ほめるべきか笑うべきか。空港でのマスク

日本という国は特別な国です。日本人というのは特別な存在です。…なーんて書くと、思想が右に偏った人から拍手喝采を受けそうなんですが、ちょっと次の写真を見てくださいよ。


某月某日。某ヨーロッパのハブ空港にて。


いや、別に隠す必要はないですね。本日5月4日、フランクフルト空港での一こま。


マスクをした日本人。いや、日本人かどうか聞いたわけじゃあなけど自信がある。何せ、空港じゅう見ても、マスクをしていたのはアジア人と思しき人たちだけ。で、おそらくわれらが同胞日本人だったのではないかと。


今回の豚インフルエンザ、あるいは政治的な中立に配慮するなら新型インフルエンザ、アイルランドでも騒ぎになってます。確実に騒ぎになってます。だけどね、空港で、あるいは街中でマスクをしている人は絶無です。まだ「対岸の火事」という意識が抜けていないのだと思います。自分はかからないというある意味での自信があるのか、あるいは自分の問題として捉えていないのか、どっちにせよ、マスクをつけている人なんていないんですよ。この状況は、このフランクフルトの空港から見る限り、ヨーロッパ全体までそうだといっても間違っていないと思います。


翻ってわれらが日本人、上の写真でもわかるように、こうしてメキシコから遠く離れたフランクフルトでもマスクをしている人もいるという。


正直言ってね、これを書くにあたって、この事実を好意的に捉えるか否定的に捉えるか決めかねてます。よく考えれば、この日本人の注意深い性格がある限り、世界中にこの豚だか新型インフルエンザが蔓延することがあっても、日本だけは被害は少ないんじゃあないかという気がします。悪く考えれば、マスコミがやたらと不安を煽ってこうして豚インフルエンザとはほとんど無関係のドイツくんだりでまでマスクをつけているという状況は異様です。


マスクっていうことに限っていえば、あれ、ご存知の人も多いだろうけど日本独特の文化なんですよ。いや、世界中を見てきたことがあるわけじゃあない、ことアジアすら知らない私なのであまり断定形で語りたくはないのですが、少なくともヨーロッパでは病院とか研究室とかそーゆー特別な環境でない限り、マスクをしている人を見かけることはありません。


なので、日本に帰省するたびになーんか不思議な気分になるんですよ。電車の中で多くの人がマスクをしているのを見て。よく言えば「ああ、日本に帰ってきたなあ」って気分になるといえるし、悪く言えば、一種異様な光景といえるかも。


ただ、この日本的な注意深さってのは反面誇れることでもあると思うので一概に悪くいえないんですよ。日本の製品の出来のよさはいまさら私が指摘するまでもない。「念のため念のため」と気をつけて作られたその製品のよさ、これってやはり日本的な文化の土壌がなせる業だと思うんですよね。なので、「念のため念のため」とマスクをかける人を笑うことはどうかと考える価値があると思います。


私の場合、マスクのあの息苦しさと現在の危険度を比べると息苦しさのほうが勝っているのでマスクをするつもりは当分ありません…ってかマスクなんて持ってないんじゃないかな。たぶん。