あきらめちゃいけない。Metro Northプロジェクト

今日の報道によると、ダブリンの市内から空港、そしてSwordsを結ぶ計画だったMetro Northが計画倒れになったようです。そりゃそうだ。お金ないもん。ということは、一国の首都の空港に鉄道がない、という情けない状況が続くわけで。


いや、別にミエで鉄道を作る必要なんてないですよ。だけど、空港を使う人ならわかってくれると思う。バスだと時間が読めないのよね。ちょっと故障車の一台でも出た日には、道が渋滞して、ヒコーキに乗り遅れそうになる…なんてよくあるよね。実際私も市内の渋滞のおかげで空港に出発時間の20分前とかに空港に着いたことがあったし(この時はさすがにまずいと思った)。そういう意味では、空港までの鉄道アクセスは何としても作ってほしかった。でもお金がないのもわかる。


実は、私の脳内には、ダブリンのターミナル駅のHeuston、Connollyと空港をつなぐ鉄道の私案があるんです。しかも、費用はほとんどかからない。その気になれば、1年もかからずにできると思います。ズバリ、それは


Dublinport Tunnel活用案。


はい。本日はこの与太話にお付き合いいただきます。いや、与太じゃないかもしれない。まあ、聞いてくださいよ。


まず、CorkやGalwayなどへのターミナル駅、Heuston駅とBelfastやWaterfordなどへのターミナル駅となっているConnolly駅はすでに鉄道で結ばれています。そうLuas(路面電車)で。で、これが、そのまま東進してThe Pointという駅まですでに線路が敷かれています。ここから私の私案なんですけど、Eastwall Roadを経由してそのままDublinport Tunnelまでレールを引いちゃう。道幅は余裕があるからまったく難しくない。


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そして、752,000,000ユーロ(800億円!)というこの小国では考えられないほどの大金をつぎ込んで作ったトンネルにレールを敷いてしまう。


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この巨額を投じて作ったナニコレトンネル。一日の通行量予測は2万台、2018年には3万台を超えると予測されていたらしい。だけど、いざフタを開けてみると、開通当初の大型トラックの利用料は一日5000台。それが2009年には3000台まで落ち込んでしまった。どうも乗用車はトラックの1/3程度の利用らしいから、一日のトンネルの通行量はざっと4000台。こんなしょぼい交通量で片側2車線の立派なトンネルなんていりません。走行車線のみの片側1車線にして追い越し車線側にはレールを引いちゃえばいいんです。


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幸い、トンネルの出口はそのままM1(高速道路1号線)に直結してます。この路側帯を削って中央分離帯部分を広げることで高速道路の中央にレールを敷くことは十分可能だと考えられます。で、空港の駐車場の敷地に隣接している部分からそのまま空港に乗り込んでしまえばいいのです。用地買収は限りなく0。驚くくらいあっさりとLuas Red Lineが空港まで延伸できてしまいました。

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この計画では、駅以外での大規模な工事は、M1から空港の駐車場に入る間に作らなければいけない立体交差だけです。あとは純粋にレールを引くだけ。こんな簡単ですぐにできることを誰も思いつかないのが不思議でしょうがない。


確かに、トンネル内での事故の危険性はある。日本の例によると、高速道路の暫定2車線の部分の事故は通常の高速道路に比べて1.7倍。その8割は正面衝突によるものだそうな。だけど、トンネルで対面通行じゃなくて、追い越し車線にレールを敷く分には正面衝突の可能性はない。もしどうしてもというなら、丈夫な駒止かガードレールを設置すればトラックなどとの衝突の可能性はかなり減ると思う。ちなみにトンネル開削に使われたシールド機械は鉄道用。Luasを通せないわけがない。


けっこうこの文字通りの無用の長物を再利用するいい考えだと思うのですが、どうでしょう。