【ドバイ出張記7】空港からホテル

タクシーに乗るまでの一瞬の間、夜風に吹かれたのだが、あれ、暑いと思っていたのにぜんぜん暑くない。ちょっと湿度が高い気がしたけど十分心地よい気温。


タクシーはちょっと心配していたのだ。というのも、ホテルが空港のすぐ脇でいやな顔されたりとか、遠回りされたりとかしないだろうかと。ぶっちゃけどうせタクシー代は会社が払うんだから、ぼられても関係ないといえばそうなのだが、気分がよくない。間違いなく。これ、のちのちの話に出てくるのだが、私、公正じゃないことに黙っちゃおれない人なのね。なので、もしタクシーでぼられたりしたら、会社の金だろうと何だろうと文句言いますよ。


が、しかし、そんな心配をよそにタクシーはまっすぐにホテルに到着。すごく33.5AED(ディルハム)なり。AED、現在のレートでものすごーく乱暴には5で割ればユーロになります(つまり7ユーロちょいってことね)。つまり800円くらいで数キロ離れたホテルに到着。


すでに時間は午前2時過ぎ…といっても、アイルランドとの時差は4時間あるからアイルランドはまだ午後10時なのだが(ヨーロッパがサマータイム実施中の時差は3時間)。こんな時間とはいえヨーロッパからのヒコーキの到着ラッシュとなるためか、ホテルの受付はちゃんと起きていた…というか、ドアボーイまでちゃんといて、スーツケースを運んでくれた。


部屋は見ての通り、可もなく不可もなくという言葉がぴったしでして。なんの不満もないかわりに、何の感動もない…といえばわかっていただけるでしょうか。


ん、待てよ。たった今、「何の不満もない」と言ったが…ある。くんくんくん。うん、くさい、くさい、おじいちゃんの入れ歯…ではなく、部屋がくさい。そう、タバコくさいの。正直なところ、そんなに強いにおいではないものの…タバコを吸わない人には感じるにおいなのよ。むむむと思ってテーブルを見ると…ほーらやっぱり灰皿がある。…ってあたしゃ禁煙室を要望してたんですけど。


フロントに電話。


私:「あのー、すいませーん。禁煙室をお願いしていたと思うんですけど」
フロント:「申し訳ございません」


…あ、アラブが謝った。


私:「もし、可能であれば、禁煙室に部屋を変えていただけると嬉しいのですが…」
フロント:「申し訳ございません。本日あいにく満室でございまして。明日必ず部屋を変えさせていただきます。それから、部屋まで係がすぐに参ります」


1分も経たないうちに部屋のドアがノックされた。ドアの向こうには、液体式の蚊取り線香のお化けのような芳香剤の機械を持ったボーイさんが立っていた。


その機械を電源につなぐと、部屋中にラベンダーだかなんだか知らんが、芳香剤の匂いが漂った。…なんか知らん、もういいや、寝よう。