっとねじれた優越感を感じる性格の悪い私(やーいやーい、お前ら仕事だから飲めないだろー。あー、昼間から飲む生はうまいっ)。ちなみにANAのラウンジ、おつまみ程度の食べ物しかないので、鯖の押し寿司(確か1000円くらいした)を階下のANA商事の売店で買う。ANAさん、ラウンジにちょっとした食べ物くらい置いてくれてもいいと思うのですが…。


乗った感想。


窓がでかい。


以上。


いや、国際線仕様なら、シートピッチの広さとか、トイレのウォシュレットとか、報告することはたくさんあったかもしれない。だけど、ANAの残念なお家芸、通常2-4-2のシートを3-3-3にする鬼仕様の詰め込み座席のせいで、シートに対する感動はなし。トイレにウォシュレットなんかついてなかったし。


昼下がりの便ということもあってか空いており、非常口座席を確保。快適。


機内サービス時、有料サービスを使うと特製バッチがもらえるとのことなので、熊本特産のなんとかジュース300円なりを頼む。


で、十数種類ある機種の中から引き当てたのは787。わーい。変なところで引きが強い私。スッチーさんが、このバッチを集めているかと尋ねられたので、ついと雑談が始まる。聞けば、まだ787にはそれほど乗務していない、短距離線では空気があまり乾燥していないことなどを感じる機会はないとのこと。


機内では、空いていた隣の席にカバンを置いて、その中にあったノートパソコンを使い日記の更新をする。すると、さっきのすっちーさんが戻ってきて…


すっちーさん:「ヒコーキがお好きなんですね」
私:「えっ、べ、別に、そんなに…えっと、あの、その」


しどろもどろになる私。


別に私はひでかすと違いヒコーキマニアじゃないの。ところが、スッチーさん、にっこりして私に言うのだ。


スッチーさん:「いえ、このおカバンを拝見して、ヒコーキがお好きとお見受けしました。」


…やっちゃった。


このカバン。以前オフ会と称してJALの工場見学に行った時、その勢いで買っちゃったもの(バーゲン品しか買わない私にはありえないほどの高いカバンだった)。見ての通り、ヒコーキのシートベルトがそのまま使われているシロモノ。うん、こんなもん持ってたら、そりゃ言い訳できんな。


スッチーさん:「こちら、お持ちしました。よろしければお持ち帰りください」


といただいたもの。


ステッカー。


わーいわーい…って喜んでいるところからして変人なのか。ANAのすっちーさん、ご親切にしていただき本当にありがとうございました。


かくして福岡到着。福岡空港、御存知の通り市街地から恐ろしく近い。博多駅から地下鉄で二駅。そんなところだから、空港に着陸するというより、市街地に墜落するような勢いで着陸する。実際、大きな窓からずっと見てたけど高度がこれは高すぎるべ…とシロート目に感じるところから着陸したしね。


着陸後、預けた荷物がまた出てこない。ただ、数日前に成田空港で学んだ私、もしかしてとベルトコンベアの反対側へ行くと、案の定私のスーツケースを目の前にして係の人が待っていてくださった「Snigel様ですね」…って。…そんなことしなくていいのに。そんなことをしているうちに、結局外に出たのはほとんど最後。


到着口の出口を出た瞬間に私を迎えてくれたのは、お迎えの友人…ではなく、カメラマンとマイクを持ったレポーター。


レポーター:「すいませーん。福岡のテレビ局なんですけれども、今787をご利用でしたか」
私:「はい」
レポーター:「787をご利用で不安とかはありませんでしたか?」
私:「いえ、特に不安は感じませんでした」
レポーター:「でも、今787のトラブルが続いてますよね。羽なんかをご覧になって不安を感じられることはありませんでしたか?」
私:「ええっと、もう就航から1年以上経って、今、偶然トラブルが重なっているだけのようですが、特に不安とかはなかったですね。他の機材でも最初はトラブルが多かったと聞いていますので」


私の発言、ご賢察でしょうがQ400を念頭に言ってます。あれも立て続けに胴体着陸ほか重大なトラブルをいろいろと起こしましたが、最近はトラブルをついと聞かなくなりました。いい意味で落ち着いてきたのだと思います。


ここで解放されるかとおもいきや、レポーターさん、食い下がってきました。次の発言、もうマスコミ不信を語って余りありますよ。


レポーター:「すいません。不安だったってコメントを頂きたいんですよ。不安はありませんでしたか」
私:「いえ、不安はありませんでした。失礼します」


事実。


787は福岡には一日一便しか飛んでいない。
私が787に乗ったほとんど最後の乗客だった。


…つまり、これは私の妄想に過ぎないんですけど、このレポーターさん一行、787の搭乗客にインタビューをして、787は怖かったという乗客のコメントが欲しかったのだと思う。ところが思い通りのコメントが拾えず焦っていたところで荷物が出てこずに出てくるのが遅れた間抜け面の私が現れたと。推察ですが、大きく間違ってはいない気がします。


こう、なんていうのか、私も同じことをしていると思う。何かしらレポートなり何なりを書かなければいけないときに、自分に都合のいいレポートなり文献なりを探してそれを使う。マスコミの人だって、仕事として、上司から「787に乗った乗客から不安のコメント拾ってこい」なんて命じられて、それに従って行動してたんだろうから、この人を責める訳にはいかないと思う。…だけど、さあ、これで本当にいいのか、世論って作られたものじゃないかという不信感は拭えないわけです。


787快適なヒコーキでした。また乗りたいです。はやく今回のトラブルの原因が究明されて、また自信を持って飛ばせる日が来て欲しいと思います。