結局Steinbeisserって何なのよ

今週の木曜日と金曜日、フランクフルト空港の一部の係員がストライキに入りました(もっと言えば、月曜日からさらにストを構えているとか)。結果、300便が欠航したらしく、運行情報を見ていたら、結構な数の飛行機が欠航となっていました。ぱっと見た印象で言うと、影響の少ない国内線から間引きした感じ。例えば、一日7便あるフランクフルト=ハノーヴァー線のは4便欠航。それにたいし、一日3便のフランクフルト=ダブリン線は1便のみ欠航。


ルフトハンザのすごいところってね、国内線がキャンセルされたら、無条件でDB(ドイツ国鉄)に振替輸送してくれるんですよ。その振替券はネット上でも発行できるというなかなかすごいシステムになってます。つまり、ドイツのどこかで家かホテルか知らんが出発前に乗る国内線のヒコーキが欠航になることがわかっていたら、慌てずネットで振替券を印刷して空港に行く代わりに駅に行けばいいわけ。ドイツは鉄道が発達した国ですから、例えば、南の果てのミュンヘンから北の果てのハンブルグまでの800キロを6時間とかで移動できちゃう(まあ、これを言っちゃうと、ヒコーキの立場がないんだけどね)。


まあ、そんなわけで、どうなりますやらとワクワクしながら空港に行くと、なんと私が乗った2便とも欠航されないばかりか、見事に定時運行。こっちで、会う人会う人に「金曜日にフランクフルト経由で来た?どうやったら来れるんだ」と呆れられました。


フランクフルトの空港で入国審査があったのですが、ここの係官が今までで一番訳がわからなかった。


係:「コンバンワ」(←日本語で)。
私:「こんばんは」


…あら、たまに、「コンニチワ」という人はいるけど、夜だからと正しくコンバンワという人は初めてかも。


係:「$^*>!」」


…言ってることわかんねえよ。これ、日本語なの?えええ?と悩む。こちらはちょっとしたパニックに陥る。うわあああ、どうしよう。ドイツ語で返したらいいの?いや、英語?待て待て、どうも日本語を話そうとしてるんだから日本語で返さないと失礼じゃないか?


あたふたしていると、私のパスポートの苗字のところを指さして、


係:「コバヤカワ!」


は?????


私の名前はナカゾノですが(←本名書くなよzz)。


頭の上に?が並んだ私と目が合うと、ポンとハンコを押し


係:「サヨナラ」


と言いながらパスポートを返してくれた。…いいのかなあ、これで。確かに怪しいものじゃあございませんが(当社調べ)。


突然話は去年の秋に戻るんです。


Bremerhavenという街に行って来ました。Bremerhavenをそのまま訳すと「ブレーメンの港」。ブレーメンは50キロほど南に行った内陸部にあり、なぜか、この街はブレーメン州に飛び地として属してるの。


ここにね、Klimahausという観光客向けの施設があるの。よーするにね、Bremenhavenがある経度8度線に沿って地球を一周してみましょう。その間に地球環境の変化とかを学びましょうね…という施設です。

(ここだけの話、オフィシャルサイトからパクってきた写真です)


最初はスイスから始まって、イタリア、ニジェール、カメルーン、南極、サモア、アラスカ、Hallig Langeneß(ドイツの北海にある島)、Bremenhavenと旅できます。まあ、よく出来てて、南極ではホントにマイナス6度に室温が設定されてて、その次の部屋は相当な高湿度設定されてたりとか。ヒマで死にそうな方は、こちらの公式ページから疑似体験できますよ(英語)。


で、まあ、ここでホントに一日過ごしまして、腹が減ったと向かったのはシーフードレストラン。


はいはいはい。見づらい写真でごめんなさい。だけど、真っ暗闇に手ブレ防止機能のついてない一時代前のデジカメではこれが限度です。とにもかくにも、港に停泊している船がレストランに改造されてるのよ。


どんなもんだと思ったら入るなり階下に。つまり、船倉がレストラン。なんか思ってるのと違うと思ったら、なかなか雰囲気があってよろしかった。


で、私が食べたのがこれ。


すでに何だったか覚えていないところが致命的。カレーソースで美味しく頂いたことは覚えているのだが…。


で、私の彼女が食べたのがこれ。


なにこれ?と聞いたら、Steinbeisserというお返事。…ドイツ語で返されてもわかるかい。


そして話は今週末に戻る。ストライキ絶賛開催中のフランクフルト空港を奇跡の定時着ですり抜けて、土曜日に、友人の誕生日パーティーに呼ばれました。


まったくドイツ人は…とおもわず悪態をつきたくなるのですが、2月の寒空に外でバーベキューをするんですよ。こいつらは。しかも午前中から。もちろんビールつき。車がないと生きていけない田舎のことですから、運転手も当然多数いて飲んでいない人ももちろんいたが、結構な人が朝からビール、スパークリングワイン、グルーワインその他を飲んでいる。なにこの「日本人は未だに着物を着て将軍が…」的などーしょーもないステレオタイプをそのままドイツに持ち込んだような(しかも目の前で現実に起こっている)状況は。


この日は幸い暖かかったんですよ…と言っても5度くらいしかなくてしかも風もちょっとあったので結構寒かった。そんなわけで、納屋みたいなところに(元農家の家ですから)避難したわけ。そこで、記者(←私のことね)はとんでもないものを目にした。


な、なんじゃこりゃあ。


いや、魚の剥製。まあ、これを家のリビングに飾らずにここにおいてあることはある意味正解だが、それでも嫌だな。しかも同じ魚を三尾(いや、頭だけだけのもあるから三「匹」か)も飾って。って、えええええ


何この歯?


うわあああああ、歯が顎の中央にも生えてる。こわーーー。これに噛まれたら痛いぞ(痛いで済むかどうかも自信がない)。


この家の主に聞いてみた。


私:「なにこれ」
主:「ああ、これ、ボクがノルウェーで釣ってきた、Steinbeisserって魚だよ」


…なんですと?

なんですか?


振り返るとそこにいるのは私の彼女。


私:「をい、お前、こげなもん食ったのか?」
彼女:「…知らなかった」


…お前、Steinbeisserがなにか知らずに頼んだな。


まあ、私だって、日本語ですら魚の名前を正しくあげられるか自信がないから、Steinbeisserが何か知らなかったからって責められるもんじゃないし、しかも、味と見かけは無関係だろうし(よくよく考えたら、私も件のレストランで彼女のSteinbeisserをつまみ食いしたし)。


というわけで、2月のバーベキューのお陰で、ボツネタが成仏することが出来ました。ありがとうございました。でもさ、結局Steinbeisserって何なのよ。