【2022日本帰省-8】歩いて歩いて東京観光


本日より数日は変な片道切符の旅を「途中下車」して東京に滞在します。この前に一日あったけど友人との密会などなのであっさりカット。あたかもその一日は存在しないような体で続けます。

まずは東京駅へ。丸善で本を買い込む。本屋さんはいい。何時間いても飽きない。普段は神保町へ行きお昼はキッチン南海(←リンク先は旧店舗のお話)というのが定番なのだが本日はこの後の予定もあり丸善へやってきた。こんな大きな本屋さんが何軒もある東京に住む人って恵まれてるよねぇ。八重洲ブックセンター本店が閉店するとか寂しいニュースも聞こえてきますが、東京近辺に住む方は本屋さんをぜひとも利用してほしいと思うところ。

東京駅って昔夜行高速バスの乗り場として八重洲口の方を何度か利用したことがあるけど、それ以外で東京駅を目的地として降り立ったことってあまりない気がする。丸の内地区ってオフィス街で、昭和的な知識で止まっている私に言わせるとここに降り立って仕事のできる人って一握りの相当に優秀な人のような気がする。つまり私には無縁の存在。

プラハにこんな駅なかったかなぁ。

そんなわけで、たぶん初めて東京駅丸の内口をまじまじと観察。数年前に復元したかなんだかのニュースがあったけど、なるほど、これはなかなかに立派。

ここからはとバスの乗り場などを見つつ新橋まで歩く。二駅の距離だけど山手線の一駅などちょろい。

東京駅とはとバスの乗り場の間で観光客の人が話しているのが耳に入ったのだが、短い間で二度も「おのぼりさん」という言葉を聞いた。いわく東京駅で記念撮影するのは「おのぼりさん」、はとバスに乗るのは「おのぼりさん」のやることだとかと自虐的。私も無駄に年を重ねたのか、「別にいいじゃん」としか思わなかった。こんなに立派な駅なんだから写真を撮りたくなるのもわかるし、東京に短時間しか滞在しないのなら効率よく観光のできるはとバスは便利だと思うし。私なんて海外の人間よりも豚舎の豚のほうが多いような村から来た超のつく「おのぼりさん」だし。

東京名物。朝の11寺頃から何かの行列。食べ物屋さんだった気がする。

そんなことを思いながら東海道線の高架下に沿って歩く。途中で行列のできているお店などもあったが目にもくれずてくてくと新橋へ。

 
あら、ビール頼んでない…と自分で驚いた。

新橋駅にほど近い昭和感しかない駅に近い雑居ビルにあるとんかつ屋さんでちょっと早めのお昼ごはん。ひつまぶしにとんかつにと自分の欲望に忠実に生きた日本での夢のような3週間、当然の帰結として3キロ太った。

新橋駅前のここがバス停だと思ったら…違ってた。ややこしいことに都バスの渋谷行きはここからだった。

食事後には予定通りちょっとわかりにくい場所にあったバス停から渋谷駅行きのバスに乗る。…と言っても都バスではなく京王バス。水素で走るバスとやらに乗ってみたかったのだ。

 
西東京バスは深夜急行バスとかなのかしら。でも行き先とか書いてないし。謎。 

バス停に着いて気がついたが、どうもこのバスの始発は東京駅になったらしい。つまり新橋まで歩く必要はまったくなかった。

到着後、渋谷駅にて撮影。

乗った感じとしては電気自動車と区別がつかなかった。というのも、加速などが恐ろしく静かで力強い。乗用車に負けていない。

それにしてもこのバスの存在理由が全く不明。なにせ、新宿駅までほとんどノンストップ。なんだけど鉄道の速さにはかなわないし、いかんせん一日数本しか設定のない謎路線…なんのために存在してるんだ?浅草とかに行ってるなら観光路線と言い張ることもできそうだけど。

新宿西口を出るとこのバスは別のバス路線(宿51)と重複路線となり、普通のバスと同じように数百メートルごとにあるバス停で丁寧にお客さんを拾い始める。こうして渋谷に到着。

渋谷だよおっかさん。

私が都内でも苦手な部類に入る渋谷くんだりまでやってきたのには理由がある(ざっくりいうと都内の南東部は苦手)。スウォッチの限定モデルが欲しくてダメ元でオフィシャルショップを訪問してみたと。

駅から数分の場所にあった店には…あるじゃん、展示が。

…だがそれはただの展示だった。というのも、別の客がいろいろ質問しているのだ。それをまとめると、

現在商品はないがほぼ毎日入荷している。

ただし数は少ない。

いつ入荷するかはわからない。取り置きもできない。

くどくどと質問している「ボク(わざわざ)、静岡から来たんですよ」と聞かれもしてない身の上話を始める客を見て、ああ、この店員さんは毎日同じ質問を何回も繰り返されているんだろうなと同情してそのまま店を出る。ならばさらにダメ元で渋谷よりも輪をかけて苦手感のある表参道のもう一つのオフィシャルショップへ。…ってかなんで日本に数軒しかないスウォッチのオフィシャルショップが徒歩圏に二軒もあるんだよ。

てくてくと歩きはじめる。とどのつまり渋谷滞在時間は数分。今にして思えば閉店前の東急百貨店とか「東急」ハンズに行っとけばよかったけど、頭の中にはスウォッチのことしかなかったのよ。

歩いているとさっきまで乗っていた水素バスが追い越していった。

表参道までは別に電車に乗っても良かったのだが、天気もいいし、散歩には最適の天気。再び歩いて表参道へ。

ほどなくスウォッチの表参道のオフィシャルショップに到着。表通りから一本入ったところにあるので静か。

ここの店員さんが、またなんというか、いかにも原宿(あるいは表参道)的なのよ…という感じのお兄さんでして。まあ、有り体に言えば私の人生で絶対に絡みを持たないであろうという感じのお方。無意味に居心地の悪さを感じつつ意を決して話しかける。ちなみに展示はあった。

「ないとは思いますが、オメガとのコラボモデル…ないですよね」

原宿系(そんな言葉があるかは知らん)の若いお兄さん、一瞬躊躇して別の店員さんに「あれ、出してもいいよね」という。え゛?あるの?

出てきたのはこれ。

青系が欲しかった私には微妙。だったけど、これも縁。数秒迷ったものの購入。わーい。限定モデルゲットだぜ。

その足でキディランドで(よく一人で入っていくなぁ…)キキとミントのぬいを買い明治神宮へ。

こんなもんで喜んでくれるうちの嫁さんは素晴らしい。
こちらが「本物」のキキとミント。

私に神社仏閣巡りの趣味はない。なんだけど、さっき水素バスで通りがかった新宿駅西口が気になったのでちょっと見に行こうと決めたわけ。新宿へ向かうのに山手線の線路沿いの幹線道路を歩くより遠回りになるものの明治神宮内を通ると静謐な感じで良さそうだと。

 

実際良いところでした。

 
写真の貼り間違いではなく、境内の一部です。ちょっと中心を外れると誰もいない。

こんな都内とは思えないような場所もあり。

どこか海外の公園といっても信じてもらえそう。明治神宮境内の一部です。

こうして新宿駅西口へ到着。何が気になったって、小田急百貨店。私が訪問した時点ですでに本館での 営業を終了しており、別館の小田急ハルク内での営業を開始していた。本館は再開発のため取り壊しを待つばかりに。つまり、私の見慣れた新宿駅西口の風景はもう今回が見納めとなることが確定していたので見てみようと。私、新宿西口駅の前の店でバイトをしていた時代もあり新宿西口にはちょっとした思い入れがあるのだ。

(無理矢理のパノラマ合成写真。左右にぐりぐりできます)

ついでにハルク内に縮小移転した小田急百貨店を見てみたが

←ビックカメラ ユニクロとビックカメラとかいうならまだしも… 小田急百貨店→

ビックカメラと同居する百貨店って受け入れられるのかな…と余計なことを感じてしまった。このまま行くと池袋の西武も同じことになるのかなぁ。ああ、でもあそこはワンフロアの面積が広いからきれいに縦に分けることも可能じゃないかなとか思ったり。

この後は思い立って靖国神社へ。何度も言うけど私に神社仏閣巡りの趣味はない。ただ、やたらニュースで出てくる場所なのに行ったことがなかったので、一度この目でどんなところか確かめてやろうと。あ、バスタ新宿に行ってみるの忘れてた。

靖国神社ってことは九段下…。たぶん渋谷から新宿と同じくらいの距離だけど、すでに東京駅から新橋まで3キロ、新橋駅からバス停まで1キロ(ちょっと迷った)、渋谷から表参道まで2キロ、表参道から新宿まで4.5キロと合わせて10.5キロも歩いたのでもうちょっと勘弁かなとおとなしく総武線各駅停車で飯田橋駅へ。ちなみにこの後のことやその他の細かい部分を合わせるとこの日は15キロ近く歩いている。テレビ東京の旅番組にも出演できるな。こりゃ。

木造駅舎しか知らないから違和感しかない原宿駅。

飯田橋駅も新しくなっており色んなところが変化しているなあと実感。あ、「も」というのは途中徒歩で通りかかった原宿駅も私の知っている木造の駅舎じゃなくなっていたからです。

なんだかんだで日が傾き始めた頃に靖国神社に到着。警備の警官の方などがいた以外は特段に変わったこともなく、静かな境内。一言でいえばいいところ。どうにも思想が偏った人たちが大騒ぎしているところとかは想像しづらかった。

ここからは頭の中で「九段下の駅に向かう人の波―」と古い歌を歌いながら九段下駅へ。地下鉄で滞在先に戻る。ってあれ、新宿から地下鉄で九段下駅に来ても良かったんじゃん。どっちにしてももうこれ以上歩きたくないなと思った。

この日は都内某所の地元民しか行かないと思われる滞在先近所の飲み屋さんへ。カウンター席のみ10人ほどしか座れない飲み屋さんは酔客で満席。みんなコロナってどこの国の話だっけという勢いで大声で話している。私も下町名物ホッピーをいただく。思えばここでもコロナに罹らなかったのに自宅に引きこもっているときに罹るとは…間抜けよね。