【なぜか上海6】初出勤

二日目。


初日はなんとか起きていられたので、10時という普通の時間に就寝。…が、夜中の3時に目が覚めてしまう。結局6時に二度寝。予定では8時ごろ起きるはずだったのだが、気がつくと10時半!慌てて朝食もとらずにタクシーに飛び乗り会社に向かう。…と言っても、アイルランド時間に合わせるために11時から夕方の7時まで仕事をするつもりだったから、大遅刻…というわけではなかったのだが。


会社は日本で言えば新宿西口の高層ビル街の中。新しい事務所は二十数階の高さ。ちなみに、私は一時的に別のフロアにあるグループ会社の机を間借り。この会社が、私の勤める会社の開設の手伝いをしてくれているわけ。


それにしても、このビル街を歩いていると、自分が新宿かどこかにいるような錯覚に陥る。私のような頭の悪い人間が、新宿のビル街を颯爽とかけるビジネスマンなんかになれたはずはないから、なぜか、上海で疑似体験をしていることに不思議な感慨を覚えるわけ。しかも、偉そうにタクシーで車寄せまで乗りつけたら、車寄せにいた係がしっかりドアを開けてくれたもんね。なんか偉くなったような錯覚を覚えた(あくまで、かつ完全に錯覚)。


私の「今日やることリスト」は、アイルランドから送ったサーバーを設置して設定を済ませること。ところが、会社に着いて関連会社のマネージャーに言われたことは…


「まだサーバーの通関が済んでいません。今週中には着くとのことですが」


この一言で、今日の、いや、今週の計画が全部狂ってしまった。この日のお昼ご飯。


…ドイツ料理らしい。なんでだ


実は、会社のビルの地下に社員食堂があるらしいのだが、地下へ向かう階段が見つからなかったのだ。なので、会社のすぐ近所にあるレストランに飛び込んだらドイツレストランだったというオチ。


それにしてもウェイター、ウェイトレスの数が無駄に多い印象を受ける。それでもいすの脚を磨いたりとかなにかしら作業をしているのだが。


サーバーが着いていないので作業のしようがないので会社にレポートなどを書いて過ごす。


午後5時過ぎに、件の関連会社のマネージャがやってきて、


マネージャー:「こちら、ケン(仮名)ね。あなたのアシスタント。(地名失念)のオフィスから今日ヒコーキでやってきたの。」


なんででしょうね。中国人って西洋風の名前をニックネームとしてつけたがりますよね。ケンさんはどう見てもばりばりの中国人。


私:「あ、どうよよろしく」
マネージャー:「あ、ケンは英語話せないから」


…いや、英語できない人をどーやってアシスタントにしろというの。


上海の人々の英語レベル、私が見た限りでは日本と同じ。まともに話せる人を探すほうが難しい。タクシーの運転手さんたちは結局最終日まで全滅。幸い、グループ企業の会社内では英語は通じるけど。結局ケンもある程度の英語を話すことが判明。


帰りは地下鉄でホテルに戻る。上海の地下鉄、最近できた路線が多いこともあってか、その多くの路線でホームドアを採用。これがあると、ホームへの悲惨な事故が絶対の確率で防げる…んだけど、ホームドアのない駅には…


DANGER! JUMPING INTO THE TUNNELL IS FORBIDDEN


ホホホ訳:「キケン!線路への飛び込み禁止」
…いや、日本ではそーゆーのを自殺といいます。


この日の夜に事件が起こるのだが、それは次回に続く。