【嫁つき日本帰省2017-08】とってもガラパゴスな日本の乗車券事情


翌日は完全なる移動日。長野から大分までの移動なのだが、一日がかりに。

 

佐久市から大分まで…となると、一部のヘンタイ思考をされる方を除けば、まあ、羽田、譲っても成田からヒコーキだと思う。私もそうした。羽田からヒコーキ。そして、羽田までは、100人中89人がそうするように(当社推測)新幹線で。あ、あとの9人は節約志向で高速バス利用。残りの1人は乗り合いタクシーを考える…のではないかと愚考。…計が100人にならないのはごく一部にひねくれ者がいるのと、小数点以下の切り捨てによるものです。知らんけど。

 

でもまあ、それじゃああまりにつまらないので、ちょっとだけ工夫をした。東京駅から浜松町までスーツケースを持って山手線に乗るのは面倒くさいので、そうだ、品川から京急に乗ろうと。そして、北陸新幹線からの乗り換えは東京ではなく大宮でしようと。浜松町のモノレール乗り換えは、何度もエスカレーターの昇り降りがあり、こと荷物があると地味に不便なのよね…。

 

東京、あるいは上野から北に向かう新幹線に乗ったことがある人ならご存知の通り、新幹線は大宮まではえらくゆっくりの速度で進む。なので、この区間は在来線に乗ってもさほど所要時間は変わらなかったりする。だったら、大宮で乗り換えても問題はなさそうだし、その方が運賃も安くなる。その安くなった運賃で大宮から品川までグリーン車にでも乗ればいいと。

 

具体的には、佐久平から東京乗り換え、浜松町からモノレールで羽田空港まで6310円。佐久平から大宮で在来線に乗り換え、品川から京急で6020円(290円も安い)…これに大宮からのグリーン券が770円。他の駅からはどうなるか調べてないけど、大宮のりかえって上野東京線とやらで乗り換えが不要になった今日び、実は賢い選択肢かもしれない。

 

こうして、友人に佐久平駅まで送ってもらい、みどりの窓口で大宮までの自由席特急券、山手線内までの乗車券を購入。恥ずかしながら日本以外に20年近く住む田舎者なので自動券売機でぱっと買える自信がなかった…。みどりの窓口に並んでいたせいでもうすぐ新幹線がやってくる…というギリギリの状況に。おい嫁、急げっ。これを逃すと次の新幹線は1時間後だぞ。

 

そんな中嫁が自動改札の前で悩んでいる。手渡した2枚あるきっぷのどっちを自動改札に入れるのかと。…一枚は自由席特急券でもう一枚は乗車券。確かに日本語でしか書いてないし、これはわからんね。前回は有人改札で係員に見せるタイプのジャパンレールパス利用だったし。2枚同時投入で行けるんですぜ。しかも、ほら、意地悪して一枚だけ裏返しにしても大丈夫。ごていねいに改札印まで押されてきっぷは吐き出されてきた。

 

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ホームに降りるやいなや新幹線は入線。慌ただしく最寄りのドアから乗車。自由席は混み合っており、前後のB席に座ることに。

 

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前回の佐久訪問で橘倉酒造におじゃましたのだが、この時に蔵の案内をしてくださった方が教えてくださった北陸新幹線はJR西と東の両方の車両が走っているというネタ、なるほど、車内情報誌はJR西のだ。…ということはこの車両はJR西日本の車両なのね。

 

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実は佐久平駅に送ってもらう途中に寄り道をして橘倉酒造を再訪した。嫁がいたく気に入ったたまゆらという発泡性純米酒を数本購入して駅に向かった。橘倉酒造さんでは甘酒を振る舞っていただいた。ありがとうございます(そんなことしてるから遅くなるんだよ…と言われれば返す言葉もないですが)。

 

こんな飲み方でいいのか走らんが、スパークリングワインのようにいただきました。

こんな飲み方でいいのかは知らんが、スパークリングワインのようにいただきました。

 

高崎でかなりの数の乗客の入れ替わりがあり、嫁の隣に座れたが、高崎を出ると次はもう大宮。のんびりしているヒマがない。鉄道博物館を左手に見たらもう大宮に到着。ちょうどお昼時なのでご飯にしよう。

 

大宮駅のホームからコンコース階へ。新幹線の改札で再び乗車券と特急券の2枚を自動改札に投入。乗車券だけ戻ってくる。嫁は意味不明…という顔をしている。…まあわかる。

 

私もすっかり忘れていたのだが、新幹線の改札を出ても実はまだ改札内にいる。お昼ごはんは(改札外の)駅ビルのルミネで食べようと思っていたのだが、改札外に出るにはもう一度乗車券を在来線の自動改札に投入しなくてはいけない。嫁は、なんでまた乗車券が必要なのよ…と聞いてくる。…説明のしようがないな。

 

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お昼ごはんは駅直上のルミネのレストラン階の広島風お好み焼き屋さん「宮」へ。ここがまたなんでまた…というような立地にありまして。レストラン街の通路から外れてトイレに行く通路の途中になぜかぽつんと店を構えている。おかげで見つけるのに苦労する。

 

テーブルにつき注文。それから嫁と愚にもつかない話をしていたのだが、注文したお好み焼きがいつまで経っても来ない。私はそう言えば遅いなあ…くらいの認識だったのだが、店員さんがやってきて

 

「誠に申し訳ございません。オーダーの順番を間違えておりました。今すぐお作りしますのでしばらくお待ち下さい」

 

と謝られる。…ああ、そうだったの?くらいにしか思わなかったが、会計時にマネージャーさんと思しき方までやってきて謝罪。…いやいやいや、確かに入店から1時間以上経ってますけどそこまで謝られるほどのことじゃないような。これが日本…なのか?

 

かくして階下のコンコースの改札口でさっきの乗車券を使い今度は在来線のホームへ。ホームで嫁にスイカを出すように言う。スイカをチャージすればグリーン券になるのです。嫁は「なんで乗車券があるのにスイカがいるのか」と聞いてくる。グリーン券を車内で購入すると割高に…いや、説明するのがめんどくさいわ。

 

そうして空いている東海道線直通のグリーン車へ。乗車後に席の上にある読取機にスイカをタッチ。まあ、昼下がりのこの時間帯ならグリーン車になど乗らずとも普通車でも座席は確保できたと思うけど、まあいいや、この程度の贅沢は。

 

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グリーン車内の電光案内には

 

「運転見合わせ:京急線。京急新子安駅での人身事故のため。京急川崎=横浜間」

 

…のようなことを書いている。むむむ、京急線が乱れている。

 

ちょっと悩んだ。だったら、東京駅で降りて、山手線に乗り浜松町乗り換えで羽田空港までモノレールで向かったほうが安全だなと。いや待て、だったら最初から新幹線で東京駅まで行き、そこから山手線に乗ったほうが良かったわけで。わざわざ大宮駅で乗り換えた意味がなくなる。うーむどうしよう。

 

嫁には聞くだけ無駄なので田端駅あたりで新幹線の高架を車窓に見つつ自分会議を脳内で開催。結論は、初志貫徹で品川乗り換え。

 

乗っていた小田原行きも、「後続の列車が遅れ運転間隔の調節のため」とかいう理由で数分遅れる。…まあ、この遅れはヨーロッパでは(いや、日本以外のどの国でも)遅れとは認識されないが。降車前に座席の上のスイカの読取機にタッチしたあと品川で降り、京急への乗り換え改札へ。

 

品川駅の京急線への乗り換え改札では、佐久平で発券された乗車券を投入し、すぐさま京急線に乗るために手持ちのスイカをタッチする必要がある。嫁は意味不明だと言う。…だよなあ。東海道線と京急線が別会社だとか外国人旅行客にはどーでもいいことだもんね。しかも、きっぷ投入とタッチをほぼ同時にするって…けっこう難儀なことじゃないかな。こと後ろに人がいたらけっこうなプレッシャーになりそうだわ。

 

いちいち改札外に出て新たに乗車券を買い求める必要がないというのは本当に便利だけど、ややこしいと言えばややこしい。乗車券が2枚投入できるというのも日本独自のガラパゴス進化した改札のような気がするけど、さらに、乗車券投入とタッチ…というのは世界広しと言えど日本だけで通用する芸当ではないだろうか。ある意味無駄にすごい。

 

さらに無駄にすごいと思ったのは京急。人身事故のため、ダイヤが乱れているだろうと思いきや、羽田空港行き快特電車は定時に品川到着。そして出発。すげーよニッポン、すげーよ京急。

 

…と褒め称えるのは羽田に到着するまで控えるべきだった。空港線に分岐する京急蒲田駅に入線するのに、本線内の電車が詰まっていたらしく、ここで10分以上待機。結果として空港到着が10分以上遅れる。大宮でのんびりしたこともあり、自分の頭のなかで描いていた到着予定時刻より30分以上遅くなっていた。

 

そんなわけでヒコーキには間に合ったものの、ふと気がつくともうぎりぎりの時刻になっていた。ラウンジには向かったもののビールを飲み干す余裕もなくそのまま機内へ。なんだか慌ただしい移動日となりました。

 

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機内から黄昏のスカイツリーを望む。

 

そこそこ有名になった大分空港の荷物受け渡し所の「寿司」

そこそこ有名になった大分空港の荷物受け渡し所の「寿司」

 

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大分に到着後、夕飯は近所のとんかつ屋さんへ。日本のくせに量が多かった…美味しかったけど翌日までお腹いっぱいでした。