【2022日本帰省-7】男女兼用で時代の先端をゆく鶴見線と南武支線


図々しくも数時間のお時間をいただきいろいろなお話をして、図々しいついでに熱海駅まで送ってくださりふたたび熱海駅へ戻ってくる。ふと思いつきお昼ごはん。

「海鮮丼専門店」おまぜ。見ての通り、日本にありがちな鉛筆ビルに入ったいかにも狭そうなお店。もちろん中は狭く、お一人様の私はカウンターの端っこに案内された。

ほら。ビールはさ、やっぱり飲み物を注文して飲食店さんを応援しないとという私の心意気なのよっ。

飛び込みで入ったのですがあら不思議。ご飯が白ごはんじゃなかった。しらすのはいった三色丼。美味しかったです。しらすなど好き好んで食べない私が言うんだから間違いない。

お昼ごはんののち、熱海駅に戻る。変な片道切符の旅としては一日ぶりの再開。東海道線、またの名を上野東京線で東京方面へ。今日の目的地は上野。本数が多いので何も考えずに駅に来れば電車が程なくやってくるというのが良い。

始発駅からの電車に乗ったこともあり座席はどこでも選びたい放題。なのでクロスシートに陣取る。発車後ほどなく途中で土石流災害の現場近くを通ったので心のなかで黙祷しておいた。

クロスシートはいい。普通車でも足元は狭いながらもクロスシートに座れるんだからグリーン車に無駄な課金しないでよかったわっ。小田原、大磯、茅ヶ崎、藤沢と窓からの車窓を満喫。飽きない。

後ろの農協。西湘を西湖と空目して「サイコってどうなのよ」と一人で突っ込んでいたアホは私です。

東海道線のベンチは未だに線路と平行に設置されている。というのも関西ではこんなふうに線路に対して直角に設置されていることが多かった気がするのよね。なんでも直角にしておいたほうが酔っ払いが線路に転落しづらいのだとか。

あとで出てくる某JR西日本管轄の駅。どう見ても昭和にしか見えない。

このまま車窓を楽しんで2時間ほど大人しく乗っていれば上野に到着するのだが日本のサグラダファミリアと呼ばれているらしい(いつも、いつまでも工事をしている)横浜で下車。別に思いつきでそうしたわけではなく予定通り。この変な片道切符の旅は旅程の変更は(運休などの特殊な事情でもない限り)認められない。つまり、柔軟性がないのだ。幸い現在までのところ優秀なJR各社さんは遅れなどもなく運行してくれているので問題はないが。

ここで乗車券を別途購入。それをポケットに入れ(すぐには使わずに)京浜東北線で鶴見へ。鶴見からは鶴見線。ここから行ったことのなかった鶴見線へ寄り道します。

乗車したのは武蔵白石駅行き。支線が複数ある上途中駅止まりの電車もあるとか難易度高いわね。

鶴見駅で待っていたのはおお、なつかしい205系電車。横浜線で毎日使っていた頃があったなあ。私にとって首都圏の電車ってこのあたりが普通だったんですよねえ。山手線もこれでしたよね。

国道駅にて。なんか変な感じですが、撮影場所は立入禁止の場所とかじゃないですよ。

鶴見からわずか一駅国道駅へ。この駅がすごいと聞いていたのでやってきた。

ホームも昭和臭がすごいけど、問題はここじゃないの。
バリアフリー?なにそれ状態の階段。
駅の「プロムナード」。ここに商店があり賑わっていた…らしい。

残念ながらこの駅の本当の凄さを体験するには来るのが遅すぎた。高架下の店はすでにすべてが閉店。それでも昭和で時間が止まってしまった駅を堪能する。

つい最近まで営業していた模様。残念。一歩遅かった。

ただね、国道駅って駅そのものは昭和時代で時間が止まってるんだけど、駅界隈は割と普通のマンションなどが立ち並ぶ感じで駅だけが時代に取り残された感がすごい。

駅前感がまったくない国道駅前。
国道駅前にあるマンション。不動産広告としては「鶴見線国道駅徒歩1分」より「京急本線花月総持寺駅徒歩4分」のほうが魅力的に聞こえそう(個人の意見どす)。

一廻りして時代の先端を行く(?)男女兼用トイレ(どうでもいいけどカタカナでユニセックスって入力したら男女兼用って変換されたぞ)。それにしてもなぜ床がこんなに濡れている?

「撮り鉄」が過去になにかしらしでかしたんだろうなぁ…と思われせるホーム先端の注意書き。
「一部ホームと電車との間が…」ってアナウンスこそないものの、階段に注意書きはあった。

次に来た電車で次の鶴見小野駅へ。

鶴見小野駅は国道駅と違って高架駅じゃない。なので、バリアフリー対策工事などもやりやすかったのだと思われる。かくしてスロープなんかを後付してるけどどことなくただよう昭和臭。個人的には東武亀戸線あたりを思い出すわ。いいねえ鶴見線。

そういえば さがみおおの って駅もあるわね。

ほら、この改札のラッチを懐かしく思うのは私だけじゃないはず(私の場合はさみの「かちかちっ」って音を連想して思い出しますが)。この旅の後の方でこのラッチをいまだに使っている駅に降り立つのだがそれはのちほど。

こちら個人的にお気に入りの写真。昭和の置き土産の前にスイカの読み取り機があるという不思議な光景。この改札のラッチを懐かしく思うのは私だけじゃないはず。この旅の後の方でこのラッチをいまだに使っている駅に降り立つのだがそれはのちほど。

運賃表は残るものの券売機は撤去済。交通系カードがあればタッチすればいい。ないとどうなるかというと…

これは鶴見小野駅ではなく国道駅で発券。…すいません。必要ないのに一枚取っちゃいました。

地方では割とおなじみ、乗車駅証明書を機械から印刷して着駅精算となります。ただ、鶴見線の途中駅で降りたらそこも無人駅だから運賃の払いようがない。

お次は弁天橋駅。今時珍しい構内踏切があったよ。

構内踏切を除けば、駅そのものは最近建て直されたか何かできれい。残念ながら昭和臭は漂ってこなかった。トイレも男女別だったし。ちなみにこちらは某企業の専用駅の趣で、駅を降りてもその会社以外の目的地はあまりなさそうな印象。

と鶴見線の駅を巡る。こうして各駅で途中下車して時間調整をしていたのは、海芝浦駅へ行ってみたかった。これに尽きる。

JR東日本の公式サイトより引用させていただきました。

首都圏のJRのドア上に貼ってある首都圏路線図の一部。これを何度も見て一度行きたいと思ってたのよね。この謎のごちゃごちゃした区間に。見れば見るほど謎でしょ。

上野路線図のとおり、鶴見線って臨海工業地帯に支線が2本出ていて、もともと運転本数が多くない上に支線があるものだからさらに本数が少なくなる。支線の一つの海芝浦駅に行こうとすると本数がなかなか少ないのだ。和田岬線ほどじゃないけどね。

浅野駅から海芝浦への支線に入るのだけど、見えるのは東芝などの工場だけ。支線唯一の途中駅新芝浦で降りてもたぶんこれらの工場以外に行けるところはない。

そして到着したのは海芝浦駅。

見事に何もない。遠くに大きな橋が見えるのみ。後で調べたら首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋というらしい。ただ、この海への近さは特筆もの。ここまで海に近い駅って他にあるかしら。

この駅は東芝の敷地に囲まれてに存在しており、改札は東芝の敷地内に直結。つまり、東芝に所用(通勤)がない限り改札を出ることは許されない…というかなり珍しい駅。しかも改札や敷地内は撮影禁止。駅の撮影をしていた別の人のもとには東芝の警備員と思われる人がすっ飛んでやってきていた。正直機密になるようなものはなさそうだったけどね。

この駅で、通勤以外で来たもの好きのできる数少ないことは駅に併設された公園を訪問すること。と言っても

これよ。公園と言っていいのかもちょっと自信がなくなる東芝敷地内の駐車場と海に挟まれた細長い空間が公園らしい。

「海芝公園から見える夜景」

夜は夜景が綺麗らしいけど…う、うん。少なくとも私の人生には私といっしょに肩を並べて夜景を見たいなどと言ってくれる日本の女子はたったひとりもいなかった気がする。仮にいたとしても「海芝浦駅に行こう」と言って乗ってくれる女子はさらに奇特よね。妥協してヤビツ峠…なんで自分が女性に人気がなかったかいまさらわかる気がするわ。

ちなみに浅野から海芝浦までは例の片道切符では区間外乗車。しかも、既述の通り(鶴見駅を発着としない)鶴見線内駅相互利用では乗車券は買えない(スイカのタッチでの乗降車は可能)。不正乗車を疑われるのも口惜しいので横浜駅で下車してちゃんと乗車券を買っておきました。

海芝浦駅で同じ電車の折り返し時間を使い20分ほど滞在し、折り返し浅野駅に戻る。この駅もr型に路線が分岐しているのだが、構内踏切が数か所にあるなどツッコミどころ満載の駅だった。

 
ボロボロの屋根とCCTVモニタの対比がシュール

どこのローカル駅だと突っ込みたくなる絵面ですが、首都圏の一角鶴見線海芝浦支線乗換駅の浅野駅でございます。

浅野駅にも時代の先端をゆく男女兼用トイレが。

ここから乗り換えで浜川崎駅へ。ここで鶴見線から南武支線に乗り換え。鶴見線を極めようとするならもう一つの支線で大川駅へ行き、かつ、本線の2つ先の終点扇町駅まで行くべきだが時間もないし今日のところはこのへんで勘弁してやろう。というか、すでに日が暮れかかっているわ。

浜川崎駅。鶴見線ホーム。
夕暮れ時はさびしそう。とてもひとりじゃいられない♪ ベンチから勢い余って立ち上がったら酔ってなくてもホームから転落しそう。
いま来た鶴見方面を望む。ポツってなんだろう。知らない鉄道用語は多い。

浜川崎駅ここがまた世にも珍しい駅でして。JRどうしの乗り換えなのに乗り換えのために一度外に出て道路を渡る必要がある。イメージ的には京成関屋駅と東武伊勢崎線牛田駅…ローカルすぎて余計わからんか…に近いかも。ただし、こちらには賑わいのかけらもない。

跨線橋の階段の下に見えるのが南武支線の浜川崎駅。
鶴見線ホームから登ってくると跨線橋は途中で二手に分かれ、一つは某企業の専用口(またかよ)、もうひとつはのりかえ兼出口。

とにかくね、改札の外にたとえ途中下車前途無効のきっぷで旅行していたとしても外に出られるの。だからどうしたという方。例の大回り乗車だとこの駅を使えば合法的に改札外に出ることができる。もっとも出たところでなにもないのだが。

というわけで、ここで鶴見線とはお別れ。鶴見線は機会があれば全駅制覇してみたい。電車の本数こそ少ないもののバスなんかを駆使すればさほど難しくないらしいし、労を厭わなければ歩けばいい(海芝浦など例外はあるけど)。

駅からちょっと離れた位置から鶴見線ホームを望む。
左:南武支線 右:鶴見線 浜川崎駅
南武支線浜川崎駅 上の高架線は南武支線ではなく貨物線。ややこしすぎる。

夕方の通勤時だったせいか、こんな寂れた印象の駅なのに結構な人が電車を待ってるのよ。折り返し電車が到着する頃には各乗車口に10人以上の人が待っていたんじゃないだろうか。ホームが手狭のも手伝って結構な人が待っている印象を受けた。

なのに!南武支線にもまた先進の男女兼用トイレ。個人的にはよほどの緊急事態でない限り使いたくない。

南武支線に揺られること数分。すまんが途中駅からお客さんが乗ってくるわ、窓は曇るわでその間のことをよく覚えていない。なのでほとんどワープ状態で尻手という全国まずい駅名ランキングなどというものがあれば確実に上位に来そうな駅で南武線に乗り換えひと駅で川崎へ。つまり熱海方面から直接来られる東海道線に復帰。再び上野東京線に乗り上野へ。本日はここまで。

(追記2月26日)今読み返していて気がついたこと。尻手ってローマ字表記でもよろしくないじゃん。Shit-te。)

上野は…大都会だった。