【日本に帰省】(5)沖縄の穢れなきチャペル

翌日。雨。結婚式は午後からで、午前中は時間に余裕があったので美ら海水族館へ。ここのレポは去年の旅行記で既出なので省略(この旅行記を読んでない方はまずはそちらへどうぞ)。しっかしさー、この美ら海水族館の大きさというのはホントにすごいと思いますぞ。


というのもね、このつい数週間前にドイツはHannoverにある水族館に行ったのよ。ちょっとこちらのミニレポをどうぞ(しっかしまあ、Q州から沖縄へ行ったと思ったら、突然話がアイルランドやドイツに飛ぶ忙しい旅行記だね。こりゃ)。


このHannoverに確か2年前の春に新しくできた水族館、最初は入場に時間以上待ちと聞いてかなりのもんだと期待していたのです。実はオープン後数日目に行っては見たのですがその大行列を見て入場をあきらめたいきさつがあったりするのです。


で、この日(10月のある日)行ってみました。Hannoverの誇る水族館。



こちらが一番大きな水槽。


これ以外の水槽は、家庭用水槽に毛の生えたレベル。


ちなみにこちらが沖縄の美ら海水族館の大水槽。


…ほとんどカプセルホテルと高級ホテルのスイートルームの比較レポートを書こうとしているようなもんですな。


そして、「水族館」の半分は実は


植物園(はい?)


実はこの水族館、もともとは植物園のドームだったらしいのだが、それを改造して地下を水族館に、そして地上はそのまんま植物園にしたらしいのだ。


こちら、Hannover水族館の全体写真。


ちっちぇー…って中がどんなもんかこれから想像しろよ(>自分自身)。…ってか、1時間待ちの真相は…


水族館が狭すぎた


からなのね。やれやれ。


話がそれました。舞台を沖縄に戻します。


(おまけ。お昼のソーキそば。おいしかった。おとんとおかんは「肉多すぎ」と文句を言ってましたが)。


今回沖縄で結婚式をするようになった理由は、弟の嫁さんがどうも「海の見えるチャペルで身内だけの結婚式をしたい」ってことだったらしい。で、最初はハワイあたりでやりたかったらしいのだが、諸般の事情で沖縄に落ち着いたらしい。私としては一度ハワイに行ってみたいと思っているから(そして、きっとその機会は訪れないとわかっているから)ぜひともハワイでやってほしかったのだが。


その、「海の見えるチャペル」はなんのこたーない、例の潮吹穴のある残波岬にあるらしい。去年、このチャペルの前をしっかり通過している。しかも、ビーチも歩いていたりする。


なるほど、海が見えますなあ。夢見る少女が描く「海の見える真っ白なチャペル」そのまんまですなあ。確かにこれは人によっては夢のようなロケーションといってもいいだろうなあ。


中もまあ、真っ白。私のような穢れた存在は足を踏み入れるのも憚られる。…って、ここって宗教的にはどうなのよ?ホントにキリスト教の「教会」にあたる場所なの?だとしたら何派になるんだ?おそらく、十字架はあるけどそれは単なる飾りなんじゃあないかと推察。


花嫁さんがお父さんに連れられてヴァージンロードを歩いてきました。ゆっくりと、ゆっくりと、一歩一歩をかみ締めるかのごとく歩いてきました。これってたぶん女性にとっては本当に特別な瞬間なんだろうなあと思う。そして、そのお父さんにとっても。ただねえ、ドイツで参加した結婚式のどれをとってもこうやって花嫁さんがお父さんに連れられてヴァージンロードを歩いてきた…って結婚式に当たったことがないのよ。これっていったいどこの文化なんだろう?(なんとなく想像はつくけどさ)。


そして、神父さん…なのか、牧師さんなのか?申し訳ないけどキリスト教についてはとんと無知なので正しいかどうか疑いつつも本文では神父さんで通します…が入ってきた。


式の間、もう、私は一人で笑いをこらえるのに精一杯だった。


何せ、この神父さん、オペラ歌手のごとき身振り手振りで進行。しかも、英語と日本語をちゃんぽんにして。なんかさー、コメディアンが「あなたはー、かみをーしんじますか?」ってやってるようなそんな感じなのよ。無論こんなふうにひねくれた見方をしていたのは完全に少数派でお嫁さん側の参加者の数人は感極まって涙してたもんね。


でさ、半分くらいはなぜか英語で進行。そのほうが「それっぽい」のかもしれないが、なんかlocalisation(ああ、うまい訳が思い浮かばない。「日本語化」というか「日本化」ってな感じ)がわざとなのかもしれないけど中途半端なのだ。


英語で神について話している時にJesus Christをなぜか日本的にイエス・キリストと発音したりとかね。わからんという方、英語ではイエス・キリストと言っても通じません。カタカナ英語化すれば、ジーザス・クライストと発音しないとダメ…という話です。





ちなみに、式の最中の写真・ビデオ撮影は厳禁。なんのこたーない、式場側が用意したカメラマン(女性でしたが)が撮影した写真を売るため。これだけで噂では20万円近くかかるんだとか。挙句の果てにはビデオ・DVDは別売りでそれと同じくらいの金額がかかるとかかからないとか。そのためにかチャペル内には5台以上の固定カメラが設置されていた。ああ、たとえ穢れなき真っ白なチャペルでも所詮世の中ゼニなのねと暗澹たる思いになる。ま、穢れた私の存在も別に問題ないや。これなら。ははっ。


それを言い出せば、この結婚式業って実はおいしい商売じゃないかという気がする。万が一にも失敗は許されないという大きな重責があるにせよ、それを除けば、よくは知らんけどこの1時間くらいの式で何十万だかを儲けたに違いない。


式が終わり入り口で記念撮影。このようにシャンパンが配られて写真撮影。やった、飲める!と一人で喜んでいたのだが、甘かった。グラスが6つ(=結婚する当人たちとその両親)しかなくて、しかも、それはこの写真を撮影するためだけに空けられたのだということに後で気がついた。あとでおかんが言うにはまだ飲んでいる途中なのにグラスを片付けられたらしい(なんて失礼な…)。そんな中おとんはさっさと一気飲みしてしまった姿が私の撮影したビデオにしっかり納められていた。さすがだ。おとん。だけど、シャンパンは味わって飲もうよー。


そののち、ホテルで夕食となった。また、弟はいくら払ったのか怖くて聞きたくもないが6コースのおフランス料理。考えてみたら日本でおフランス料理のフルコースを食べるのは今回が初めてかもしれない。アイルランドでだって会社のクリスマスパーティーで四季旅館で年に一度食べるのがせいぜい。どうしても、ハレの日の食べ物だという意識が消えない。一度行ってみたいといつも思っているフレンチレストランが実は日本は出雲にあったりするのですが(東京や大阪ならすぐに行ったのだが、ANAすら飛んでない出雲はあまりに遠い…)。








料理は可もなく不可もなく。たぶんおいしかったんだろうけど、味覚オンチの私にレポを求めることは間違ってます。あ、ワインはおいしかったけど。


こののち、訪れた「事件」について私はこのサイトに書き記す勇気はない。とにかく「すごかった」とだけ書いておく。ネタにしたいのだが、ネタにすると、たぶん私は二度と実家の敷居をまたぐどころか日本の土を踏めないと思われますので。


そうそう、泊まったホテルについてのレポを忘れていた。




泊まったホテルは中部の恩納村にあるリゾートホテル…の別館。とにかくでかいホテルだった。たぶん部屋数は軽く数百はあると思う。


こちら本館のロビー。


修学旅行生(高校生)がうじゃうじゃうじゃじゃ



別館より本館を望む。


いちおうそこそこの高級感を出そうとしているのだろうが、修学旅行生がそれをきれいさっぱりぶち壊している気がする。おそらく夏は夏で指の間に砂がじゃらつくような感じの人たちでにぎわうのだろうから夏でも同レベルだろうなあ…と勝手に推測。これじゃ、別府スギノイパレスと変わりゃしない(ローカルネタですいません)。


そういえば、ヨーロッパのリゾートホテルに行ったことがない(強いて言えば、マルタ島の廃墟ホテルに泊まったがあれはヒサンだった)。マジョルカ島とかのリゾートホテルも同じような感じなんだろうか。だとしたら行きたくないなあ。


というわけで、こちら本館にはほとんど近寄ってない。「大浴場」に行ったが、広いだけで温泉でも何でもなかったしあれなら内風呂のほうがいいやというわけで一度行ったっきり。ああ、Q州のひなびた温泉が懐かしい。


ちなみに、私たちが泊まった別館はそこから渡り廊下を経由したところにある、入口も全く別の建物。要するに「別世界」を演じようとしているらしい。別館の宿泊客が本館に行くことはできるが、その逆は不可。また、私たち別館のフツーの部屋の客は別館の上層階の特別プールを含めた特別室に行くことも不可。要するに、金を余計に払った人にはその分余計なサービスがついてくるということ。




私たちの泊まったこの別館の「普通の部屋」。私の稼ぎではとても泊まれないと思われるが、実は航空券までついたパッケージの場合2泊3日くらいのこの時期の旅程ならば、沖縄までのヒコーキの往復普通旅客運賃にちょっと足すくらいの金額でここに泊まれるらしい(しかもレンタカーまでついてくる)。団体旅行券の恐ろしい安さを感じますね。…ってことは、この仮説が正しければ、かしこい沖縄に行きたい旅行者は、自分でホテルや航空券を確保するよりむしろネットで安いパッケージツアーを探したほうが賢いということになりますな。もし今度沖縄に行くことがあったらそうしよう。


かくして、帰りの羽田行のヒコーキはB747(ジャンボ機)だったんだけど、私の座った2階席以外は修学旅行生を含めてみんな団体旅行客だった(1階席は事前の座席指定が全くできなかった。個人的には2階席のお気に入りの席を取れたので何の不満もないのだが)。


翌日。


またも雨。


結婚式の最中だけは雨がやんでいたことは不幸中の幸いかもしれない。とにもかくにも、雨。雨にも負けず、向かったのは海中道路。



…きれいだったと思う…天気さえよければ。以上。


そして、首里城へ。ここも去年の旅行記で既出につき省略。


で、沖縄からヒコーキで羽田へ移動。次回、いよいよ、最終回の一度前の東京編へ。