スカンジナビア航空エコノミークラスが人智を超えてひどい

ごぶさたしております。ふと気がつくと2ヶ月半も更新をサボっております。この間、いろんなことがあったんです。とりあえずはね、上海に出張に行き、ついでに帰省してきました。これが先月末から今月初めのお話。まずはここから。


今回の「出張」、金色のカードを維持する目的でいつものスカンジナビア航空を利用。実はマイレージサービスの改悪でもはや金色のカードを持ち続けることは不可能だろうと思っていのだが、思わぬ出張でまた来年も金色のカードを持てそう…なのだが、この話を始めると長くなるので割愛。悩んだんだけど、マイルを使ったプレミアムエコノミークラスまたはビジネスクラスへのアップグレードは見送った。


【ご参考までに、旧型ビジネスシート新型ビジネスシートの搭乗記はこちらのリンクです。】


非常口座席を取れたというのが理由その1。この席なら、下手にプレミアムエコノミークラスの席に行くより足元が広いし、何よりスカンジナビア航空は目下機内のリニューアル中。数ヶ月以内に座席などが一新される…らしい。


ビジネスクラスもようやくライフラットシートではなくフルフラットシートになるらしい(なにそれという人、よーするに、シートが完全に水平な状態のベッドになるか足の爪先あたりが床に限りなく近くなるような傾いた状態かという話)。とどのつまりが、改修直前の古臭い座席のためにマイルを使うのはもったいないと判断した次第。その結果が以下に書く通り。


ハノーヴァーからコペンハーゲンまでは…まあ、特に書くことはない。ATRというプロペラ機、かなり珍しいのだが、このヒコーキ(少なくとも私が乗ったのは)前方からではなく、後方からの搭乗。1列目は非常口座席なのだが、あくまで「非常口」。非常の時のみ使用する小さな非常口がついているだけ。それでも他よりほんの気持ちだけ足元が広い気がする。その席を指定していたのだがいざ搭乗すると…


フライトアテンダントさん:「その席座っちゃダメ」
私:「へっ?」
フライトアテンダントさん:「ヒコーキの重心の関係で3列目以降の空いている席にテキトーに座って」


…はぁ。


プロペラ機、重心にシビアになるのはわかる。でも初めてだわ。こんなこと言われたの。でもさ、そこまで言うなら、「三列目以降のどこか」じゃなくて、もっと正確に座席を指定すべきじゃあないだろうか。

(もし窓が開けばプロペラに手が届く(手が吹き飛ぶ)こと請け合いのATR72)


機内サービスについては特に書くことはない。だって、もともとなにもないんだもん。この区間、エコノミークラスでは気が向いたらコーヒー紅茶が出る。この日は出たのだが私は熟睡。飲まなかった。


そしてコペンハーゲンに到着。1時間ちょいの乗り換え時間で上海行きに乗り換え。


搭乗口に着いて、私の搭乗券を機械にかざすと、なにやらエラー音がする。おっ、インボラアップグレードですか?と一瞬ときめく。が、世の中そんなに甘くない。


コペンハーゲン空港、搭乗口の先に待合室がある。私が知っている限り世界中ほとんどの空港は待合室→搭乗口→機内なのだが、この空港だけは搭乗口→待合室→機内なのね。


搭乗口の機械でエラー音が鳴ったと思ったら、搭乗口の係氏、待合室だけに聞こえるハンドマイクをおもむろにつかみ…


係:「(私の名前)様、搭乗口係員までお知らせください」
私:「…いや、私、ここに、いるんですけど?」
係:「こちらの記録によると、すでにあなたは搭乗されています」


…意味がわからないのですが。


これが東京行きなら、もしかすると私と同姓同名の人がいないとも限らない。だけどこれは上海行き。日本人なんてほとんど乗っていないと思う。当然誰も名乗りでない。すると係氏は…


係:「東京へおいでのお客様、係員までお知らせください」


捜索範囲を広げたものの、誰も名乗りでない。つまり、私のように上海が目的地の日本人がいれば話は別だが、他には日本人は乗っていないんだろうな。というか、私も東京には行かないんですが…。


それから待たされること10分、一体何をどう間違えたのか謎だが、預け入れの荷物があるかどうかなどを聞かれてようやく待合室に進むことができた。

(ブレてるのをいいことにそのまま載せてしまう待合室。)


そして機内へ。優先搭乗は他の乗客が入り口を完全に塞ぐ形で立っており不可能。まあ、その人達を押しのけていけばいいだけの話なのだが、そこまでする価値はないとおとなしく待つ。ふと思うと、日本人ならこんな時に後ろの人の動きに配慮する心くばりがあるよね…。

(心沈む、スカンジナビア航空のエコノミークラス)


座席に着くと、座席に水のペットボトルが無造作に投げてある。


…あれ、(中国線なのに)日本語だし。


この非常口座席は外がまったく見えないという問題や、トイレの真横という問題があるけど、その代わり足元は広い。


離陸後小一時間ほど経った頃、飲み物のサービスが始まる。エコノミークラスはこの時の飲み物のみ無料。ただし、アルコール系は有料。…あんまりである。聞いたところ、日本線は「特別に」アルコール飲料も1回は無料らしいのだが。仕方ないのでマイルで支払う。

そして、夕食。


前にも何度も書いたけど、私はたいがいのものはおいしくいただける幸せな人(舌が肥えていないともいう)なのだが、これははっきり言わせてもらうと


エサ


としか言いようがない。この味も何もしないレタスのサラダ、パサパサのご飯、パサパサの鶏肉。ついでに言うとデザートのケーキもパサパサ。とてもじゃないが食べられるシロモノではなかった。


ちなみにこちらは日本発の機内食(つまり帰りもエコノミークラスだった)。どんなにスカンジナビア航空が予算をケチっても日本のケータリング会社は最低限の予算でそこそこのものを作ると見受けられる。上海行きのそれよりは遥かにマシだった…あくまで次元の低い争いとして…ね。

というかさ、今、編集していて気がついた。これ、基本的に同じメニューじゃん。ご飯に鶏肉にサラダにケーキっていう。それをデンマークのケータリング会社が作ったら上の結果に、日本のケータリング会社が作ったら下の結果になったって話のような気がする。


さらに、機内エンターテイメントで新作ではない映画を何本か見ることができるのだが、なんとエコノミークラスではオンデマンドではない。つまり、好きなときに映画を始めたり、止めたりすることができない(DVDかテレビかの違いですね)。こんな20世紀の遺物につきあう気はないので無視。


その代わりに自前のノートパソコンでとある古いドラマを見ていたのだが、3本見た時点で電池が尽きる。あ、当然のようにスカンジナビア航空のエコノミークラスの座席には電源など設置されてません。以前プレミアムエコノミークラスに乗った時に私の席の電源が壊れていた。この時は客室乗務員さんのご厚意でギャレーのコンセントで充電をしてくれたのだ。これを踏まえて最後尾のギャレーにノートパソコンとコンセントを持って行ったのだが…


乗務員:「そのようなことは承っておりません」


あーそーですかそーですか。よーするにエコノミークラスの乗客はゴミ以下の存在なんですね。もういいです。無論、そんな言い方はせずにおとなしく引き下がる。こっちだって負けちゃいない。ポータブル電源でヘッドホンとスマホを充電。


ワインが効いたのか、その後けっこう眠れた。ケツの…もとい、臀部の痛さに何度か目が覚めたあとようやく朝食の時間に。この朝食がまた人智を超越していた。


その前にもう一つ。スカンジナビア航空では以前は食事の前におしぼりのサービスがあったのだがこれも廃止された。さらには、最初のドリンクサービスのおつまみも廃止、食事と同時に配られるドリンクサービスも廃止、日本語の雑誌の貸出も、新聞のサービスも終了。もう人間として最低限生き延びるための食事(エサ)と水以外は有料なのだ(正確に言えば、水とコーヒー紅茶も無料)。まあ、ある意味清々しいくらいのクズっぷり。そこまでやるなら、LCCと看板をつけかえればいいのにと本気で思う。


そして朝食。まあびっくりした。百聞は一見に如かず、写真を見てください。


…絶句。


まあ以前との違いは、オムレツとソーセージという温かい朝食がなくなった「だけ」といえばそうなのだが、それってメインがなくなったってことだよね。例えて言えば、吉野家の朝定食のメインといえる焼鮭がなくなったマヌケな状況と同じだよね。はたまた、牛丼の肉抜きか…。


スカンジナビア航空の推しポイントとしては焼きたて(温めたて…かな)パンだったと思う。これすらなくなった。パンのおかわりはあったのだが、さっきの写真にあったパン一種類のみ。ごめんなさいスカンジナビア航空さん。嘘は書けないので端的に言わせてもらうけどこれで満足する乗客が一人でもいらっしゃるなら、私はその方に一度お会いしたいです。

(トイレのドアーはボッコボコ)


ちなみに、改装寸前の機内はガムテープで補修されているなどのひどいもんです。…ホントに大丈夫なのかな。この会社。

…と、まあ、最低のフライトだったのだが、実はさらに最悪のことが上海到着後に起こる(続く)。